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特集の解説
技能を飛躍的に高めるボール運動の指導
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
2004年7月のTOSS体育全国セミナーで渡辺喜男氏は、ソフトバレーボールの模擬授業を行った。
ソフトバレーボールの楽しさとして次の二点をあげて展開している。
1.ラリーが続くことの楽しさ
2.スパイクをする楽しさ
その楽しさを保障するために、次のルールを工夫している。
1.ワンバウンドで返す。
2.1回で返すことを禁止する。
3.キャッチマンをおく。
いきなりゲームをしてもラリーは続かない。スパイクも上手には打てない。そこで、次の練習を行った。
1.ワンバウンドパスの練習。
2.ステージの上に1人のって、ワンバウンドパスをする。ステージの上の人はすぐにパスする。
3.スパイクの練習をする。
全体をグループに分け、3つの練習をローテーションして行った。練習の場が移動することによって子供には変化が生まれた。
固定した場所ではなく、新しい場所で新しい練習をするので、意欲が湧き、楽しく活動することができた。
チームは一組が4人である。ゲームは3人対3人で、1人が得点係である。少人数のため、1人のボールにタッチする回数も多くボールに触れる、スパイクを思い切り打つという目標が達成されていた。
村田斎氏はシュートゲームの模擬授業を行った。コートに跳び箱を2台設置して、跳び箱にシュートする。
自陣の跳び箱には当てられないように守る。反対に相手のチームの跳び箱に当てるようにしていく。
跳び箱に当てたら1点になる。得点係が得点番に点を入れていく。
このシュートゲームは熱中して活動していた。なぜなら、攻防の切り替えがひんぱんに行われたからである。
跳び箱の後ろからもシュートできるように設置されているので、動きが多様になる。作戦によって動きが変わっていった。
たくさんシュートできる作戦を工夫させることによって、仲間との関わりが生まれる。どんな作戦が効果的なのかを理解し、シュートのコツが分かっていった。しだいに運動量が多くなり、汗がびっしょりになるほど動いていた。
途中で村田氏は「困ったことはありませんか」と質問した。「なかなかシュートができません」という意見が出された。
そこで、「1人が連続してシュートしても得点にはなりません」という、新しいルールを作った。
このルールで、全員にシュートするチャンスができた。今までは上手な人が中心で活動しシュートをしていた。ところが「連続してシュートしてはできない」というルールによって、全員にシュートできるチャンスが生まれた。作戦タイムがとられ、チーム全員がシュートできる作戦が話し合われた。
全員シュートするには、全員が動いていかなければできない。運動量が多くなった。ボールをもらうために動きが多くなったのである。
本特集では、渡辺氏や村田氏の実践のように、技能を飛躍的に高めるボール運動の指導例を紹介してある。
授業に取り入れて活用してほしい。そしてよりよい方法を開発していってほしい。
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- 明治図書