- 特集 討論の授業―最初の一歩から中級まで
- 討論授業成立の前提―第一歩の指導はこうする
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- 討論授業成立に至るまでには,小さなステップがあることを教師自身が自覚する
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- これを知っているだけで,討論の授業に近づける
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- 指名なし発表までの道筋は,こうする
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- 討論にならない,上手くいかない原因はここにある
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- 子どもたちに意見を持たせる,とっておきの方法
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- ミニ特集 「学年の教材」で向山型要約指導を生かす
- 「桃太郎」で要約の授業をする。分かっていそうで,分かっていなかった部分
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- 3年生の教材―これで向山型要約指導
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- 4年生の教材―これで向山型要約指導
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- 5年生の教材―これで向山型要約指導
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- 6年生の教材―これで向山型要約指導
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- PISA型スキル
- 「要約の基礎を身につける『ひとことくん』」
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- PISA型読解力が無理なく身につく
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- 向山型国語キーワード
- レトリック
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- 満員御礼!「向山型国語教え方教室」
- 新学習指導要領で求められる討論の授業を作る
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- 巻頭コラム
- 伝統的な言語文化を授業するための「神話・昔話スキル」の誕生
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- 巻頭論文
- 「全ての授業は討論の授業へと憧れる」
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- 学年別・向山型国語で知的に楽しく保護者会で信頼を得る[5・6月]
- 1年
- パーツに分けて,楽しく「できた!」を感じさせる
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- 文字の習得を徹底させる。保護者にも日常の授業の様子を伝えていく。
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- 2年
- コマとパーツで授業を組み立てる
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- すべての子どもを活躍させる
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- 3年
- 国語授業のエキスを見せる
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- 「道案内をしようの混乱をなくす」
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- 4年
- 「五色百人一首・暗唱」と『赤とんぼ』の授業で教室を巻き込む
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- 「知的発問」で全員の活動場面を演出する
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- 5年
- 保護者会で話しておきたい指導を授業の中で取り入れる
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- 子どもの活躍場面をコマとパーツで組み立てる
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- 6年
- パーツで組み立て,どこから見ても楽しい授業をする
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- 討論の授業で保護者の信頼を得る
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- 中学校
- 分類で理解する「多義語」の授業
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- 優れた教材を意図的に活用
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- 向山型で言語力育成授業を行うとこうなる
- 向山型発問研究をスタートさせよう
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- 向山実践「学級通信」から8つの言語活動を抽出する
- 2つのはがきの授業で,8つの言語力を伸ばす
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- 教室で起こった五色百人一首のドラマ
- 教室で行う五色百人一首ミニ大会
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- 教材が生んだドラマ
- 「話す・聞くのスキル」
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- 〜始業式の日に,個別評定で子どもが燃えた!〜
- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第48回)
- もっともっともっと教材と格闘すること
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- PISA型対応ワークと教科書教材をこう連携させる
- 2つのルートでPISAテキストを活用する
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- この「授業システム」でできない子ができるようになった!
- 低学年/筆順を声に出して指書きしたらできるようになったT君
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- 高学年/間違えのみを練習し,漢字テストができるように!
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- 翔和学園の中に見る向山型国語の事実
- 「心の理論」と「向山型分析批評の授業」
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- 新分析批評の授業が読解力をあげる
- 1年生でも根拠を持って考えられる
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- 知的興奮を! 江副文法の授業
- 1年生の子どもたちも納得!江副文法「時数詞」
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- 向山実践を読み解く
- 『ふるさとの木の葉の駅』授業記録A
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- 〜指示語の指し示すものを問う〜
- 向山型のここを学べ!「型」はここにある
- 「口」に2画の授業から
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- 誌上対決!読解力向上授業実践
- 習得したことがらを組み合わせ活用する
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- 桃太郎型要約指導の準備に、『よみとりくん』を活用して「人物の行動」を確定する
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- 中学校でのダイナミックな向山型討論授業
- 「指名なし討論」は手段であるA
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- 「伝統的言語文化」の授業づくり
- 漢文は日本文化の中心だった
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- なぜ古典の学習をするのかの趣意説明を授業で行う
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- 5・6年生に「古文」をこう授業する。
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- 「神話とは何か」を授業する
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- 『話す・聞くスキル』は伝統的な言語文化を指導するための最強ツールだ
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- 6年生に「国生み神話」の読み聞かせ
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- 向山型討論につながる日常的な指導のツボ
- 討論への一歩 自信を持って発声させる1年生の取り組み
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- テーマ別 向山型国語QA
- 「向山型分析批評」今も新しい向山氏20年以上も前の主張!!
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- 読者のページ
- 一番好きな教科が「国語」と言えるよう「向山型国語」を一層広めましょう。
- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第50回)
- ぶらんこ(淵上毛銭)
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巻頭コラム
伝統的な言語文化を授業するための「神話・昔話スキル」の誕生
●本誌編集長 向山洋一
新潟大学附属小学校で,「伝統的な言語文化を生かす言語技術」というテーマで,大会が開かれた。
TOSSの教師も,全学級での公開授業,講堂での全体授業に,授業者として参加した。
このような「子ども相手」の授業のとき,TOSSの教師は,全員の子どもの名前を覚えて,授業に臨む。子どもたちが,「どうして名前を知っているの」という場面が,あちこちで見られた。足もとの靴も,もちろん持参する。歩いて音の出ない運動靴である。教材研究は,身の丈ほどの本,研究物と格闘して参加する。「伝統的な言語文化」の授業は,戦後の国語教育では,初めてのことだ。
「神話」ひとつでも,研究は広がりを持つ。
一年生で授業をした手塚美和先生は,指導の中で,神話を4つに分類した。
1.創主神話 (世界,人類の起源)
2.英雄神話 (神々と英雄の話)
3.真の神話 (基礎つける話)
4.説明神話 (物事の説明)
さらには,神話と昔話・伝承との違いについて,次のようにまとめた。
1.神話(1回性,存在理由の基礎付け・畏教,神聖)
2.昔話・伝承(繰り返しおこる典型的な出来事,架空を強調)
このような教材研究を「全体構造図」として,一人ひとりが,B4,2枚ほどにまとめた。
ぎっしりとした構造図である。全学年の構造図ができあがり,それをカラー印刷で「TOSS資料」として,大会参加者全員に無料で配布した。後日,この「カラー刷り,全体構造図冊子」を,原価の一冊300円で販売したが,3日で売り切れてしまった。全国どこでも,「伝統的な言語文化」を,何を教材として,どのように授業するのかが,大きな課題になっているからと思える。
手塚先生や森川先生や複式学級を授業した伴先生は,TOSSが開発した「むかしばなし・しんわよみとりスキル」を活用した。このスキルには,14の教材が見開き2ページで,授業化されている。ももたろう,はなさかじじいなどの五大昔話や国うみ,あめのいわやど,いなばの白うさぎなどの神話である。
この低学年用の『神話・昔ばなしスキル』は,東京教育技術研究所から発刊されたが,年度末の3月にもかかわらず,全国から注文が殺到した。私は,伝統文化の教材,授業の開発の必要性をひしひしと感じた。
これから数年間,日本の国語教育の研究テーマの中心に「伝統的文化の授業」がとりあげられるだろう。新潟大会の提案は,そのための第一歩であった。
向山型国語
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