- まえがき
- /青山 新吾
- 総論 「多様性」に応じた教育を指向する取組を
- /青山 新吾
- 1 わかりやすい授業・環境整備
- 授業・環境整備1 授業のユニバーサルデザイン
- /川上 康則
- 授業・環境整備2 ユニバーサルデザインの授業づくり 5つの視点
- /岸本 勝義
- 授業・環境整備3 “解説者”探しと「でも楽しい」教室づくり
- /塚田 直樹
- 2 学びのしかけ
- 学びのしかけ1 「学びのしかけ」による通常の学級における特別支援教育の深化
- /久保山 茂樹
- 学びのしかけ2 「ただ楽しいだけ」の活動をしかける
- /清岡 憲二
- 学びのしかけ3 個の特性,課題から発想する「学びのしかけ」を
- /土居 裕士
- 3 協同的な学び合い
- 協同的な学び合い1 子ども同士の学び合いの力でユニバーサルデザインな授業ができる!
- /涌井 恵
- 協同的な学び合い2 「協同学習」が特別支援教育を支える
- /田中 博司
- 4 関係支援
- 関係支援1 支援者や周囲の子どもとの関係をサポートする
- /万年 康男
- 関係支援2 ほめ言葉をつむぎ続ける
- /神吉 満
- 関係支援3 物語をつむぐ関係支援
- /小田 太郎
- 関係支援4 子どもとのやり取りを通して指導していくことの大切さ
- /中雄 紀之
- 関係支援5 特別支援をめぐる2つの「協同」
- /石川 晋
- 5 個別支援とのコラボ
- 個別支援とのコラボ1 個別指導を活かす教室
- /柳下 記子
- 個別支援とのコラボ2 子どもへの「まなざし」
- /島田 和紀
- あとがき
- /青山 新吾
まえがき
いろいろな子どもたちがいる。中には,何らかの要因で学びにくさ,暮らしにくさのある子どももいる(はずである)。そのような内容を扱った僕の講座が終わった後で,参加しておられたお一人から話しかけられた。
「おもしろかったです。昔,特別支援学級を担任していた時のことを思い出しながら聴かせてもらいました…。」
講座への反応を伺う嬉しい時間であると同時に,「あれっ!?」とも思った。その日は,どこにでもいるであろう子どもたちのエピソードの数々を中心に構成していたのである。決して特別支援学級で学ぶ子どもたちだけのエピソードではなく,その先生が今担当されている「通常の学級」にもきっといるであろうと思われる子どもたちのエピソードを配していたはずなのである。ひょっとすると,特別支援教育に関連する話は,自身のお仕事のフィールドである「通常の学級」とは別の場での話であるという思考フレームがお有りであったのかもしれない。
特別支援教育の範囲は広い。対象となる子どもたちの幅広さはもちろん,学校教育の範疇だけではなく,保健,医療,福祉,労働分野との関連もある。本書では「通常の学級における特別支援教育」に限定して扱うことにした。さらに,主に日常の教室において生じそうなことを中心に考えた。様々な考え方や取組が,読者の皆様と近くの子どもたちとの日々への刺激になれば幸いである。
/青山 新吾
「学びのしかけ」;ただ楽しいだけの活動のから教師の指示を聞いたら楽しかったという経験を児童が積むこと。「ほめ言葉をつむぎ続ける」:ほめる:しかる=4:1なるほど! この3点は、早速、職朝で話しました。