楽しい体育の授業 2005年2月号
苦手な子どもも汗びっしょりのなわ跳び指導

K183

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楽しい体育の授業 2005年2月号苦手な子どもも汗びっしょりのなわ跳び指導

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2005年1月6日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 苦手な子供も汗びっしょりのなわ跳び指導
特集の解説
根本 正雄
実践事例
短なわ跳び・一回旋一跳躍
必ず汗だくになる13の指示
近藤 光弘
短なわ跳び・一回旋二跳躍
トントン跳び 10回への道
新村 勲
短なわ跳び・前後開閉跳び
なわ跳びジャンケンで苦手な子も楽しく汗びっしょり
城者 貴典
短なわ跳び・かけ足跳び
「タントン」のリズムでかけ足跳び
関家 千恵
短なわ跳び・あや跳び
ステップを取り入れたリズムなわ跳び
川村 浩史
なわと上手に動かすことがポイント
小路 健太郎
短なわ跳び・交差跳び
交差跳びはスムーズな回旋で
小森 俊宣
少しずつをたくさん体験させる
奈良 満
短なわ跳び・二重跳び
システムに乗せて前回しをたくさんさせる
小松 裕明
教え合い、励まし合いでジャンプアップ
本間 賢一
短なわ跳び・あやの二重跳び
あやの二重跳び攻略はこの三点で!
岩田 一博
あやの二重跳びはこうすれば跳べる!
坂井 務
短なわ跳び・交差の二重跳び
達成率93% ポイントはグリップか
藤澤 芳昭
技能の積み上げの上に技は成り立つ
大谷 和明
長なわ跳び・8の字回旋跳び
怖さを克服するステップがポイント
岸本 勝義
なわ跳びができない子への長なわ指導
櫻井 智雄
長なわ跳び・ダブルダッチ
快汗!ダブルダッチ二重跳び
表 克昌
ダブルダッチ指導を始めてみよう
村田 淳
ミニ特集 新学習指導要領への提言「バスケットボール」
技能を身に付け課題ゲームを行う
寺本 聡
「作戦」はチームの実態をつかむことから
中川 隆芳
ドリブルシュートは、このかけ声で指導する
宇梶 誠司
「課題」を見つけ、練習を生かす
石原 惠理
変化のある繰り返しでパス&ランを身に付ける
両部 桂一
ライブで体感!TOSS体育講座
全員が跳べるようになる跳び箱指導
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
レベルアップを促す教材としての「8秒間走」
山本 貞美
マンガで見る楽しい体育指導 (第59回)
根本体育直伝マンガ(前跳びの指導の巻)
岩野 節男岩野 紀子
1秒・1cmの記録アップはこの指示で起こす
ハードル走 視点と振り上げ足でタイムアップ
田村 弘之
集中・熱中このゲームが子供を変える
準備なし!すぐにできる導入ゲーム
笠原 三義
障害児体育の実践 (第11回)
聾学校でも威力発揮!―「向山型なわとび級表」が個別指導を可能にする―
三沢 博樹
体育を好きにする女教師の体育指導 (第11回)
「先生の手にタッチ」でシュートゲームがチーム戦に変身?!
鈴木 恭子
子供が喜ぶ体育授業のシステム化 (第11回)
ダンス・踊りの授業システム
渡辺 喜男
〜基本形・カッコイイ部分がポイント〜
効果絶大 インターネットの活用
二重跳びは誰でもできる
金子 明弘
健康な生活習慣を育む食の授業 (第11回)
箸で分かる日本の心
三好 保雄
時代の流れに対応した「性教育・エイズ教育」 (第11回)
HIVとエイズの違いを問い直す
戸井 和彦
TOSS体育研究会報告
6月札幌で「TOSS体育ソーラン全国大会」開催!
橋 真
TOSS体育最前線
TOSS体育の魅力を伝える
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
ボール遊び(低学年)
村田 淳
〜一発本番、緊張場面をつくる学習カード〜
バスケット(高学年)
西尾 文昭
〜めざせ!シュートの達人〜
今、子供に伝えたい保健の指導
子供がニコニコになる・プラス思考の授業
臼井 俊男
ライフスキルと健康教育 (第35回)
認知を変える「ひとりの時間」(3)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第154回)
実践記録と研究論文は違う
向山 洋一
体育科における学力保障 (第23回)
根本正雄のマット遊びの指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第38回)
テクニカルポイントはここだ! (第35回)
走り幅跳び3
並木 孝樹
〜空中姿勢の最終ステップ〜

