- 特集 学ぶ力を育てる「聞く技術」の開発
- 提言・なぜ「聞く技術」が必要か
- 「聞く技術」の大切さと指導の大切さ
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- 技能は技術に媒介されてはじめて習得される
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- 聞く技術は「情報」を読み解き批評する力
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- 「聞く」における「技術」と「能力」
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- 豊かな人間関係力の基盤を育てるため
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- 低学年児にはこうして「聞く技術」を育てる
- 音読のよいところをメモさせよう
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- 開かれた身体で、確かな聞く力を
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- 「たった二つの指導」で根気強く育てる。
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- 中学年児にはこうして「聞く技術」を育てる
- ことばと心のキャッチボール
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- 自分と友達との感じ方の違いを聞く
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- 聞き方のスキルを与える
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- 高学年児にはこうして「聞く技術」を育てる
- 「聞くこと」に学ぶ姿勢を育む
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- 討論の授業で「聞く技術」を育てる
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- 聞かざるをえない課題を与えよ!
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- 中学生にはこうして「聞く技術」を育てる
- 「樹形図メモ」型リスニングテストで鍛える
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- 重要であること・明確であること
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- 自分の「聞く」をメタ認知させる
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- 教師の話術で育てる
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- 読み方の授業で「聞く技術」をこうして育てる
- 「積極的に聞く」姿を目指して
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- 文学作品の教室だからこそ−「語り」と「対話」を通して−
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- 「吸収力」を高める
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- 読み上げ原稿の指導と聞き取り技術
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- 話す聞く授業で「聞く技術」をこうして育てる
- やはり「書く」ことだ
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- 心を通わせる聞き方をもとめて
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- 楽しさで、「聞く技術」を育てる
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- 付箋で「聞く力」を伸ばす
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第14回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第14回)
- 読書の環境づくりと意図的な図書室活用
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- 書評
- 『国語の基礎学力を育てる―学力保障・言語技術・絶対評価―』(鶴田清司著)
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- 『進んだ子のための国語科発展学習ワークシート 中学1年、中学2・3年』(市毛勝雄編)
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- 国語教育人物誌 (第158回)
- 大阪府
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- 兵庫県
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- 奈良県
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- 滋賀県
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第74回)
- 確かな国語学力の向上をめざす学校
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- 国語教育時評
- 読解力向上の具体策とは何なのか
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- 声の復権と国語教育の活性化 (第2回)
- 歌詞を用いた授業の可能性を探る―日本のうたの教材化を求めて―
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- 読書指導の改革 (第2回)
- 他人の褌で相撲をとる(その二)
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- 検定外・言語技術教科書の構想 (第2回)
- 検定外・言語技術教科書のための「言語技術教育要領」
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―小学校を中心に (第2回)
- 「時代に求められる国語力」を視野に入れ、学び手の「See」が具体化される国語科授業へ
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―中学校を中心に (第2回)
- 学力調査の結果を受けとめる
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- 国語科授業力をどう身につけるか (第2回)
- 国語科授業力の習得と修練をめざして
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- 編集後記
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編集後記
人間が生まれて最も早く開発されるのが「聞く」であり、その上に口を用いた「話す」が加わり、やがて目を用いた「読む」と手を用いた「書く」が形成されてくるわけです。(文化庁・話しことばシリーズより)よく聞いて、よく分かる力は、以後の「話す、読む、書く」力に発展していくことになります。その意味で、「聞く技術」の開発は、教師の「指導技術」と子どもの側の「聞き方技術」の双方に関連してくるといえます。つまり「ことばシリーズ」にもありますように、「聞くこと」の指導の内容は次の二つの側面を持っています。第一は「聞くこと」に関する指導であり、能力的な側面であると共に、指導内容・学習事項といえるものです。第二は「聞くこと」による指導の側面です。特に必要な知識を与え、意欲を喚起して能力形成を促すことが期待されているわけです。第一の側面については、(1)積極的に聞く、(2)注意して聞く、(3)話のまとまりをとらえて聞く、(4)話し手のことを考えて聞く、など「聞く」行為を意図的に経験させることが必要となります。何よりも「聞く」意欲を喚起させることが大事かもしれません。しかしよく言われていますように、受け手の聞き方には二種類あり、本聞き(積極的な聞き方)と半聞きです。半聞きは雑念にとらわれて、いい加減な理解と解釈をする聞き方です。そうなりますと、「聞くこと」の指導の根本はあくまでも実際に聞かせることにあります。ですから読み聞かせに用いる教材にしても録音教材の使用にしても、漠然と聞かせるだけでなく、なんらかの課題を与えて動機付けとして「聞くこと」の徹底を図ることが必要になります。本号はそのための実践的工夫例を集めたいとする特集です。
(江部 満)
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- 明治図書