- 特集 語彙を豊かにする授業のアイディア
- 提言・情緒力・論理的思考力を支える語彙力とは
- 学習者の既有の語彙知識をどう活用するか
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- 指導したい語彙・語句を見定める
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- 語彙意識をはぐくむ言語活動の構想
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- 「国語学力」としての語彙指導の再構築を
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- 子どもの国語力と人間力を伸ばす学習づくり
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- 語彙指導の戦後史―何が問題になったか
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- 語彙指導の「取り立て」効果的なポイント
- 時宜を得た「取り立て」指導を
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- 「取り立て指導」のイメージを変える
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- 語彙指導のための五つのポイント
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- 「言葉の力」を実感できる語彙指導を
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- 語彙を豊かにする授業のアイディア―低学年
- 言葉遊びで語彙を増やそう
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- 言葉を実感させるための音読練習と教材開発
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- ことばによる関係・つながりの発見
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- 毎日の授業の中で、少しずつ行うことこそ大切である。
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- 語彙を豊かにする授業のアイディア―中学年
- 言葉の仲間分け〜赤をイメージする言葉を手がかりに〜
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- 「知る・分かる」から「使いこなす」へ
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- 傍らにいつも国語辞典
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- まど・みちおの三つの詩を使って
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- 語彙を豊かにする授業のアイディア―高学年
- 身近なところから言葉に興味をもたせる工夫〜自分の名前字典を作ろう〜
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- 五つの熟語を全部使って文を作らせる
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- 「知ってるつもり」「わかったつもり」からの脱却
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- 「学習用語のカテゴリー化」で飛躍的に増やす
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- 「知る」「感じる」「使える」に着目した語彙指導―俳句の学習を通して(六年)―
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- 語彙を豊かにする授業のアイディア―中学校
- 『分類語彙表』を使う
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- 生きた生活の場でことばを身につける
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- 言葉のよさを考えさせていく教育課程を構想しよう
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- 「まねぶ」ことで表現語彙を増やす
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- 生活的に語彙を学ばせるくふう
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第16回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第16回)
- 得る、広げる、深めるために読む
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- 書評
- 『旧文化の呪縛を解く知的格闘ワザ』(椿原正和著)
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- 『中学生の作文を教材にして説明力を鍛える』(村上正子著)
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- 国語教育人物誌 (第160回)
- 福岡県
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- 佐賀県
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- 長崎県
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- 熊本県
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第76回)
- 美しい言葉・心で価値ある言語行動を表出
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- 国語教育時評
- 文法知識はなぜ役にたたないのか
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- 声の復権と国語教育の活性化 (第4回)
- 演劇で目指す声の復権―国語科で演劇をどのように扱うか―
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- 読書指導の改革 (第4回)
- 方法としての模倣(その二)
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- 検定外・言語技術教科書の構想 (第4回)
- 検定外・言語技術教科書のための「言語技術教育要領」(3)
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―小学校を中心に (第4回)
- 「A話すこと・聞くこと」の領域の場合(その3)単層的能力観から重層的能力観へ
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- 学力調査をふまえた国語科授業の改革―中学校を中心に (第4回)
- 話す力・聞く力は向上したか(2)
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- 国語科授業力をどう身につけるか (第4回)
- 国語科授業力の認証と自己検証と
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- 編集後記
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編集後記
「これからの時代に求められる国語力」について文化審議会は、去る三日国語教育と読書活動の充実を図るよう河村文科相に答申をしました。今後の指導の重点を「読む」と「書く」に置き、他教科を含めた全教育活動での国語力の向上を求めるなど学校全体での国語教育の見直しを提言しています。報道関係の解説では、二年度からの学習指導要領で小・中とも国語の指導時間が減ったことへの危機感がある、とありました。
さらに「国語力を身につけるための国語教育の在り方」として、第一に情緒力・論理的思考力・語彙力の育成を上げています。「今後の国際社会の中では、論理的思考力(考える力)が重要であり、自分の考えや意見を論理的に述べて問題を解決していく力が求められる。しかし、論理的な思考を適切に展開していくときに、その基盤として大きくかかわるのは、その人の情緒力であると考えられる。したがって論理的思考力を育成するだけでは十分でなく、情緒力の育成も同時に考えていくことが必要である。これに加えて、漢字・漢語を含め国語の語句・語彙力の育成が重要である。人間の思考は言葉を用いる以上、その人間の所有する語彙の範囲を超えられるものではない。情緒力と論理的思考力を根底で支えられるのが語彙力である」と。
確かに、人間の認識、思考、判断、コミュニケーションの基礎材料を提供するのは語彙であると言えます。語彙が貧弱だとその人の認識、思考、判断も貧弱なものになるとの指摘も無視できないでしょう。それ故に豊かな語彙を持つことがいかに大切かを改めて確認させられる答申でした。
本号は、そのために授業の中で理解語彙や使用語彙の豊かな習得を必要とする授業のアイディアを集める提言を特集としました。
(江部 満)
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- 明治図書