- きょういくじん会議
17日から始まった文科省サイト「熟議カケアイ」。当事者全員がネットで教育政策の形成過程に参加できるという注目の試み。自分の意見が直接文科省に届きます。皆さんはもうご覧になりましたでしょうか?
今の議題は?
今、議題になっているのは2つ。
「未来の学校」…10年後の学校のあるべき姿とは?
「教員の資質向上策」…今、先生に求められる力は何か。そしてその実現のための最善の方法は?
それぞれ、「4月17日〜5月21日」という期間が設けられています。
熟議の進め方は?
今の2つの議題は鈴木寛副大臣からの投げかけによって、多くのユーザーが自由にコメントを始めています。各発言に対して「そう思う」「そう思わない」という投票ができたり、「共感のコメント」「質問のコメント」「異論のコメント」など、ユーザー同士をつなぐ工夫も。
様々なコメントを集約していくのは至難のワザ。というわけで、熟議に参加するのは一般ユーザーだけではありません。文科省の熟議担当者や、円滑に進めるためのファシリテーター(民間委託)も参加することで、議論が変な方向に流れすぎることを防ぐ策も取られています。
このような一定期間の熟議と、「中教審等における専門家による検討」を車の両輪として、政策形成に生かしていくことになります。政務三役も熟議で出された意見についてさらに深く知りたい場合には、熟議に参加してくることがあるとか。
コメント数はすでに数百件にのぼり、多岐にわたる議論の方向性・内容・流れなどが追いかけづらくなって来ている状況。この状況に対して、ユーザー側から「ファシリテーターはもっと積極的に議論をまとめていくべき」「サイトの構成を分かりやすく改善すべき」といった要望も出始めました。
始まったばかりですが、この先うまく機能していくかどうかは、こういったユーザーの声をどこまで拾う姿勢があるか、というところに表れてくるかもしれません。
会員登録が必要?
熟議に参加するには、参加規約に基づいて会員登録が必要です。
無責任な投稿等を防ぐため、個人情報である住所・氏名・所属・生年月日・性別・メールアドレスなどを登録して参加することになっています。もちろん、サイト上に個人情報が必要以上に表示されることはありません。
ところで熟議とは?
同サイトでは、多くの当事者による「熟慮」と「討議」を通して政策形成していく以下のようなプロセスである、としています。
- 多くの当事者(保護者、教員、地域住民等)が集まって、
- 課題について学習・熟慮し、討議をすることにより、
- 互いの立場や果たすべき役割への理解が深まるとともに、
- 解決策が洗練され、
- 個々人が納得して自分の役割を果たすようになる、
やはりポイントは、「1.多くの当事者が集まって」「5.個々人が納得して自分の役割を果たすようになる」ということでしょう。
みんなが別々に不満を抱え続けることではなく、身勝手に言いっぱなしの議論をすることでもなく、わが国の教育の政策形成過程に主体的に関わるという市民主役のプロセスをうまく生かすことができたら、本当に日本の教育、未来が変わるかもしれません。
少しでも興味をもたれた方は今すぐサイトへGO!
漫画で分かる熟議や、「熟議」に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会委員によるメッセージなども面白く読めます。