- 特集 新教科書教材を楽しく!向山型授業で料理する
- 新指導要領の趣旨は新教材で具現化されているか
- PISA型学力及び全国学力調査 B問題学力育成はこれからが本番である
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- 新教科書教材を向山型で授業する際の原理原則とは
- たった一文字にこだわらせ、言葉の面白さを教え、知的で楽しい授業をすること
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- 新教科書,何が「新しい」のかを分析する
- 向山型国語への移行と習得型システムの導入
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- 「読む」“自分で読む力” を新教材で育てる
- “分析の観点に気づく読みの力”を育てる
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- 「読む」“発信者としての力”を伸ばす
- 説明文を書いて「発信」させる 乱暴で読み書きが苦手な子らも集中して書いた
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- 「書く」新教材を料理して,この力を育てる
- 授業のねらいにあわせて向山実践を取り入れることで、授業が楽しく知的に激変する
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- 「書く」“発信者としての力” を伸ばす授業はこうつくる
- 高学年「報告書づくり」を成功させるためのスモールステップと注意点
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- 「話す・聞く」“発信者としての力”を伸ばす授業はこうつくる
- 安心して発信できる場作りをする
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- 「話す・聞く」目的と相手を明確にした言語活動を仕組むポイント
- 向山実践との合体、変化のある繰り返しを使って知的で楽しく言語指導
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- 「伝統的言語文化と日本語の特質」古典教材を楽しく料理する
- 「絶句」(杜甫)を音読・読解・暗唱で組み立てる
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- 「伝統的言語文化と日本語の特質」言語事項を楽しく料理する
- 俳句短歌の定石の第一指示をどういうふうに教えるとよいか
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- ミニ特集 「発言しない子」に効く指導スキル
- 向山型指導は、最適な時にノートチェックをする 授業のレベルがノートに表れる
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- 勇気を出して発言した、子どもの意見を意地でも拾う
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- 教えて褒めて、声に出す習慣をつける
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- 全員発言する雰囲気を作り出す「列指名」〜発言経験値が、子どもの発言意欲を保証する〜
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- 発言しない理由を分類し、対応を考える
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- 1年生は「発言することが普通」の状態に近づけよう
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- 向山型国語初心者の挑戦―手ごたえを得たあの瞬間―
- 黒板は、子ども達が書いた「○○○しい」でいっぱいになった。
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- 「国語の教材研究って基本型があるのですね」
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- 自薦他薦子どものノートづくり
- ノート指導の三カ条
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- 満員御礼!「向山型国語教え方教室」
- 発達障害児の学力も保証するTOSS国語指導法
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- 巻頭コラム
- 作文が1行も書けない子が書けるようになった理由
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- 巻頭論文
- 用語に踊らされない。いかに授業するかにエネルギーを注ぐ
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- 学年別・新教科書教材で行う,成功する授業開き[3・4月]
- 1年/扉の詩で「勉強って楽しい!」を実感させる
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- 2年/教科書を見開き2ページごとにすすめ、音読のシステムを示す
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- 3年/最初の単元で音読指導のシステムを教える
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- 4年/表現技法にこだわる
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- 5年/「あいたくて」を何度も音読させ、知的な授業を体験させる
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- 6年/指示語から組み立てる
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- 中学校/生徒に思考される詩の授業
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- 高校/学びを蓄積できる、向山型要約指導
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- 向山洋一国語著作の「読み方」
- 『国語の授業が楽しくなる』から向山氏の国語授業をトレースする(その1)
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- 「暗夜行路」教材分析メモの期日を読む〜1981.6.22の意味〜
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- 向山型で言語力育成授業を行うとこうなる
- 「黄金の三日間」で言語力の土台をつくる
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- 一目でわかる! 実録向山型国語指導案集
- 第2学年国語科学習指導案
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- 〜複数の発達障害児をもつ子どもがいる学級での一斉授業はどうあるべきか〜
- 向山実践から学ぶ「発問づくり」の型
- 「見えないレトリック」を発見させる
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- 百人一首・名句百選指導の「奥の手」
- 最初の指導を向山実践から学ぶ
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- 1人に1枚の絵札で参観日・学習発表会が大好評
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- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第59回)
- よい辞書をくわしく読むこと
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- 新卒教師が追試できる!おすすめ向山型国語実践
- 授業は,シンプルであることが第一だ。やることが明確に定まっていれば、必ず、子どもは迷うことなく学習に向う。説明ではなく、指示をする。できないことを叱るのではなく、できたことを褒める
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- この「授業システム」でできない子ができるようになった!
