きょういくじん会議
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木育で「木」について知ろう!
kyoikujin
2011/2/17 掲載
木育の本 木とふれあい、木に学び、木と生きる。

 私の母校である中学校は、今では珍しい木造二階建て校舎。ミシミシという音をさせながら廊下を歩いたのが懐かしい。そんな母校も、耐震を理由に、昨年から建て替え中。子どもたちの安全が第一だが、少し寂しい気もする。そんな姿を消す木造校舎がある一方、最近では「木」にかかわる教育活動も進んでいるという。

知っていますか? 木育

 木育とは、平成18年9月に閣議決定された「森林・林業基本計画」において明記された呼称で、木材の良さやその利用の意義を学ぶ教育活動とのこと。身近に木材が減るなかで、適切に管理された森林から伐採された木材を利用することの重要性を考えたり、木材にふれる機会を増やしたりすることを推進していく取り組みといえそうだ。
 木材というと、「木の暖かいぬくもり」といったプラスイメージのほかに、森林伐採による環境破壊などのマイナスイメージをもつ方もいるのではないだろうか。しかし、適切に木を使うことは、地球温暖化防止など、環境に貢献できるとも言われているようだ。健康な森林を育てるためには、生育を妨げる雑木などを取り払う作業や過密になった森林の本数を減らす作業が必要とのこと。この作業によって生まれた間伐材などを含めた木材の積極的利用が、山に資金をもたらし、循環するそうだ。

木育の教育活動

 木育の活動には、様々なものがあるようだ。例えば、木製の遊具などで遊ぶという活動。見たりふれたりしながら、木の良さを五感で体験できそうだ。そして、木を使って様々なものを創る活動。実際に自分の手で創る活動を通して、実感をもって木の材質を理解したり、活用法を考えたりするとのこと。そのほか、知識として、木材と環境の関係や木材製品について理解する活動などがあるそうだ。
 木育は、学校現場への出前授業などの形でも行われているようだ。例えば、木育ネットワークによると、大阪市の西九条小学校で行われた出前授業では、木材に関するDVDを鑑賞したり、木材当てゲームが行われたり、かんな削り体験が行われたりしたとのこと。出前授業での体験は、子どもたちにとって、日常あまり意識することのない木材について考えるきっかけになりそうだ。

様々な課題も

 木材利用に関する課題は様々ある。例えば、学校家具に木材を用いようとしても、スチール製の学校家具よりも割高だったり、重量が重く運びにくかったりすることなど、課題は多い。
 まずは、身近にある木材を利用したものについて、どのような木が使われているのか調べたり、図工や技術家庭科の時間に木材を使用したりし、子どもと木の距離を縮めていくことが、重要かもしれない。学校の授業でも「木」について考える機会をつくってみてはいかがだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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