楽しい体育の授業 2003年5月号
器械運動が苦手な子―症状別指導のヒント診断と指導

K162

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楽しい体育の授業 2003年5月号器械運動が苦手な子―症状別指導のヒント診断と指導

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2003年4月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 器械運動が苦手な子―症状別指導のヒント診断と指導
特集の解説
根本 正雄
実践事例
マット・前転
前転をつまずきに応じた運動で
工藤 むつき
マット・後転
後転が苦手な子への7つの指導法
中島 康
マット・開脚前転
先行実践にひたすら学ぶ
小林 篤史
マット・開脚後転
開脚後転は回転速度とタイミング!
堀井 郁子
マット・側方倒立回転
倒立ができれば側方倒立回転はできる
石田 博一
マット・前方支持回転
膝の伸びた着地姿勢への道
川口 達実
跳び箱・跳び上がり・跳び下り運動
みんなができた跳び上がり・跳び下り運動
伊藤 鉄正
跳び箱・開脚跳び
体重移動と突き放しを体感できることから
迫田 一弘
跳び箱・かかえ込み跳び
向山式跳び箱指導法B式をうさぎ跳びの補助に応用する
毛見 隆
跳び箱・台上前転
前転をしっかり、スムーズに行なわせる
武藤 慶治
跳び箱・首はね跳び
『はね動作』を身に付けさせる指導
千野 毅
跳び箱・頭はね跳び
「膝、ため、はね」がポイント
稲葉 忠之
鉄棒・こうもり振り下り
こうもり振り下りへのステップ
大浦 幹夫
鉄棒・逆上がり
早めの診断 ポイントは「腕」「腰」「頭」「足」
村上 幸宏
鉄棒・後方膝支持回転
ブランコ回りからはじめよう
萩原 昭広
鉄棒・前方膝支持回転
指導ステップを細分化して基礎技能を高める
白石 周二
鉄棒・後方支持回転
「くるりんベルト」で基礎技能の習得を!
太田 敬祐
鉄棒・前方支持回転
速さを変えた「前回り下り」で診断し、指導に生かす
小林 宏
ミニ特集 新学習指導要領への提言「ボール運動」
バスケットボール
授業のシステム化で練習を確保する
松本 俊樹
サッカー
みんなが「できる」「楽しい」サッカー
有内 弘
ハンドボール
ステップを踏んでパスをつなげる技能・チームの作戦を高めていく
城者 貴典
ソフトバレーボール
とにかくラリーの応酬の楽しさを実感させる!
古川 光弘
ソフトボール
誰でも打てる選択バッティング制
本間 賢一
ライブで体感!TOSS体育講座
技術を使いこなして授業を組み立てる
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
授業実践に哲学を
山本 貞美
マンガで見る楽しい体育指導 (第38回)
根本体育直伝マンガ(頭はね跳びの巻)
岩野 節男岩野 紀子
全員できた!学級の成功体験
え?2年生が本当に?「跳び箱4段」
田代 光章
はじめの5分で子供をのせる運動
端的指示でリズムとテンポが生まれる
根津 盛吾
体ほぐしで心も体もリラックス
中学生の体ほぐしは『共同』から『競争へ』
齋藤 直樹
苦手な子も楽しめる教材作り
カーペットを使った運動
東田 昌樹
誰もができる体育主任の仕事
全体を見通すことからはじめよう
池田 潤
誌上授業ビデオ診断
シンクロハードル走
冨永 泰寛
体育授業のシステム化 (第14回)
向山氏のなわ跳び指導システムを分析する3
渡辺 喜男
よく噛むことは体にも頭にも良い (第7回)
学校給食の現場から@
齋藤 滋
〜メカノサイトロジー〜
TOSS体育研究会報告
逆上がり全員達成を目指して
辻岡 義介
TOSS体育最前線
いつでも、どこでも、誰でもできる体育指導の条件
駒井 隆治
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
鉄棒運動(中学年)
藤野 弘子
〜鉄ぼう山でハイキング〜
跳び箱運動(高学年)
谷岡 眞史
〜段階をおった台上前転〜
小学校「総合〈いのち・健康・福祉〉」の授業作り12のアイデア (第2回)
野菜!やーサイコウだ!
近藤 真庸
ライフスキルと健康教育 (第14回)
セルフコントロールのライフスキル(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第133回)
立派な追試報告である
向山 洋一
体育科における学力保障 (第2回)
開脚跳びの基礎・基本2
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第17回)
TOSS体育中央事務局
テクニカルポイントはここだ! (第14回)
ふれあうからおもしろい「体ほぐし」!
並木 孝樹

特集の解説

器械運動が苦手な子―症状別指導のヒント診断と指導

千葉市立弥生小学校

根本正雄


一、科学的な運動の診断

 運動のできない子供が、どのように指導したらできるようになるのか、TOSS体育授業研究会はずっと追求してきた。

 その結果、できない子供をできるようにするためには、指導のコツが大切であることがわかってきた。

 やみくもに指導するのではなく、指導のコツをつかみ効率のよい指導を行なっていくことが近道である。

 本特集では、運動の苦手な子が喜ぶ器械運動のコツが紹介されている。器械運動は子供の苦手な種目である。

しかし、一度コツをつかむと上達が早い。

 指導のコツを発見するには次の手順が考えられる。

 1.なぜできないのかの診断をする。

 2.診断に基づいて指導方法を考える。

 病院の医師が患者を治す時に最初に行なうのは診断である。病院に行けば診断する機器があり、症状に合わせて原因を調べていく。

 熱は体温計で調べる。血圧は血圧計で調べる。すべて目に見える数値で結果がわかるようになっている。

 もちろん数値だけではなく、問診、触診などもあり、総合的に診断する。

 医師はそれに応じて治療を行なっていく。薬を処方し、必要があれば手術も行なう。客観的な診断があるから、それに応じた治療ができるのである。

 体育の指導も医師と同じような診断、治療が必要である。できない子供がいた時に、どうしてできないのか、どこがつまずいているのかを客観的に診断する方法があれば、指導はしやすくなる。

 もしそれがわかれば指導の手立てが見えてくる。つまずきがわかればそのつまずきを取り除く指導をしていけばよいからである。

 客観的な数値になって表せればベストである。科学的な運動の診断方法が求められる。

二、診断に基づいた指導

 次に診断に基づいた指導が大切である。頭はね跳びという種目がある。頭はね跳びができるためには、どんな運動ができていなければならないのであろうか。

 頭はね跳びには、どんな基礎感覚、基礎技能ができなければならないのであろうか。

 頭はね跳びができない子供がいた時に、できない動きの原因を分析していけば、客観的な診断ができる。

 頭はね跳びのできない子供にいきなりはね跳びを指導するのではなく、診断に基づいた指導をしていくようにする。

 頭はね跳びの指導前にどんな技があり、その後どんな技に発展していくのか全体の系統に基づいて診断していくようにする。

 その後に頭はね跳びの指導を行なう。つまずきがわかれば、指導方法も考えられる。指導方法はすでに明らかにされているものがあればそれを活用する。

 指導方法がなければ開発をしていく。そのような手順を踏んでいけば、必ずできるようになるコツが発見されていく。

 原因を分析し、科学的な指導を行なっていくことにより無理のない楽しい授業ができる。

 それは動きの原理・原則に基づいた指導だからである。

教師がどれだけ自覚しているかで、子供の動きはまったく変わる。

 できるだけ多くの指導法の中から、最も効果的な方法を選択して指導していってほしい。

 本特集では、以上のような考え方で各教材の診断方法と指導方法が紹介されている。

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