向山型国語教え方教室 2009年6月号
討論の授業―最初の一歩から中級まで

D049

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向山型国語教え方教室 2009年5・6月号討論の授業―最初の一歩から中級まで

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ジャンル:
国語
刊行:
2009年4月22日
対象:
小・中
仕様:
B5判 96頁
状態:
絶版
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目次

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特集 討論の授業―最初の一歩から中級まで
討論授業成立の前提―第一歩の指導はこうする
大森 修
討論授業成立に至るまでには,小さなステップがあることを教師自身が自覚する
谷 和樹
これを知っているだけで,討論の授業に近づける
雨宮 久
指名なし発表までの道筋は,こうする
椿原 正和
討論にならない,上手くいかない原因はここにある
伴 一孝
子どもたちに意見を持たせる,とっておきの方法
松崎 力
ミニ特集 「学年の教材」で向山型要約指導を生かす
「桃太郎」で要約の授業をする。分かっていそうで,分かっていなかった部分
甲本 卓司
3年生の教材―これで向山型要約指導
野ア 隆
4年生の教材―これで向山型要約指導
太田 千穂
5年生の教材―これで向山型要約指導
新川 莊六
6年生の教材―これで向山型要約指導
太田 聡美
PISA型スキル
「要約の基礎を身につける『ひとことくん』」
小貫 義智
PISA型読解力が無理なく身につく
松藤 司
向山型国語キーワード
レトリック
谷 和樹
満員御礼!「向山型国語教え方教室」
新学習指導要領で求められる討論の授業を作る
杉山 裕之
巻頭コラム
伝統的な言語文化を授業するための「神話・昔話スキル」の誕生
向山 洋一
巻頭論文
「全ての授業は討論の授業へと憧れる」
杉山 裕之
学年別・向山型国語で知的に楽しく保護者会で信頼を得る[5・6月]
1年
パーツに分けて,楽しく「できた!」を感じさせる
伊倉 尚子
文字の習得を徹底させる。保護者にも日常の授業の様子を伝えていく。
石川 裕美
2年
コマとパーツで授業を組み立てる
三木 美子
すべての子どもを活躍させる
戸高 究
3年
国語授業のエキスを見せる
矢野 晴美
「道案内をしようの混乱をなくす」
小野 隆行
4年
「五色百人一首・暗唱」と『赤とんぼ』の授業で教室を巻き込む
竹岡 正和
「知的発問」で全員の活動場面を演出する
小嶋 悠紀
5年
保護者会で話しておきたい指導を授業の中で取り入れる
保土田 佳敬
子どもの活躍場面をコマとパーツで組み立てる
杉谷 英広
6年
パーツで組み立て,どこから見ても楽しい授業をする
奥 清二郎
討論の授業で保護者の信頼を得る
村野 聡
中学校
分類で理解する「多義語」の授業
水谷 美穂子
優れた教材を意図的に活用
斎 久美子
向山型で言語力育成授業を行うとこうなる
向山型発問研究をスタートさせよう
椿原 正和
向山実践「学級通信」から8つの言語活動を抽出する
2つのはがきの授業で,8つの言語力を伸ばす
松崎 力
教室で起こった五色百人一首のドラマ
教室で行う五色百人一首ミニ大会
寺田 真紀子
教材が生んだドラマ
「話す・聞くのスキル」
鯵坂 菜月
〜始業式の日に,個別評定で子どもが燃えた!〜
向山型国語に挑戦/論文審査 (第48回)
もっともっともっと教材と格闘すること
向山 洋一
PISA型対応ワークと教科書教材をこう連携させる
2つのルートでPISAテキストを活用する
野口 澄
この「授業システム」でできない子ができるようになった!
低学年/筆順を声に出して指書きしたらできるようになったT君
大関 貴之
高学年/間違えのみを練習し,漢字テストができるように!
千葉 康弘
翔和学園の中に見る向山型国語の事実
「心の理論」と「向山型分析批評の授業」
伊藤 寛晃
新分析批評の授業が読解力をあげる
1年生でも根拠を持って考えられる
鬼頭 衛
知的興奮を! 江副文法の授業
1年生の子どもたちも納得!江副文法「時数詞」
溝端 達也
向山実践を読み解く
『ふるさとの木の葉の駅』授業記録A
向山 洋一松本 隆行甲本 卓司
〜指示語の指し示すものを問う〜
向山型のここを学べ!「型」はここにある
「口」に2画の授業から
神谷 祐子
誌上対決!読解力向上授業実践
習得したことがらを組み合わせ活用する
太田 聡美
桃太郎型要約指導の準備に、『よみとりくん』を活用して「人物の行動」を確定する
吉川 誠仁
中学校でのダイナミックな向山型討論授業
「指名なし討論」は手段であるA
長谷川 博之
「伝統的言語文化」の授業づくり
漢文は日本文化の中心だった
岩田 一博
なぜ古典の学習をするのかの趣意説明を授業で行う
田上 大輔
5・6年生に「古文」をこう授業する。
梅沢 貴史
「神話とは何か」を授業する
松本 一樹
『話す・聞くスキル』は伝統的な言語文化を指導するための最強ツールだ
山口 正仁
6年生に「国生み神話」の読み聞かせ
山下 理恵
向山型討論につながる日常的な指導のツボ
討論への一歩 自信を持って発声させる1年生の取り組み
奥田 純子
テーマ別 向山型国語QA
「向山型分析批評」今も新しい向山氏20年以上も前の主張!!
星野 裕二
読者のページ
一番好きな教科が「国語」と言えるよう「向山型国語」を一層広めましょう。
編集後記
谷 和樹雨宮 久杉山 裕之
向山型国語最新情報
雨宮 久
向山型国語に挑戦/指定教材 (第50回)
ぶらんこ(淵上毛銭)
新川 莊六

