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特集の解説
体育授業・学級開きのメニュー
千葉市立あやめ台小学校
根本 正雄
学級開きで体育の授業をしたことが何回かある。教師の願いや思いを学級開きの授業で語るのである。
「一年間、こんな授業をしていきます」という教師のメッセージを授業を通して主張する。そのためには、教師に次のような構想がなければできない。
1、学級づくりの願い
2、授業のねらい
3、実際の授業の組み立て
一年間、どんな学級にしたいかの願いがなければ、授業はできない。私は「みんなで力をあわせて学びあう学級」にしたいと願っていた。
自分一人ができるようになるのではなく、仲間とともに伸びていく学級にしたいと願っていた。協力やチームワークのある学級である。
そのために体育の授業を行った。三年生の初めての授業である。授業のねらいを次の三点に絞って実践した。
1、全員が楽しく参加できる
2、力一杯運動して汗をかく
3、仲間作りができる
全員が楽しく参加できることが第一条件である。一人でも参加できない子供がいる授業は、学級開きではない。
全員が参加できる内容にすることが大切である。そのためには、やさしく簡単な教材が適している。能力差や男女差が出る教材は適していない。逆効果である。
第二の条件は、力一杯運動して汗をかくことである。人間が自己を開放するのは、全力で汗をかいた時である。
汗を流すと他人を受け入れやすくなる。力一杯走らなければならない状況に追い込む教材がよい。
それが子供にとって楽しいものでなければならない。しかも、もっとやりたいと思う教材である。
第三の条件は、仲間作りができることである。これから一年間一緒に学習していくのである。
仲間とのコミュニケーションができる内容にしていくことが大切である。
また一緒に勉強したいという気持ちの起こる関係ができる教材である。以上のねらいを達成できる教材として、三年生で鬼遊びを行った。
ある学校の公開研究会の鬼遊びを参考にした。
(1)ルールの説明 (2)ゲーム (3)ルールの工夫
(4)ゲーム (5)まとめ
「これから氷鬼をします。1月、2月、3月生まれの人が鬼になります。鬼は帽子を赤にします。他の人は鬼に捕まらないように逃げます。鬼に捕まったらその場で氷になります。ただし、鬼でない子に馬跳びしてもらうと生き返ります」
一回練習した後、本番を行った。ルールは簡単である。鬼に捕まらないように逃げればよい。
捕まっても馬跳びをしてもらえば生き返る。だから全員授業に参加でき、汗をかくほどの運動量がある。
子供は、友達を生き返らそうと必死に馬跳びをする。すると、自然に仲間作りができていく。このようにして、二回戦、三回戦を行っていく。
初めて一緒になった子供もすぐに友達になっていく。早く自由になりたいので、男女を問わず助けを求めていく。鬼も必死である。次々にタッチしないと氷が解けてしまう。
あまり長く続けていると疲れてだれるので、二分程度で鬼を交代していく。このようにして、鬼を全員経験させる。追いかける鬼と逃げる子の両方を経験させていく。
教室での自己紹介もいいが、このような形で授業開きをするのも効果的である。学級開きでこのような授業をしたあとで、教師の学級づくりの願いを話す。 汗をかき、全員が楽しい経験をしているので連帯感が生まれている。楽しかったという思いが、子供の心を開放する。こんな時に話すと子供たちは素直に、真剣に耳を傾け、教師の考えを受け入れていく。
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- 明治図書