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世界と競争できる大学は育つか―グローバルCOEプログラム審査結果を公表
kyoikujin
2007/6/18 掲載

 15日、平成19年度の「グローバルCOEプログラム」審査結果が公表された。申請件数281件(111大学)のうち、採択されたのは63件(28大学)となり倍率は4.46倍と狭き門となった。
 「平成19年度グローバルCOEプログラム審査結果」

 同プログラムは、世界トップレベルの大学と対等に競争できる大学を育成するため、国際的にも優れた研究活動を重点的に支援する文部科学省の事業。平成14年度から始まった「21世紀COEプログラム」を前身として、その評価・検証を踏まえ、大学院の教育研究機能をより充実・強化する目的で実施された。その予算は19年度で158億円で、今回採択された63件で平均すると1件につき2億5000万円もの支援を受けられるということになる。また、採択された大学は「国際的に卓越した研究拠点である」というお墨付きを得たことになり、学生を集めやすくなるというメリットもあるようだ。
 一方で、大学間の格差を助長し、競争力・経営基盤の弱い地方大学の淘汰に繋がることを懸念する声もある。地方大学は地方で働く人材の育成や地域振興など、研究の成果だけでは測れない重要な役割もあり、競争の激化で淘汰されることが地方の活力を削ぐ結果を招きかねないからだ。

 同プログラムで支援される事業の実施期間は原則として5年間。2年後には中間評価を行い、結果によっては補助を打ち切られる可能性もある。端緒についたばかりといえる同プログラムの結果をどのように評価し、公開するかも今後重要な課題となりそうだ。

※COE=center of excellence:卓越した研究拠点

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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