- 特集 子どもがどんどん「話す」向山型スピーチ指導
- 国語授業での“話す”の位置づけ
- 1分間スピーチは10秒で個別評定すればよい
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- おしゃべりとフォーマルなスピーチの違い
- 向山学級のスピーチは最初からすごい 教えないが詰める指導が必要である
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- 子ども同士で「話す」活動を組織化する方法
- 子ども同士で「話す」“共通の土俵”を用意せよ!
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- 向山型30秒スピーチはこうする
- 授業中に明るく短時間で評価することで、子どものスピーチ力を高める
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- おしゃべりし続ける向山型「お話鉛筆」
- 鉛筆の動く音だけが聞こえる集中した時間と、爆笑の時間が楽しい実践だ
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- Show&Tellでスピーチの基本を教える
- モノを準備させ、教師が笑顔で個別評定をすればスピーチの質が向上する
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- 向山型作品発表でスピーチ力を鍛える
- 「スピーチ」「評定」「コメント」の3点セットでスピーチ力をアップさせる
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- 「話す・聞くスキル」で話す力を伸ばす教材の使い方
- 教室にいるどんな子にも有効な「話す・聞くスキル」
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- 発言の仕方指導のNG集
- 「話す」力を伸ばすためには、「聞くこと」「書くこと」の指導を強化し、かつ物を用意させることである
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- 「話す」と「聞く」「書く」の同じところと違うところ
- 「話す」力は、「聞く」「書く」の力と、切り離して身につけさせることはできない
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- 討論の仕方指導のポイント
- 討論の指導のポイントは、教師が妥協しないことだ。暖めた段階で終わってしまう
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- 指名なし発表から討論でのロング発言へ
- ロング発言のために組み込むステップ
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- ミニ特集 子どもの「視知覚」と漢字指導
- 漢字のつまづきを視知覚認知の視点から徹底解明する研究
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- 「見え方」を知り、目の前のLD児へのサポートを考える
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- 漢字の間違いと「視知覚」との関連
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- 「視知覚」からの視点が新たなつまづきの支援と指導法を考える手がかりになる
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- 研究と教育技術をむすんで、より良い指導を
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- 「視知覚」の問題から見えてくる支援、指導法のあり方を探る
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- 向山型国語初心者の挑戦―手ごたえを得たあの瞬間―
- 子どもたちがムキになって取り組む詩の暗唱〜板書した詩文を少しずつ消していく〜
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- 1年生でも熱中する分析批評
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- 子どものノートから見る向山型国語
- 『名取ノート』の膨大な「意味調べ」
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- 満員御礼!「向山型国語教え方教室」
- 教材分析ノートから国語授業の原理原則を引き出す
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- 巻頭コラム
- 教師の言葉のあいまいさが授業をこわす
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- 巻頭論文
- まず,教師のスピーチ力をあげること。それが子どもへの指導につながる
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- 学年別・子どもがどんどん「話す」向山型スピーチ指導[1・2月]
- 1年
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- 〜Show&Tellで楽しく話す〜
- 2年
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- 〜機会を増やし、個別評定を加える〜
- 3年
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- 〜「モノ」があると子どもは話せる〜
- 4年
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- 〜評定の観点を伝えて、練習もスピーチも聞き手も真剣になる!〜
- 5年
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- 〜個別評定で子どもは自信を持つ〜
- 6年
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- 〜子どもたちが感動的なスピーチをするためのスモールステップ〜
- 中学校
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- 〜個別評定でやる気をうながす〜
- 高校
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- 〜スピーチの究極は討論〜
- 向山型で言語力育成授業を行うとこうなる
- 「すがたを変える大豆」3年説明文の授業
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- まず習得させたい向山型国語の基礎・基本
- 組み立ての原則2「重点がぼやける発問は,削れ」
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- 向山実践から学ぶ「発問づくり」の型
- 「向山型説明文指導」の“型”を適用する
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- 教室で起こった五色百人一首のドラマ
- 毎月定例!学年での五色百人一首大会
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- 教材が生んだドラマ
- 「話す・聞くスキル」
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- 〜崩壊学級でも成立する「話す・聞くスキル」〜
- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第58回)
- 向山型国語授業を豊かな形で作りあげる
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- PISA型対応ワークと教科書教材をこう連携させる
- 型を示すからスキルが学びやすくなる
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- この「授業システム」でできない子ができるようになった!