特集の解説

苦手な子供も汗びっしょりのなわ跳び指導

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 なわ跳びは子供の発達を刺激し、運動能力や体力を高めるのに適した運動である。

 運動能力の高い子供も低い子供も、その能力に応じて運動することができる。

 釧路市の山本真吾氏は中学校の部活動で向山型なわ跳びカードを活用し、指導したと報告している。その結果、バレーボールの技能も高まったと次のような報告をされている。

 「バレーボール部の顧問をしています。今年の3月にスーパーとびなわを購入して、部活のトレーニングに使っています。二重跳びができなかった生徒ができるようになり、『魔法のなわだ!』と叫びました。

 全員A表を終了しました。等級表が上にすすむごとに、バランスがよくなっていくのが分かりました。他の生徒もスパイクが力強くなっていきました。スーパーとびなわは、中学生の部活動にも明らかに効果があります」

 なわ跳びの技能の向上が、バレーボールの技能の向上に役だっているのである。等級表のアップに伴い、バランスがよくなりスパイクも力強くなっていった。

 なわ跳びの練習により脚の筋力と体力がアップしたのである。そのためにバレーボールの技能も高まっていったのである。

 なわ跳びは子供の体力を高めるとともに他の運動の技能向上に役立つことが分かる。運動の基礎感覚・基礎技能づくりに役立つのである。

 富山大学教育学部附属養護学校の高橋庄蔵氏はフープなわ跳びを開発した。なわ跳びの跳べない子供にフラフープを途中で切り、取っ手をつけてなわ跳びのようにフープを回せるように工夫したのである。

 その結果、なわ跳びの跳べない子供が10回以上も跳べるようになった。なわの代わりにフープを跳ぶのである。

なわは固定していないので跳びにくい。

 跳べない子供は手の回旋が遅れる。そのためになわを跳ぶまでに、足が着地してしまう。手首の回旋感覚を付けるにはフープが適している。フープは固形なので手首の力がフープ全体に伝わるのである。力が弱くてもフープを回すことができる。

 なわよりも簡単に回旋でき、1回できるまでの時間が短時間である。すぐに達成感が得られるので、子供は何回でも挑戦していく。

 どんな子供でも汗びっしょりになって運動する。フープなわ跳びができたら次はなわ跳びに挑戦していく。

 兵庫県揖保郡神部小学校で発達学級の4人の子供にフープ跳びなわを指導していただいた。

 2人の担任の先生が指導してくれたが、見事にフープで跳ぶことができた。跳ぶことが無理であろうと思われた子供も見事に跳ぶことができた。

 その場で連続して跳ぶことは難しい。そこで、1回跳んだら前に進むようにした。5メートル先の黄色いラインまで跳ばせていった。

 約10回ほど自力でフープ跳びで進んだ。「ビシュ トンビシュ トン」のリズムで見事に跳ぶことができたのである。

 他の3人はその後、スーパーとびなわで跳ぶことができた。発達学級の子供もなわ跳びができるのである。4人の子供は汗一杯になりながら跳んでいた。

 なわ跳びの苦手な子供が汗びっしりになるのは、短なわ跳びだけではなく、長なわ跳びもある。

 一人では入るタイミングが分からない子供も、集団で跳ぶと自然に身に付いていく。

 1分間長なわ跳びで何回跳べるようになるかを練習していく中で、跳び方が上達していく。連続跳びの指導によって、苦手な子供も汗びっしりになっていくのである。

 本特集では、以上の例のように苦手な子供が汗をかいてなわ跳びができる方法が紹介してある。実践して、なわ跳びの楽しさを味わわせてほしい。

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