巻頭コラム

伝統的な言語文化を授業するための「神話・昔話スキル」の誕生

●本誌編集長 向山洋一


 新潟大学附属小学校で,「伝統的な言語文化を生かす言語技術」というテーマで,大会が開かれた。

 TOSSの教師も,全学級での公開授業,講堂での全体授業に,授業者として参加した。

 このような「子ども相手」の授業のとき,TOSSの教師は,全員の子どもの名前を覚えて,授業に臨む。子どもたちが,「どうして名前を知っているの」という場面が,あちこちで見られた。足もとの靴も,もちろん持参する。歩いて音の出ない運動靴である。教材研究は,身の丈ほどの本,研究物と格闘して参加する。「伝統的な言語文化」の授業は,戦後の国語教育では,初めてのことだ。

 「神話」ひとつでも,研究は広がりを持つ。

 一年生で授業をした手塚美和先生は,指導の中で,神話を4つに分類した。

 1.創主神話 (世界,人類の起源)

 2.英雄神話 (神々と英雄の話)

 3.真の神話 (基礎つける話)

 4.説明神話 (物事の説明)

 さらには,神話と昔話・伝承との違いについて,次のようにまとめた。

 1.神話(1回性,存在理由の基礎付け・畏教,神聖)

 2.昔話・伝承(繰り返しおこる典型的な出来事,架空を強調)

 このような教材研究を「全体構造図」として,一人ひとりが,B4,2枚ほどにまとめた。

 ぎっしりとした構造図である。全学年の構造図ができあがり,それをカラー印刷で「TOSS資料」として,大会参加者全員に無料で配布した。後日,この「カラー刷り,全体構造図冊子」を,原価の一冊300円で販売したが,3日で売り切れてしまった。全国どこでも,「伝統的な言語文化」を,何を教材として,どのように授業するのかが,大きな課題になっているからと思える。

 手塚先生や森川先生や複式学級を授業した伴先生は,TOSSが開発した「むかしばなし・しんわよみとりスキル」を活用した。このスキルには,14の教材が見開き2ページで,授業化されている。ももたろう,はなさかじじいなどの五大昔話や国うみ,あめのいわやど,いなばの白うさぎなどの神話である。

 この低学年用の『神話・昔ばなしスキル』は,東京教育技術研究所から発刊されたが,年度末の3月にもかかわらず,全国から注文が殺到した。私は,伝統文化の教材,授業の開発の必要性をひしひしと感じた。

 これから数年間,日本の国語教育の研究テーマの中心に「伝統的文化の授業」がとりあげられるだろう。新潟大会の提案は,そのための第一歩であった。


向山型国語

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