- 特集 PISA型読解力は何を示唆するか
- 提言・PISA型読解力を読み解く
- PISA型「読解力」―義務教育の国際化
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- 「教育的解釈学」を超えた新しい「読解力」の提案
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- 学校現場・国語科の成果を評価し課題を位置付ける
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- 向上主義学力論の特質と問題点
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- 多様な資料を活用した総合的な問題解決能力
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- 「読解力向上に関する指導資料」で読解力は向上するか
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- 他教科・総合からPISA型読解力を考える
- 社会科/体験情報と結びついた探究学習
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- 算数・数学/読解力向上の鍵は算数・数学
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- 理科/総合的学習などで“調べ活動”の発表体験を
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- 総合/総合的な学習の時間で問題解決的な総合言語力を育てよう!
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- 文科省「読解力向上に関する指導資料」を検討する
- 国語教育の立場から
- 高く評価できる「指導例」と欠如している三つの重要ポイント
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- PISA型読解力は有効である
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- PISA型読解力は定着するか
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- 社会科教育の立場から
- 批判的に読む力と論理的に表現する力
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- 書く技術、発言する技術を徹底して教えることが重要だ
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- 中学入学時社会科基礎学力調査報告から見えてきた!
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- 算数・数学教育の立場から
- PISAの結果を算数教師はどう「読み取る」か
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- 教科書で基礎基本を保証し、「教えない」授業で算数読解力をきたえる
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- 向山型算数・数学指導法のような言葉のやりとりのある授業をする
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- 理科教育の立場から
- フィンランドに学べ 教師の創造性に託せ
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- 指導事例にインパクトが足りない
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- 理科を通して、生徒に何を身に付けさせたいのか
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- 総合的な学習の立場から
- 調べてまとめてからが、本番である
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- 「全体計画」に読解力の養成のステップを位置付けよう!
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- 戦後の授業研究の歴史 (第6回)
- 集団思考を促す発問研究としての授業研究
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- 親と教師の信頼関係づくり (第6回)
- 特別支援教育研修の公開へ
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- 理科は感動だ! (第6回)
- 夏休みに理科室改造を〜生きた理科室に〜
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- 法人化国立大学の苦悩―学部長奮戦記 (第6回)
- 学部長のボランティア活動
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- TOSS授業技量検定の成果 (第6回)
- 十年の無駄をとりもどすべく
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- 教育課程の見直しに参加して―中教審委員の一人として (第6回)
- 教育課程部会と中教審総会との関係
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- 編集後記
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■編集後記
◯…OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果は、日本の国語教育の在り方に大きな問題を投げかけています。TOSS代表の向山洋一氏は、「真剣な言語技術教育ぬきには、国際的レベルの読解力は身につかない」と警告しています。PISA型の読解力は、これからの日本の教育において、学力の中心的な位置を担うものだとする主張も出ています。
◯…しかし、元文科省の調査官であった小森茂氏は、日本の読解力とPISAの読解力とは同じ内容か、「読解力の低下」を検討する際には、比較する必要があるとしています。小森氏は次のように提起されています。例えばわが国の読解力とは「C 読むこと イ 目的や意図などに応じて、文章の内容を的確に押さえながら要旨をとらえること。 ウ 登場人物の心情や場面についての描写など、優れた叙述を味わいながら読むこと。 エ 書かれている内容について事象と感想、意見の関係を押さえ、自分の考えを明確にしながら読むこと。」などを上げています。
◯…これに対して、PISAの「読解力」とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力等となっています。このように整理された小森氏は、この調査の目的は「義務教育修了段階の十五歳児がその持っている知識や技能を実生活の様々な場で直面する課題にどの程度活用できるかを評価することを目的」としているとします。
◯…本号は、この結果をめぐっての我が国の対策を中心に検討する特集です。
〈江部 満〉
◯…「樋口さんのペースにまきこまれないようにしよう」と前文科省社会科調査官の先生にいわれた時は、ホントびっくりしました。
昨年、エネルギー教育のシンポジストとして招かれたときの体験です。
私がいった中味はというと、
@エネルギーというと、風力がどうとかいうが、あれで野鳥も被害にあったり、ムダな投資のところもあったりの上、発電量はスズメの涙。
A科学技術の水準を維持するためにも原子力発電は必要ではないか。事故を隠すのはケシカランが…。
B第一、日本人の一部には原子力発電さえ悪の象徴のようにいう人がいるが、日本は原子力兵器を持っている国に囲まれているではないか。
というような、事実に基づく発言?が何でカゲキと異端狩りされ(何しろたった一回、この発言しか許されなかったのですから)なければならないのでしょう……。
テポドンが飛んでも「だんだん熱くなってくるので、飛びださない。最後はゆで蛙にされてしまう」なんてことにならない…でしょうね、まさか!
〈樋口雅子〉
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- 明治図書