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特集の解説
準備運動のシステム化・36選
千葉市立弥生小学校
根本正雄
準備運動のシステム化がされれば子供も教師も役に立つ。なぜなら教師が運動場に行く前にやることがシステム化されていれば、時間の無駄が省けるし子供の自主性も育つからである。
私の学級では器械運動の授業では、運動場に出たら次の運動をするようにしていた。
1 固定施設を使った運動を行なう
@10個のタイヤを開脚跳びで連続で跳ぶ。
A2本の平均台の上を歩いて渡る。
B鉄棒で連続逆上がりを3回行なう。できない時には前回り下りを3回行なう。
C雲梯を1回、端から端まで渡る。
D登り棒を下から上まで登る。できたらてっぺんまで。
2 @〜Dまでの動きを2セット行なう
3 固定施設の間は全力で走る
4 終わった順に主運動の用意をする
以上の運動によって低学年で必要とされる基礎感覚・基礎技能を身に付けることができる。
特に逆さ感覚、腕支持感覚、平衡感覚、回転感覚が身に付く。
またタイヤ跳びは開脚跳びやかかえ込み跳びなどの跳び箱運動に、逆上がりや前回り下りは鉄棒運動などの基礎技能づくりにつながる。
このメニューは器械運動を行なう場合の準備運動になる。教師が行なってから一緒に準備運動するよりも子供は意欲的に取り組む。
なぜなら固定施設を活用するので動きが明確になり、めあてがハッキリしているので子供は自主的に動けるからである。
毎回同じ動きなので子供は自分の力の伸びが評価できる。また、友達と一緒なので楽しく運動ができる。
子供は運動場に出るとすぐにやることが決まっているので一目散に飛び出していく。遊んでいる子供はいない。ラジオ体操をするよりもずっと運動量が多く、ウォーミングアップにもなる。
教師は跳べる子供、回れない子供、登れない子供を診断することができる。
その場ですぐに指導することができる。毎時間繰り返し練習しているので感覚や技能が身に付いていく。
子供が1人で活動できるシステムができているのである。
バスケットボールの単元では体育館に行ったら次のようにしていた。
1 ドリブルで体育館3周する
@右手、左手の両方行なう。
A高いドリブル、低いドリブルの両方行なう。
2 シュート練習する
@ドリブルシュートを右、中央、左から各3回行なう。
Aフリースロー練習を10本行なう。
3 終わったチームから3対3のゲームをする
ドリブル、シュートの練習は普通に行なう。システム化するためには終わったチームから3対3のゲームを入れることである。ゲームを入れることによって子供の意欲は高まり、教師が黙っていても動く。
準備運動は一斉に行なう必要はない。器械運動やバスケットボールの準備運動のように、個々の子供のめあてに向かって行なっていく。その中で主運動に対する基礎技能・基礎感覚を育てていくのである。子供は目的をもって活動しているので、運動量が多くなる。
形式的な動きではなく次の活動の流れの中で行なうので楽しくできる。
本特集では、このような準備運動のシステム化が紹介されている。活用し、よりよい準備運動を実践してほしい。
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- 明治図書