国語教育 2002年11月号
「語彙力」を増やす授業の工夫

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国語教育 2002年11月号「語彙力」を増やす授業の工夫

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ジャンル:
国語
刊行:
2002年10月
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「語彙力」を増やす授業の工夫
提言・子どもの語彙を豊かにする授業の工夫
子供の語彙を豊かにする指導の工夫―語彙力育成のための具体的な方策―
甲斐 睦朗
学習者の既有の語彙知識を喚起し改編する方法
塚田 泰彦
語彙力を育てる
浜本 純逸
あらゆる機会と場を生かした語彙指導の展開を
世羅 博昭
まずは教師自身の姿から―言葉にこだわる楽しみを身につけよう―
野口 芳宏
辞書を生かした「語彙力」の増やし方
楽しく語彙が増える二つの辞書の授業
横田 経一郎
表現するために辞書を使う
大河内 義雄
辞書の日常的活用を促す自主学習法
井出 一仁
豊かな語彙は豊かな人をつくる
花田 修一
取り立て指導で「語彙力」を増やす
ポイントは、強制と知的好奇心!
池田 操
ことばを明らかにする喜びを与える
相原 貴史
対義語・「左」は「右」より劣っているのか
山崎 香織
ことば関連マップを作り「語彙」発見
笠井 正信
読解指導で「語彙力」を増やす
「五年四組ことば辞典」を作ろう
長崎 秀昭
一つの語句にこだわって語彙力を増やす
師尾 喜代子
漢字の読み先習が語彙力をつける
楢原 八恵美
ステップアップしながら語彙力を育てる
遠藤 瑛子
作文指導で「語彙力」を増やす
重要語句を使用語句に
高谷 秀
短作文オリエンテーリングを通して
小野 典利
「うつしまるくん」を作文に生かす
漆山 仁志
論理的な作文と創作の二本立てで語彙を増やす
井上 敬夫
語彙の貧弱な子をどう伸ばすか
日常の言語活動に目を向けて
杉森 至
様々な語彙に触れる機会を多くする
平松 孝治郎
日常的に大事にしたい語彙指導のポイント
小山 恵美子
国語辞典を使って楽しく学習
尾崎 秀樹
語彙は易しい字を手がかりに増やす
岩渕 明子
質より量 体育のように授業する
門島 伸佳
フラッシュカードと辞書で積み重ねる
芝勢 雅子
参加型板書で集団思考を育てる (第8回)
中原 勇治
総合的学習を国語学習で支える (第20回)
物語文を中心に発信型の授業を
石川 雅春
書評
『基礎学力の年間戦略はこれだ!』(吉川廣二・TOSS島根連合サークル著)
佐藤 洋一
『国語科教育学研究の成果と展望』(全国大学国語教育学会編)
市毛 勝雄
国語教育人物誌 (第140回)
三重県
伊藤 隆司
京都府
植山 俊宏
滋賀県
大田 勝司
大阪府
小田 迪夫
兵庫県
菅原 稔
現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第56回)
言語の力で,確かに理解し,「表現・行動」する子どもの育成
瀬川 榮志
国語教育時評 (第20回)
「論理的な文章を書く指導」参考書リスト
市毛 勝雄
到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第8回)
絶対評価を見えるようにする(4)
須田 実
到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第8回)
「音朗読」の出題にも明確な「言語技術」を―読むこと(1)
堀 裕嗣
「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第8回)
漢字の学習構造改革―研究の方向と今後の課題
森川 敦子
国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第8回)
「学力低下」論を検証する(その1)―「学力」は低下しているか―
鶴田 清司
絶対評価で変わる国語の授業 (第8回)
「すぐれた授業」と絶対評価
益地 憲一
メディア教育の実践課題 (第8回)
メディア教育の学習材(1)―静止画像(写真・イラスト、など)
中村 敦雄
編集後記
江部 満

編集後記

かなり前から語彙や語感の授業の不振について、警告や改善策を野口芳宏氏は提言していました。言語事項は「基礎・基本」という場合の「基礎」に当たるのですが、その基礎学力はもっぱら練習帳やドリル帳に依存し、子どもの自習という形で学力形成が図られてきたのが一般的だと野口氏は言います。確かに校内研究でも人気の無いのが「言語事項」かもしれません。甲斐睦朗氏によりますと、明治以来の国語教育一二〇年余りの歴史の中で語句や意味の指導を含めた広い意味での語彙指導の問題を取り上げようとすると、一九四五(昭和二〇)年前後に大きく二分されると言います。一九四五年以前はおおまかに言えば難語句の言い換え中心の語句説明が大多数であった、ということになります。それに対して一九四五年以降の語彙指導は、理解のための語彙指導、表現のための語彙指導、そして取立的な語句の指導、さらには文字通り狭義の語彙指導と言ったさまざまな領域・方向で目ざましい進展をみせると分析しています。(『国語教育基本論文集成』21巻解説から)しかし実際は語彙指導に関しては不振・低調と言えるのではないでしょうか。語彙指導の目的は、一人一人の子どもに語彙力を確かに身につけさせることであると甲斐氏は主張しています。さらに語彙力は次の四つの事項の総称でもあると解説されています。第一に、文章を読んだり話を聞いたりする時に、使用されている言葉を的確にそしてイメージ豊かに理解できる力、第二は、文章を書いたり話をしたりする時に、言葉を正確にそして効果的に使用できる力、第三は、ある言葉を話題に取り上げた時に、さまざまな関連語句(類義語・対義語・類縁語など)を導き出せるとともに語源や語の由来などの知識を持っていること、第四は、言葉についてさまざまな面からの興味・関心を持っていること。(『語彙指導の方法』甲斐睦朗編から)本号は基礎学力向上のための一環として「語彙力」を増やす授業の工夫を特集しました。

(江部 満)

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