- 特集 「道徳教育」で伝えたいことは何か
- 提言1・「道徳教育」で不足しているのは何か
- 道徳的な価値概念(徳目)の教育を
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- 道徳教育で行うべきこと
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- 道徳教育を組織的に(ティームで)取り組もう
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- 授業力が道徳教育の成否を左右する
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- 「公」という概念である
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- 提言2・戦前の「道徳教育」のどこに問題があるのか
- 「不平等と格差」が気になる
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- 修身科はいまだに清算されていない
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- 占領下「修身科批判」の呪縛を取りのぞこう
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- 提言3・家庭と地域社会には「道徳力」は無いのか
- 無いのではなく、共に道徳力が低下している傾向がある
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- 道徳力の潜在能力を呼び覚ます必要がある。無関心が一番いけない
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- 家庭と地域社会が本来もつ「道徳力を育て、発揮させる力」を取り戻す具体案
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- 小学校の「道徳教育」で伝えたいことは何か
- 人としてのあり方・尊厳を伝える
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- 向山洋一氏の「生き方の五原則」をめぐって
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- つまらない道徳教育からの脱却 人間としての生き方の原理原則を「力のある教材」で教える
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- 尊敬できる人との出会いが、道徳性を高める
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- 物事を多様に考えられたり、人の行動の背景まで考えられること
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- 中学校の「道徳教育」で伝えたいことは何か
- 背中をちょっとだけ押してあげる優しさと、変化球でアプローチする柔軟さを持った中学教師でいたい
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- あなたの目の前にいる私にも夢がある
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- 人生は自分が規定していると教える
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- 人を人として尊重すること
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- 指導力の弱い教師は道徳の基本的な指導ができない
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- 「道徳の時間」を要とした道徳教育で不足しているもの
- 「道徳の時間」の授業の一年間を通した「ねらい」
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- 挨拶に次ぐ言葉の指導を
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- 子どもが感動する「教材の開発」とは
- 授業のねらいが子どもに見えない教材を!
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- 出来事を語り、心を鍛える―教師は子供に語れる話を多くもっていなければならない
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- 多様な価値観を引き出す資料開発・選択
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- 「教えて考えさせる授業」をめぐって (第1回)
- 「教えて考えさせる授業」とは何をさすのか
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- 若い教師への期待 (第1回)
- 自己を疑わない教師の善意は悪魔の行為へ化身する
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- 教師の読み書き (第1回)
- くどく、しつこく 1
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- TOSS流・学校づくり論 (第1回)
- 教育課程編成は教育目標から立ち上がる
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- 「公意識教育」のあり方を問う (第1回)
- 「公意識教育」とは何か
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- 編集後記
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編集後記
○…戦後教育の欠陥として「徳育の欠如」を指摘する声は高いですが、現場での関心はそれほど高くはないようです。その理由として、現場教師から「必要感がない」「義務感がない」「充実感がない」との三つを挙げる声があります。さらに道徳授業は、多くの教師が「やらなくていい」と思っていると証言しています。それは道徳授業で「道徳的心情・道徳的判断力・道徳的実践力」がつくなんて思っている現場の教師はほとんどいない、と証言しています。さらに、道徳は教科ではないから「評定」がない、そのためあえてやる教師は少ないといいます。(河田孝文氏本誌昨年の特集で)
○…しかし、「徳育の欠如」を無視できないとして、平成一八年一二月に、教育基本法が制定から六〇年近くもたって全面改正され、「豊かな道徳心」「公共の精神」「伝統と文化の尊重」などが強調されています。これについて、文科省の解説書では次のように解説されています。
「現在子どもの自制心や規範意識の希薄化、生活習慣の確立が不十分であることなど、子どもたちの心と体の状況にかかわる課題は少なくない、また、自分に自信がある子どもが国際的に見て少ないことや学習や将来の生活に対して無気力であったり不安を感じたりしている子どもの増加等も指摘されている。その中で、現実から逃避し、今の自分さえよければという自分の考えに閉じこもりがちな子どもの問題も指摘されている。子どもたちが他者、社会、自然・環境との豊かなかかわりの中で生きるという実感や達成感を深めてこそ健全な自信がはぐくまれる」
○…そのためにも道徳教育の一層の充実が期待されているわけです。本号は「道徳教育」の問題点を追及する特集です。
(江部 満)
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- 明治図書