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特集の解説
変化のある繰り返しで“定番ネタ”に活気18例
千葉市立弥生小学校
根本正雄
冬の寒い季節になると子供は外に出たがらない。気温は低く、冷たい風が吹く中での体育の授業は子供の活動意欲を奪う。できることなら教室にいたいというのが本音である。
本特集では、そんな子供たちが喜んで体育の授業に取り組みたくなり、しかも体力がアップする、とっておきの体育ネタが紹介されている。
富山県の渡辺睦生氏は低学年の長なわ跳びを実践されている。
いきなり難しい技から入るのではなく、無理なく、無駄なく長なわに入るタイミングが体得できるような体育ネタを活用している。
その結果、子供は一体感・連帯感・達成間が得られ、体力もアップしていく組み立てになっている。
普通は大波小波から入る。しかし、苦手な子供にとっては、いきなり大波小波に入るとなわに入るタイミングが掴めず、つまずく。
渡辺氏は次のような長なわのネタを活用して指導された。
@へび 横
Aへび 縦
B遮断機
C楕円形
D遮断機で斜めくぐり抜け
E連続でくぐり抜け
最初、長なわを回さずに指導している。なわを横に小さくゆすり、へびが動いているような動きにした。
「ゆれているへびを跳び越しなさい」と指示した。小さな横ゆれであるから、1年生でも楽に跳べる。簡単に跳ぶことができる。
次は長なわを小さく、縦ゆれにした。これも全員跳ぶことができた。約10センチメートルの幅であるから、誰でも跳べる。
このような遊びを通して、子供は楽しくなわに入るタイミングを身に付けていった。何回も何回も繰り返す中で体力もついていく。
次はなわを真上に上げ、そこをくぐり抜けていく。一人がくぐり抜けるとなわを下にさげる。長なわが遮断機のような動きをするのである。
長なわが上がったら走り抜ける。子供は遮断機が下りない間にくぐり抜けようと必死でくぐる。楽しいゲームになっている。
長なわは上下の直線から少しずつ楕円形に回していく。
少しずつ少しずつで回すので、子供は無理なく自然になわに入るタイミングと回旋感覚を身に付けていく。
このような手順で長なわを指導していくと苦手な子供も楽しくできていく。自分から進んで意欲を持って取り組んでいくので、跳ぶ回数も多くなり、体力もついていくのである。
次は遮断機で斜めくぐり抜けでる。最初は直線であるが、今度は斜めに走り抜ける。先ほどより難しくなるので、子供は意欲が高まる。
渡辺氏は、くぐり抜けやすくするために、コーンを2個斜めにおいて、カラーコーンの間をくぐり抜けるようにした。カラーコーンがあるために、スタートとゴールがはっきりして跳びやすいのである。
最後は普通の回旋をしているなわをくぐり抜けていくようにした。
このようなネタの工夫で子供の動きと体力は、見違えるほどよくなっていきました。
本特集では、渡辺氏のように身近な教材についてのとっておきのネタが紹介されている。
今までとは違ったネタで、子供が楽しく繰り返して運動できる内容のネタが示されているので参考になる。
ネタによって子供の意欲と動きが変わっていくことを確かめてほしい。そして、工夫してよりよいネタを開発していってほしい。
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- 明治図書