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特集の解説
体育苦手教師が間違いやすい指導のポイント
千葉市立弥生小学校
根本正雄
体育指導を参観する機会がある。素晴らしい授業をされている教師も多いが、同時にこれはどうかという授業も見られる。
本特集では、体育苦手教師の指導の問題点に焦点を当て、体育授業のあり方について紹介されている。
1.運動量が少ない
体育苦手教師の指導でよく見られるのは、運動量が少ないことである。
2年生が幅跳びの授業をしていた。低学年なので走り幅跳びではなく、その場からの立ち幅跳びである。
砂場の前に2列縦隊に整列させ、笛の合図で2人ずつ跳ばせていた。2人が跳び終わってから次の笛を吹くのである。砂場は広くスペースがあるにもかかわらず、2人ずつ順番に跳ばせていた。問題点は次の2点である。
2列縦隊のため、一人の跳ぶ回数が少なく運動量が少ない。
笛の合図で跳ぶので、子供の自発性が育たない。
教師は砂場の前に立ち、笛を吹いて1列ごとに跳ばせていた。安全確保のために跳んだ2人が完全に砂場から出てから、次の笛を吹いていた。改善案としては次の3点が考えられる。
笛は吹かない。
2列を4列にする。
安全確保をし、自由に跳ばせる。
次に見られるのは整列の指導である。
体育苦手教師は、ちゃんと子供を把握したい気持ちが強くある。子供が自由に動き回ると怪我にもつながり不安なのである。
だから枠を作りそこからはみ出さないようにする。少ない場にし、常に全体を見ながら指導したいのである。
運動量を増やすことより、子供を把握することに目がいく。運動させる時も2列縦隊のままで運動させる。4列にしたほうが場所も広くなり、運動量も多くなる。
4列縦隊でなく教師の周りに自由に集めることもある。いずれにしろ私の場合には子供が学習しやすく、いかに運動量を多くするかということを前提にして授業を展開していく。そういう努力の中で教師の力量は上がっていくのである。
2.型にはめる
その他に体育苦手教師に見られるのは、型にはめた指導が多いことである。
一つの決まった型に全員の子供を当てはめようとする。自分の教えようとする方法以外は認めない。
もし違った方法でやっていると厳しく指導し、教師の言う通りに動くように指示していく。教師の価値感を押しつけていく。
子供は間違ってはいけないと考え、緊張する。そのために、動きが硬くぎこちなくなり、表情は暗く、楽しい雰囲気は見られなくなる。
また体育苦手教師に多いのは、体育の種目を子供に聞いて行うことである。
「今日の体育どんなことをしたい?」と聞いて、子供が「ドッジボールがいい」「サッカーがやりたい」というと子供のやりたい種目にする。
学校には教育課程が編成されていて、教科・領域毎の年間指導計画ができている。だから、10月の体育は何をするのかは決まっているはずである。
それを子供の欲求に従って授業を行う。体育の時間をリクリエーションと間違えているのである。
子供の欲求を入れて指導していくのは大切なことである。しかし、何月に何を指導するのかは子供に決めさせてはならない。
本特集では、体育苦手教師が間違いやすい体育指導のポイントがまとめてある。
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