- 特集 子供の思考が動く授業×動かない授業
- 授業名人が実はやっている子供の思考をゆさぶる「しかけ」
- 小学校/思考を活性化させる「思考のズレ」からの「問題解決学習」
- /
- 小学校/文学の授業で学びの実感をもたせる
- /
- 中学校/一斉授業とALの切っても切れない関係
- /
- 4つの実践法で考える 子供の思考を動かす授業
- 「知識構成型ジグソー法」で思考を動かす
- 一人一人が学ぶ力を発揮したくなる/せざるをえなくなる状況を作り出す
- /
- 「問いづくり」で思考を動かす
- 交流に働く論理的思考
- /
- 「TKFモデル」で思考を動かす
- 子どもの「主体」が生きる国語科TKFモデル
- /
- 「提案読み・批評読み」で思考を動かす
- 子ども主体の学びを実現する授業
- /
- ここで差がつく! 子供の思考が動く授業×動かない授業
- 小学校
- 単元構成
- /
- /
- 課題提示
- /
- /
- 発問
- /
- /
- 板書
- /
- /
- 話し合い・交流
- /
- /
- ICT活用
- /
- 中学校
- 単元構成
- /
- /
- 課題提示
- /
- /
- 発問
- /
- /
- 話し合い・交流
- /
- /
- ICT活用
- /
- Special企画
- 1 【若手教師クロストーク】子供の「思考のスイッチ」どう入れる?
- /・
- 2 【受験メソッドに学ぶ!】国語科で鍛えたい「超思考力」とは?―「理由」,その正体は何か?
- /
- GIGAスクール時代の国語授業づくり (第9回)
- 専門家のテレビ電話による個別指導を取り入れた「書くこと」の実践
- /
- 学びの本質に迫る 国語科のパフォーマンス課題と評価 (第9回)
- 問いでつなぐカリキュラムの視点から
- /
- 教科書教材で実践! 今月の板書&発問講座 (第9回)
- 小学1年/「ものの名まえ」(光村図書)
- /
- 小学2年/「わたしはおねえさん」(光村図書)
- /
- 小学3年/「本をしょうかいしよう」(東京書籍)
- /
- 小学4年/「プラタナスの木」(光村図書)
- /
- 小学5年/「反対の立場を考えて意見文を書こう」(東京書籍)
- /
- 小学6年/「海の命」(光村図書)
- /
- 中学1年/「蓬莱の玉の枝―「竹取物語」から」(光村図書)
- /
- 中学2年/「君は「最後の晩餐」を知っているか」「「最後の晩餐」の新しさ」(光村図書)
- /
- 中学3年/「故郷」(東京書籍)
- /
- 青木伸生の国語授業指導スキル大全 (第9回)
- 家庭学習の工夫スキル
- /
- 野口芳宏の国語授業四方山ばなし (第21回)
- 私を育てた授業の名言,妄語,キーワード抄(4)
- /
- 〜悪筆修行の思い出〜
- 国語教育の実践情報 (第69回)
- 小学校/令和3年度 全国学力・学習状況調査の結果公表について
- /
- 中学校/全国学力・学習状況調査結果の公表
- /
- わが県の国語ソムリエ (第115回)
- 三重県
- /
- 編集後記
- /
- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
以前,とある国語の研究授業を参観した際に,次のような場面に出合いました。
事前に配布された指導案には,授業者がその授業を通して実現したい子供の姿や,そのために練られた発問案,期待する子供の反応などが丁寧に書きこまれていました。しかし,いざ授業が始まると,子供たちは最初の発問でつまずいてしまいました。言葉選びに問題があったのか,前提となる知識が十分に醸成・共有されていなかったのか,原因は定かではありませんが,教師の期待した反応が返ってきていないことは明らかでした。結局,その授業はペースを乱したまま復調することなく進み,中途半端な着地をして終了しました。
研究授業に限らず,こうした失敗例はしばしばあることなのではないかと思います。このような授業に対し,よくある指摘の一つに,「学習が子供のものとなっていなかった」ということが挙げられます。すなわち,教師が事前に用意した内容や教師の思いが優先され,子供にとっての学びの必然性や,子供自身から立ち上がる問いや気付きへの追求が不足していたということです。
この「教師主導か,子供主導か」というある種の二項対立を,教科の学びの中でさらに突き詰めて考えていくと,「子供の思考が動いているか,動いていないか」という違いに行き着くのではないでしょうか。先の授業では,最初の発問でつまずいたばかりに,第二,第三の発問に対しても表層的な言葉のラリーが行われるのみで,考えと根拠,考えと考えを結び付けたり,新しい気付きが生まれたりといった子供たちの「思考の動き」が見られませんでした。逆に,そうした「思考の動き」が活発に見られる授業こそ,学びを子供のものとして,資質・能力を確かに育むための近道となるのではないかと考えます。
そこで今号では,国語科において,「子供の思考が動く授業」と「子供の思考が動かない授業」の違いは一体どこにあるのか,どうすれば「子供の思考が動く授業」を実現できるのかという部分に焦点を当ててご論考やご実践をお寄せいただきました。
また今回は,Special企画と題して,二つの記事を掲載しています。一つ目は,附属小学校の現場で研鑽を積む若手教師・中野裕己先生,高橋達哉先生による「クロストーク」。そして二つ目は,いわゆる“受験国語”業界に身を置く学習塾経営者・善方威先生による,論理的思考を支える理由・因果関係の判断についてのご解説です。
様々なアプローチの詰まった本特集をきっかけとして,「子供の思考が動く授業」について,さらなる対話が生まれていくことを願います。
/大江 文武
コメント一覧へ