- 特集 「対話力」を鍛えるアイデア
- 提言・「対話力」アップのための重点指導
- 教師が「対話力」を認識し、指導すること
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- 話し合いをはこぶ力に意識を
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- インナースピーチとペアートークに重点を
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- 対話力の根幹―まずは自ら話すこと、そして相手の話を引き出すこと―
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- 本物の対話が生まれるとき
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- 「対話力」を鍛えるアイデア―低・中学年
- 対話の型に沿って全員の前で話す
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- 「話す力」「想像力」を伸ばす「おてて絵本」
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- 聞く力の実態を把握し、自己評価・相互評価を生かす
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- 国語の時間から英会話の時間まで―日常生活全てを使って鍛える
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- 発表の雛形を教え、意見をノートに書かせることから始める
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- 「対話力」を鍛えるアイデア―高学年
- 対話力を育てる「授業構想」と「言語技術」の明示
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- 相手の意見に応答する技能を意見文で育てる
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- 対話をするためには、自分の考えを明確に持つ必要がある
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- 日常的に鍛える
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- 必然性のある話題で(六年生)―北鎌倉にたどり着く―
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- 「対話力」を鍛えるアイデア―中学校
- 「よりよい聞き手」を育てる―対話のためのトレーニング
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- 「対話の運び」を楽しむ対談学習
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- 三つの「対話」を指導過程に組み込んだ学習指導
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- 「聞いて話す」リレートーク
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- 対話しようという意識・態度を育てる
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- 対話力を楽しく鍛える連句創作
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- 教師の「対話力」指導の技能を磨く
- 教師の「対話力」指導の技能を磨く
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- 説明を求める
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- 新学習指導要領・「国語科」と「対話力」との関係
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- 基本原理に根ざした対話力育成の方略
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第60回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第60回)
- 年間を通した本の紹介活動を
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- 書評
- 『グレーゾーンの子どもに分かる授業の条件―国語科編―』(大森塾編集委員会編)
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- 『「向山型分析批評」で討論授業を組み立てる』(甲本卓司著)
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- 国語教育人物誌 (第204回)
- 北海道―道南−札幌
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- 北海道―道北−稚内
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- 北海道―網走−釧路−根室−十勝
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- 福島県
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- 国語教育時評
- 国語科教育が言葉の学習教科になる兆し
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第120回)
- 言語力の育成を基盤にした研究「習得・活用・探求」の学習法
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- 検定外・日本言語技術教科書の実践と考察 (第24回)
- 「生徒理解」の作文指導から「論理的思考を鍛える」作文指導に
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- 読解力向上のための実践提案 (第12回)
- 文学的文章を読解するための視点二〇
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- 読書意欲を高める多読のすすめ (第12回)
- 読書入門の役を果たす、愛情中心の絵本の読書
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- 国際的なコミュニケーションをどう取り入れるか (第12回)
- PISA読解力テストの得点を向上させる十の鉄則
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- これからの国語科教育 (第12回)
- 「国語力の育成」重視―中教審の検討の推移10―
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- 編集後記
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編集後記
〇…「対話力」の向上が期待されていますが、実践上の問題点が種々指摘されており実践が深まっていないという指摘もあります。高橋俊三氏は「対話力」は聞く力に話す力を足したものではなく、「掛けた」ものだと比喩的に説明されています。福岡教育大学国語科の共同研究で、山元悦子氏は「対話力」を聞く能力と話す能力に二分するだけでなく、その間をつなぐ「展開力」を設け、「聞いた内容をもとに、適切な話す内容を生み出す運用能力」を重視した学力モデルを提案している、と中村敦雄氏は『国語科教育学研究の成果と展望』で紹介しています。
〇…その山元氏らの共同研究では、次の三つの指導段階が設定されています。第一段階、対話の価値を知る。対話の生産性、必要性に気づかせる。第二段階、相互融和的な対話への指導。第三段階、相互啓発的な対話の指導。しかし、ネット社会が拡大する今日の状況では、人と話す機会、場面が減ってきており、吉田裕久氏が言われるように、話す機会を出来るだけ多く持つこと、進んで自分の考えを述べ、他者の考えをじっくりと聞く、そうした対話能力が求められている、ことも大切になります。
〇…そのために吉田氏は主張を箇条書きにまとめています。(1)自分の言いたいこと(主張)はあるか? その理由は明確か?(2)自分の言いたいことを過不足なく、筋道立てて分かりやすく話せたか? (3)相手(聞き手)に伝わるように話せたか?
〇…野口芳宏氏が言われるように、まずは「話し方」を意識化させることの大切さ、気づきの大切さを教えることも大事でしょう。本号は「対話力」の向上に向けて、実践提案をさらに集めたいとする特集です。
(江部 満)
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- 明治図書