- 低学年/平仮名を読めなかった子が漢字テストで80点取った
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- 高学年/「やった割りに身に付かない」を駆逐する指導
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- 発達障害の子どもの自己肯定感を高める向山型国語
- 「なりきり作文」で自己を振り返らせながらとるべき行動を教える
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- 新分析批評の授業が読解力をあげる
- 向山型分析批評を研究し,追試する。そして、+αを工夫することで読みを深めることが出来る
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- 江副文法の授業のススメ
- 文法の可視化に挑む江副文法
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- 向山実践を読み解く
- 自由でのびやかな雰囲気があるから、子どもの意見が多様に出るのだ
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- 〜教材文『某は案山子にて候 雀殿』B 1989年11月29日 大田区立雪谷小学校4年2組〜
- 教材分析から発問・指示づくりへのステップ
- 教材分析の手はじめの一歩をはじめよう(1)
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- 女教師がすすめる向山型国語
- 子どもの鋭い意見に脱帽! 説明文の授業
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- 向山実践「大造じいさんとガン」に学ぶ「問題作りの授業」 問題作りの授業はそれまでの授業の反映である。
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- 向山型国語で生み出す「中学生の事実」
- 「全員」を授業に参加させる
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- 国語デジタル教科書への対応
- クラウドの導入を可能にした情報端末が授業を変える
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- そのまま使える,ちょっとした隙間時間にできる教材
- こそあど言葉でお隣とお話づくり
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- 「伝統的な言語文化」の授業づくり
- 短歌があれば長歌がある
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- 〜長歌を授業する〜
- 「重い口」をやってみてください
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- 学力テストB問題対応授業を創る
- 学力テストB問題を分析して,発問を考える
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- テーマ別 向山型国語QA
- 特別支援教育に対応した向山式要約指導
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- 読者のページ
- 「知っていることとできることは違う」と自覚するためにも、論文と教室の現実を重ね合わせてみることが大切です
- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第61回)
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巻頭コラム
作文が1行も書けない子が書けるようになった理由
本誌編集長 向山 洋一
小学校6年生の龍馬君が,「すべての先生方に」訴えた手記がTOSSから発刊され,全国に燎原の火の如く広がっている。
龍馬君は発達障がいの子で,学校生活のどの場面でパニックになったかを,具体的に書いている。この本を読んだ先生方は,「そうだったのか」と,原因が分ると共に,「すまなかった」と思ったという。
すでに,発刊して20日間で,全都道府県の1万人の先生方の手に渡っている。
龍馬君の訴えは,例えば次の通りだ。
「この作品は,どんな感じですか」という,抽象的な問いには,パニックになる。
「6年生だから,自分で考えなさい」と言われると,何を考えていいのか分らず,パニックになるというものである。
教師が変わっても,指導の原則は同じである。
作文が1行も書けなかった子が,書けることになった次の報告も原因は同じであった。
6年生のT児は,忘れ物が大変多い児童でした。
よく,手遊びをしていました。
よく,ぼーっとしていました。
ノートは自分でなかなか書けませんでした。
テストをほとんど白紙で出すこともありました。
気持ちを友達に伝えることが苦手でした。
友達に暴力をふるってしまうことが時々ありました。
作文は,自分では1行も書けませんでした。
私がT児に対して1年間してきたことは,
『ほめる』ことでした。
とにかく『ほめられる』ことが足りていなかったT児。
自己肯定感が極めて低かったのです。
私はサークルで,『教えてほめる』ことの大切さを学んでいました。
T児が作文でわからないことがあると,すぐに教えました。
「どんなことがあったの?」
「その時,どう思った?」
「これからどうしたい?」
一つひとつ教えていきました。
そして,たくさんほめました。
作文を自分で1文書けた時,
「すごい!」「自分で書けたね!!」
「先生,とってもうれしいよ。」
できるだけたくさんほめました。
とびきりの笑顔で頭もなでました。
とても恥ずかしそうでした。
でも,とてもとても嬉しそうでした。
1学期は,なかなか作文が書けませんでした。
それでもずっと『教えてほめる』ことを続けました。
2学期。
運動会がありました。
T児は,また作文が書けずにいました。
1文目,『教えてほめる』をしました。
2文目から,違う子のところに行って,T児のところに戻ると,3文書いていたのです!びっくりして,「すごい!!自分で書けたね!!本当によくがんばったね!!!やっぱりできるって信じてたよ!!!!」
笑顔で頭をなでました。
握手もしました。
もう一度,頭をなでました。
しばらくしてT児の原稿用紙を見ると,400字詰め原稿用紙1枚,ほとんど埋まるほど書くことができていました。
『教えてほめる』
子どもたちの成長にとって,大切なことだと身をもって体感しました。
教師の仕事は,「教えて」「ほめる」ことだ。
しかし,「教えないで」「叱る」教師は多い。
教えないで「自分で考えなさい」と言い,「どうしてできないの」と叱るのである。こうして,教師に駄目にされていった子どもは多い。教師の犯罪である。
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- 明治図書