- 低学年/個別評定でどの子にも発表の声を意識させる
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- 中学生/「激励の原則」で生徒が前向きになった
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- 翔和学園の中に見る向山型国語の事実
- 話者の視点の検討は,アスペルガーの子どもの生活場面でもっともっと応用できるのではないか
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- 新分析批評の授業が読解力をあげる
- 分析批評で物語全体をあつかう授業の流れをつくる
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- 江副文法の授業のススメ
- 「日本語の助詞は二列」であることを,演習から理解させる
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- 向山実践を読み解く
- 子どもたちの意見を整理して発問・指示する
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- 〜教材文『某は案山子にて候 雀殿』A 1898年11月29日 大田区立雪谷小学校4年2組〜
- 女教師がすすめる向山型国語
- 一年生 中期の作文指導 どの子にも文を書く力をつける指導をすることで、明るく楽しい学級になっていく
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- 書き出しの一文指導をくり返して、書く力をつけよう
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- ダイナミック!中学校討論授業 見逃してはいけない子どもの事実
- 指名なし討論の「育て方」
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- 「伝統的な言語文化」の授業づくり
- 「やった。できた」と達成感のある暗唱指導
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- まずは身近なところから「奥の細道」
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- さらに五色百人一首に興味がわく知的な話
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- 教室が熱中する俳句づくりはひたすら「ほめる」ことだ
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- 和歌に込められた日本の伝統を授業する
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- 百人一首を書き初めの題材にする
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- 最新脳科学から見た向山型国語
- 集団学習の意義を最大限に高める向山型学習指導
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- テーマ別 向山型国語QA
- 短い文の授業は難しい…教師の授業力がそこに現れる(その2)
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- 読者のページ
- 読者からのお便りが増え続けています。「教室の事実」と本誌からの学びの往復運動が国語の授業を知的に楽しくしているのだと実感します。
- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第60回)
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巻頭コラム
教師の言葉のあいまいさが授業をこわす
●本誌編集長 向山洋一
昔,二十数年前のことであるが,NHKテレビの「クイズ面白ゼミナール」の「教科書問題」を出題していた。
この番組は,日曜7時20分からの40分番組で,視聴率は,クイズ番組史上,日本で最高の数字をあげたお化け番組だった。
私は,最初から最後まで,7年間出題者だった。私のほかにも,出題者がいたが,9割の人は,1年で降板した。作る問題が3ヶ月でなくなってしまうのである。
私が紹介した有田先生,根本先生,小川先生などは,続投していた。
番組の会議が終って,飲みにいった。構成作家二人もいっしょである。早稲田大学中退筆一本で,テレビ作家の最高に辿りついた二人である。他の仕事も一緒にした。
その一人が,酒席で言った。
「向山先生。子どもの授業参観に行ったのですが,教師の言葉が,ゆれているんです。
先生が質問をして,子どもが首をかしげていると,先生は言い直すのですが,子どもがますます分からなくなるのです。
先生は,同じことをくわしく説明したつもりらしいのですが,私から見れば,言う内容が変化しているのです」
さすがに,プロの観察である。NHKテレビの超人気番組の構成作家だ。
教師が発問を言いかえるたびに,子どもは混乱して,何をしていいのか分からなくなることを,正確に言いあてていた。
そのことを,つい先日のつくば国際会議場で開かれた,模擬授業でも,私は体験した。
授業者は谷先生,私は生徒役だった。会場には1000名もの参加者がいた。
谷先生が,「東京タワーの上に何がありますか」と発言をした。私は「上の方」と不規則発言をした。
谷先生は,すぐに「上の方」と言いかえた。私は「上の方?」とさけんだ。
更に谷先生は「上の展望台」と言いかえた。これなら分かる。
その時思った。優秀な人間と発達障がいの子が,ひっかかる所は同じなんだと。
優秀の人は質問するが,発達障がいの子は「分かんねえよ」と,降りてしまうのである。
つまり,「教師の言葉」の「あいまいさ」「いいかげんさ」に,両者とも反応するのである。ひっかかるのだ。
私は,小学校の時から,授業中によく質問したが,時には,質問だけで授業をすすませなかったが,そういう人間なら,教師を問いつめられる。
しかし,発達障がいの子は,「自分が悪い」と思い込まされてきたのである。出来のよくない教師が,子どもの大切な反応をうけとめられなかったのである。
私は,発達障がいの子へのいとおしさを,国際会議場で感じていた。
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- 明治図書