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暴力行為、ネットいじめ増加―文部科学省調査
kyoikujin
2008/11/25 掲載

 文部科学省は、20日、19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査を公表した。すでに各誌が報道しているように、今回の調査では暴力行為の増加が目立つ結果となった。

 暴力行為は小学校5,214件(前年度より1,411件増加)、中学校36,803件(前年度より6,239件増加)で、高等学校まで含めると合計52,756件(前年度より8,135件増加)という結果。ただし、この増加の背景には暴力行為の定義変更があるようで、今年の調査では怪我や警察への届けの有無などは不問にふしているようだ。

 では、同様に定義の変更で昨年大幅に増加したいじめ(認知件数)の結果はどうだったのだろうか。資料によると、小学校48,896件(前年度より12,001件減少)、中学校43,505件(7,805件減少)、高等学校8,385件(前年度より3,922件減少)、特別支援学校341件(前年度より43件減少)の合計101,127件(前年度より23,771件減少)と、高い数値ではあるものの昨年に比べ減少した。

 全体としては減少したものの、「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」という、いわゆる「ネットいじめ」は小、中、高等学校のいずれでも昨年より増加。高等学校では、絶対数の増加はわずかにもかかわらず他の態様のいじめが減少しているので構成比は13.8%から20.3%へと大幅に上昇した。全体が減少している中での増加は、この分野での対策が十分ではないことを示唆するだけに先日発表されたネットいじめに関する対応マニュアルが活用されることを期待したい。

ネットいじめ発生(認知)件数
18年度 19年度 増減数
小学校 466件 536件 70件
中学校 2,691件 3,633件 942件
高等学校 1,699件 1,705件 6件

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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