現代教育科学 2008年4月号
戦後教育の転換―どこに重点を置くか

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現代教育科学 2008年4月号戦後教育の転換―どこに重点を置くか

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ジャンル:
教育学一般
刊行:
2008年3月10日
対象:
小・中
仕様:
A5判 115頁
状態:
絶版
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目次

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特集 戦後教育の転換―どこに重点を置くか
提言・戦後教育の転換―どこに重点を置くか
問う教育の必要性―「知識基盤社会」教育論の危なさ
池野 範男
情報化時代にふさわしい「基礎基本」の再構成
加藤 幸次
学校の公共性と教師の専門性を担保した改革を
貝塚 茂樹
改正教育基本法が大きな転換となる
明石 要一
全教科とも報告・小論文で評価する指導法の確立
市毛 勝雄
国語力の充実策―どこに重点を置くか
心ある言葉の使い手を育む国語力を
花田 修一
活用型国語力を基盤に人間力育成
瀬川 榮志
私のしている充実策
岩下 修
理数教育の充実策―どこに重点を置くか
理念なき教育課程改訂からの脱却を
森 一夫
体系的な数学の教育に急げ
横地 清
読解力を身に付けさせる
新牧 賢三郎
道徳教育の充実策―どこに重点を置くか
学校を子どもたち自らが人格を形成していく場に―道徳の時間をかなめとして―
押谷 由夫
道徳教育の教科化は韓国に学べ
杉原 誠四郎
「個」の呪縛を解く
長野 藤夫
人権教育の充実策―どこに重点を置くか
人権条約の学習を大きな柱の一つに
森 実
豊かな情報の習得と人権教育展開条件の充実
岩田 一彦
「個人の誇り」「日本人の誇り」を授業で教える
河田 孝文
現場教師が考える充実策―ここを強調したい
〔小学校〕学級集団づくりから学力の質的向上と人間性の育成を図る
今村 孝子
〔小学校〕現場の実情から出発し、現場の実情を改善する校内研修
川上 弘宜
〔小学校〕「言語力」育成の重視―だからこそ、国語の授業
二瓶 弘行
〔中学校〕大人の善意が子どもをダメにしている!
佐藤 佐敏
〔中学校〕教室にいるすべての生徒が、日本の将来を担う大切な存在である
染谷 幸二
〔中学校〕「習得」「活用」「探究」充実の鍵は効果の高い指導法を採用し、それを使いこなす授業技量を高めることである
長谷川 博之
教育再生への課題―現場の問題点 (第1回)
教育再生の出発点は「底部」から
向山 洋一
教師の「道徳教育実践力」を育てる (第1回)
道徳教育に、今、何が、求められているか?
荒木 紀幸
新学習指導要領をどう解釈するか (第1回)
新学習指導要領と私
安彦 忠彦
免許更新制の課題 (第1回)
教員免許の更新制がやって来る
長尾 彰夫
戦後教育は終わった (第1回)
戦後教育はなぜ紛糾したか
菱村 幸彦
「教師力」とは何か (第1回)
現代日本の学校教師に求められているもの
梶田 叡一
編集後記
江部 満樋口 雅子

編集後記

○…改正教育基本法を本誌で特集した際(二〇〇七年六月号)、ご寄稿いただいた菱村幸彦氏は、「やっと戦後教育が終わった」と題し、次のように述べられていました。「教育基本法の改正は、いわば戦後教育の決着である。その意味では、これでやっと戦後教育が終わったのだ。基本法の改正のうち、特に評価する点として、(1)法律で徳目を定めたこと、(2)「不当な支配」条項を改めたこと、(3)教育振興基本計画の策定を定めたこと―を挙げたい。」

○…では、新聞で報道された(二〇〇七年十月三十日)中教審の学習指導要領に向けた「審議のまとめ」には、この考え方がどう反映されているのでしょうか。現行の学習指導要領の理念を実現する手立てが必ずしも十分でなかったことについて、次の五点の課題があったとしています。

○…第一は、「生きる力」の必要性について文科省と学校関係者、保護者との間で十分な共通理解がなされなかった。第二は、自主性尊重のあまり指導を躊躇する状況があった。第三は、体験的・問題解決的な学習を重視する総合的な学習が、各教科と総合学習の適切な役割分担と連携が十分に図られていない。第四は、各教科で知識を活用する学習活動を行うためには、現在の小・中学校の必修教科の授業時間は十分でない。第五は、心や体の育成について、家庭や地域の教育力が低下したことを踏まえての対応が十分でない。

○…以上を踏まえて、改善事項が示されているわけですが、早くも現場からは「中途半端」との批判も出ています。体験主義に偏った「新学力観」は変わっていないとの研究者からの批判も出ています。本号は「戦後教育の転換」のためには、実践の重点をどこに置くか、第一回の提案特集です。

(江部 満)

○…〈中教審答申を読み返して笑ってしまった〉〈教育改革三法に大きな影響を与えた再生会議には全く言及していない〉

 〈「教育界」ひとまとめにして「悪平等」「形式主義」「閉鎖性・隠ぺい主義」などとののしった再生会議の残した傷跡は、いくら無視しようとしても無視できないのではないか〉

 〈結局、教育界にとって再生会議は学力低下論争∴ネ来すっかり失墜してしまった信頼に駄目≠押しただけ〉

 以上は時事通信社が発行している「内外教育」のラウンジというコラム欄からの引用です。

 このコラムを読んで、筆者と同じく私も思わず笑ってしまいました。

 だって。

 教育界を隠ぺい主義(この交ぜ書きは、新指導要領では改められるようですが…)とののしった―と批判しているコラムライター当人が、名乗らないという隠蔽体質を自ら証明しているというのに…。

 私なら、再生会議が税金をいくら使ったのかから迫りますけど…。

(樋口雅子)

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