- 特集 「深い学び」を実現する国語科の教材研究と発問づくり
- [提言]「深い学び」を実現する国語科の教材研究と発問づくりとは
- 「深い学び」を実現する教材研究と発問づくり 五つのポイント
- 深い教材研究→具体的な目標→切れ味のある発問という連関
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- 「深い学び」を導く説明的文章の教材研究と発問づくり
- 読解から探究を核とした学びへの転換を
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- 「深い学び」を導く文学的文章の教材研究と発問づくり
- 読みの交流による「深さ」への到達
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- 小学校/教材研究の視点と発問でみる授業モデル
- うみのかくれんぼ(光村図書/1年)
- 比較を軸に文章の構成を捉える
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- たぬきの糸車(光村図書/1年)
- 多様な読みが生まれる主発問・課題
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- どうぶつ園のじゅうい(光村図書/2年)
- 「ほけんしつの先生」の一日を紹介しよう!
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- お手紙(光村図書/2年)
- 物語の構造や仕掛けに気づき,作品のよさを味わう
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- すがたをかえる大豆(光村図書/3年)
- 筆者の主張と説明の工夫点を見つけよう
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- おにたのぼうし(教育出版/3年)
- 意見交流をして,自分の考えを広げよう
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- ウナギのなぞを追って(光村図書/4年)
- 言語活動の充実は必然性と緊張感
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- ごんぎつね(学校図書/4年)
- 読みの交流で「深い学び」を
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- 和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる(東京書籍/5年)
- 二つの発問で創る読みの過程
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- 注文の多い料理店(東京書籍/5年)
- 作品の面白さをとらえる視点
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- 町の幸福論―コミュニティデザインを考える(東京書籍/6年)
- 教材をいかに捉え,いかに出あわせるか
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- 海の命(光村図書/6年)
- 他者との対話的活動を通して,自分と向き合う
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- 中学校/教材研究の視点と発問でみる授業モデル
- シカの「落ち穂拾い」―フィールドノートの記録から(光村図書/1年)
- 文章や図表を読み新たな課題を発見しよう
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- 少年の日の思い出(光村図書/1年)
- <語り>の領域を読む
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- 君は「最後の晩餐」を知っているか(光村図書/2年)
- 「対話的な学び」で『最後の晩餐』の魅力を追究する
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- 走れメロス(東京書籍/2年)
- 表現効果を問い,解釈を「見える化」する
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- 夏草―「おくのほそ道」から(光村図書/3年)
- 文章のジャンルに応じて読む
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- 故郷(東京書籍/3年)
- 音読を繰り返し感動の中心を探る
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- 変える国語授業―高大接続改革・大学入学共通テストを見据えて― (第5回)
- 大学入学者選抜改革の動向について1(大学入学共通テストの方向性と各大学等の対応)
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- 言葉による見方・考え方を働かせる語彙学習 (第5回)
- 理解語彙と表現語彙,そして表現準備語彙
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- 〜・語彙単元での語彙学習〜
- 学び合いがうまくいく!教科書教材のペア&グループ学習 (第5回)
- 小学1年/○○したことをえとぶんでつたえよう―えにっきをかいてともだちやおうちのひとにつたえる―
- 【書くこと】8月教材「えにっきをかこう」(東京書籍)
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- 解説
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- 小学2年/じゅんじょをあらわす言葉にちゅうもくして読んだり,書いたりしよう
- 【読むこと】8月教材「どうぶつ園のじゅうい」(光村図書)
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- 解説
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- 小学3年/俳句に親しみ,作る楽しさを味わおう
- 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】8月教材「俳句に親しもう」(東京書籍)
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- 解説
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- 小学4年/調べたことを整理し,発表しよう
- 【話すこと・聞くこと】8月教材「だれもが関わり合えるように」(光村図書)
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- 解説
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- 小学5年/まじめに十代が二十四時間話し合います!
- 【話すこと・聞くこと】8月教材「『意見こうかん会』をしよう」(教育出版)
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- 解説
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- 小学6年/いろいろな短歌に親しもう
- 【書くこと】8月教材「たのしみは」(光村図書)
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- 解説
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- 中学1年/平和を希求する人々を語る
- 【読むこと】8月教材「大人になれなかった弟たちに……」「読書案内 本の世界を広げよう」(光村図書)
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- 解説
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- 中学2年/読書案内をつくろう―グループワークを通した推敲活動―
- 【書くこと】8月教材「読書案内 本の世界を広げよう」「二年一組のお薦め三十五冊」(光村図書)
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- 解説
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- 中学3年/立場を決め,自分の考えを伝えよう
- 【読むこと】8月教材「高瀬舟」(光村図書)
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- 解説
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- 子どもの心を動かす!国語授業10のエンジン (第5回)
- 音読が授業のエンジンになるとき
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- 学力形成を支える国語教師のための「話し方」教室 (第5回)
- 「簡潔,明快」な教授話法のポイント(下)
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- 〜「チョーク一本,口一つ」のポイント技法〜
- 国語教育の実践情報 (第41回)
- 小学校/平成31年度全国学力・学習状況調査の実施A
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- 中学校/全国学力・学習状況調査の実施A
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- わが県の国語ソムリエ (第88回)
- 埼玉県
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- 編集後記
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- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
本誌では毎年,夏休み直前に刊行される八月号で「教材研究」を特集していますが,そんな本誌の二〇一八年八月号において,野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)は,「素材研究(なぜ教えるか)」「教材研究(何を教えるか)」「指導法研究(どう教えるか)」の三種を含んだ「教材研究」論をご提言されています。「なぜ教えるか」が変われば「何を教えるか」は変わり,「何を教えるか」が変われば自ずと教材研究の切り口は変わります。だからこそ,同じ教材であっても,多様な視点から様々な授業実践が生まれていくことにも頷くことができます。
教材研究の重要性については今さら説くまでもありませんが,まずは教師自身が教材となる作品そのものと向き合いながら,授業の目標・ねらいへとつながる教材研究の視点をもつことが大切であると感じます。
一方,「どう教えるか」という段階における鍵を握るのが「発問」ではないかと考えます。特集題に掲げた「深い学び」については,「主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点からの授業改善について(イメージ)」において次のような視点が示されています。
【深い学び】の視点
習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,
知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
これらの視点を授業へ落とし込むにあたり,教材のどの言葉に着目させ,どのような問題を見いださせるのか,どのような言語活動を設定し,考えの形成や創造に向かわせるのか…等の鍵を握る「発問」は,まさに授業者のねらいと教材研究の発露とも言える部分ではないでしょうか。
そこで本号では,小中学校の説明的文章・文学的文章の代表教材を取り上げ,「深い学び」を実現するための教材研究の視点と,それらの視点を生かした「発問」からみる単元構想,授業アイデアをお寄せいただきました。
小学校の先生方にとっては,この八月が新学習指導要領全面実施を控えた最後の夏休みとなります。本号が,いま一度授業を見直すヒントとなれば幸いです。
/大江 文武
動物園のじゅういでは、言語活動設定のヒントを得られました。