きょういくじん会議
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マツモトキヨシが作った「すぐやる課」
kyoikujin
2010/10/6 掲載
すぐやる課をつくった男―マツモトキヨシ伝 (DIME BOOKS)

 10月6日は日本で始めて、市民の声にすばやく対応しよう、という「すぐやる課」が出来た日です。

 「すぐやる課」は、今から遡ること41年前の1969年、『市民に役立つ所・市民にとって役に立つ人がいる市役所』を目指して、千葉県松戸市役所に設置されました。
 昨年で設置から40周年を迎え、記念して「すぐやる菓」(級h泉堂 岡松)」というお菓子も発売されました。「すぐやる課」に寄せられる要望では「蜂の巣の駆除」も多くあるそうですが、それを由来してか、お菓子の中の餡は蜂蜜入りです。

 この「すぐやる課」を考案したのは、ドラッグストアチェーンであるマツモトキヨシの創設者であり、当時の市長であった松本清氏。“すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります”をモットーにしたこの考えは多くの支持を集め、1975年には315の自治体で採用されました。

 松戸市役所には今でも市長直属組織として「すぐやる課」があり、発足当時は2名だったものが、今では職員12人で市民の要望を受け付けています。これまでの要望で特に多いのは、先述の「巣の駆除」の他、「道路などの補修」や「残土の処理」となっています。
 他の市町村では・・・というと、東京都は世田谷区が第1号。今年の4月には、葛飾区に第2号として「すぐやる担当課」を設置しました。6月には沖縄県の石垣市にも「石垣市企画部すぐやる課」が設置されています。

 「なんでもやる課」ではないので、「庭の芝刈り」といった個人的なことはNGですが、困った時にこのような窓口があるのは、とても便利です。しかし近年ではある程度の技術が必要になる要望も多くあり、人材・予算確保が課題となっているそうです。

 社会科の「わたしたちの生活と政治」の学習などで、このような取り組みを紹介するのも、面白いかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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