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特集の解説
“この走・跳・投”指導で運動能力がグーンと伸びる
千葉市立弥生小学校
根本正雄
子供の「体力」は毎年低下しているという報告がされている。文部科学省は2002年10月、2001年度の体力・運動能力調査報告書を発表した。
その結果、「走る」「跳ぶ」「投げる」といった基礎運動能力は男女共低下傾向にあることがわかった。
特に6〜17歳で過去最低記録を更新したのは次の種目である。50m走は7歳男女、9歳男女、10〜11歳男子が過去最低である。
ソフトボール投げ・ハンドボール投げは6歳女子、15〜17歳女子である。立ち幅跳びは6歳男女、7歳女子、8、9歳男女である。これらの種目の運動能力は特に低下していることがわかった。
小学生の体力が低下しているのである。なぜ低下しているのであろうか。
平成14年9月30日、中央教育審議会から出された「子どもの体力向上のための総合的な方策について」(答申)の中で、子供の体力の低下の原因を次のように述べている。
「保護者をはじめとした国民の意識の中で、子どもの外遊びやスポーツの重要性を軽視するなどにより、子どもに積極的に体を動かすことをさせなくなった」
昔は集団での外遊びが中心であった。泥棒と警察、エスケン、陣取り、石けり、缶けり、ゴム跳び、馬跳び、かくれんぼなどの遊びが日常的であった。それらの遊びを通して体力が培われていた。
最近の子供は少子化に伴い、屋内でのテレビ、ゲームが多くなった。
テレビの視聴時間との間に相関関係があるという。7〜8歳と10歳の女子以外は、視聴時間が長いほど運動能力が低いという。テレビにより戸外での運動が減り、その分、家の中で過ごすことが多くなった。そのために体力が低下しているのである。
それでは体力向上の対策は何であろうか。
小学校で特に落ちている投能力で考えてみる。筑波大学の高橋健夫氏は次のように述べている。
投能力の低い原因として生活経験が少ないことが挙げられる。昔はめんこ、釘さしなどの遊びによって、投げる運動に必要なアナロゴンが培われていた。
現在の子供は、投げる準備局面ができていない。手首とひじだけで投げている。遠くに投げるには体全体を使わなければならない。
昔の遊びにはそれらの要素が入っていた。例えば落下傘投げ、河原投げ、石投げなどである。上に投げることで準備局面ができ投能力が培われていた。
現在はことごとくそれらが遊びの中から消えている。そのために投げる能力が落ちてしまったのである。投能力を高めるのは、学校でしかできない。特に小学校の2年生くらいの低学年くらいから始める。
高橋氏が紹介してくれた運動遊びは次の内容である。これらを体育の授業、生活科、総合的な学習の時間に取り入れていく中で投能力が高まっていくようにする。
1.ドスコイ投げ 足を上げて、片足ケンケンで投げる。
2.ロケット投げ 15mくらいの長さを1m毎に黄・赤の目印をつけておく。短時間でおもいきり投げる経験をさせる。どれだけ伸びたか競争をさせる。
3.トルネード投げ
@ 体をそらせスローインする。
A 横にねじる肘は伸ばしたまま肘が下がらないようにして投げる。
4.バトン投げ スナップの練習をする。
5.遠投投げ 体育館の上にロープを張りそれを越すように高く投げる。
以上のようなゲームは、遠くに投げられないと楽しめない。ドリルが必要なのである。楽しく何回でも繰り返していく。学校では運動の楽しさ、体力を高めていく楽しさを体験させていくようにするのである。
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- 明治図書