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特集の解説
苦手な子供も汗びっしょりのなわ跳び指導
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
なわ跳びは子供の発達を刺激し、運動能力や体力を高めるのに適した運動である。
運動能力の高い子供も低い子供も、その能力に応じて運動することができる。
釧路市の山本真吾氏は中学校の部活動で向山型なわ跳びカードを活用し、指導したと報告している。その結果、バレーボールの技能も高まったと次のような報告をされている。
「バレーボール部の顧問をしています。今年の3月にスーパーとびなわを購入して、部活のトレーニングに使っています。二重跳びができなかった生徒ができるようになり、『魔法のなわだ!』と叫びました。
全員A表を終了しました。等級表が上にすすむごとに、バランスがよくなっていくのが分かりました。他の生徒もスパイクが力強くなっていきました。スーパーとびなわは、中学生の部活動にも明らかに効果があります」
なわ跳びの技能の向上が、バレーボールの技能の向上に役だっているのである。等級表のアップに伴い、バランスがよくなりスパイクも力強くなっていった。
なわ跳びの練習により脚の筋力と体力がアップしたのである。そのためにバレーボールの技能も高まっていったのである。
なわ跳びは子供の体力を高めるとともに他の運動の技能向上に役立つことが分かる。運動の基礎感覚・基礎技能づくりに役立つのである。
富山大学教育学部附属養護学校の高橋庄蔵氏はフープなわ跳びを開発した。なわ跳びの跳べない子供にフラフープを途中で切り、取っ手をつけてなわ跳びのようにフープを回せるように工夫したのである。
その結果、なわ跳びの跳べない子供が10回以上も跳べるようになった。なわの代わりにフープを跳ぶのである。
なわは固定していないので跳びにくい。
跳べない子供は手の回旋が遅れる。そのためになわを跳ぶまでに、足が着地してしまう。手首の回旋感覚を付けるにはフープが適している。フープは固形なので手首の力がフープ全体に伝わるのである。力が弱くてもフープを回すことができる。
なわよりも簡単に回旋でき、1回できるまでの時間が短時間である。すぐに達成感が得られるので、子供は何回でも挑戦していく。
どんな子供でも汗びっしょりになって運動する。フープなわ跳びができたら次はなわ跳びに挑戦していく。
兵庫県揖保郡神部小学校で発達学級の4人の子供にフープ跳びなわを指導していただいた。
2人の担任の先生が指導してくれたが、見事にフープで跳ぶことができた。跳ぶことが無理であろうと思われた子供も見事に跳ぶことができた。
その場で連続して跳ぶことは難しい。そこで、1回跳んだら前に進むようにした。5メートル先の黄色いラインまで跳ばせていった。
約10回ほど自力でフープ跳びで進んだ。「ビシュ トンビシュ トン」のリズムで見事に跳ぶことができたのである。
他の3人はその後、スーパーとびなわで跳ぶことができた。発達学級の子供もなわ跳びができるのである。4人の子供は汗一杯になりながら跳んでいた。
なわ跳びの苦手な子供が汗びっしりになるのは、短なわ跳びだけではなく、長なわ跳びもある。
一人では入るタイミングが分からない子供も、集団で跳ぶと自然に身に付いていく。
1分間長なわ跳びで何回跳べるようになるかを練習していく中で、跳び方が上達していく。連続跳びの指導によって、苦手な子供も汗びっしりになっていくのである。
本特集では、以上の例のように苦手な子供が汗をかいてなわ跳びができる方法が紹介してある。実践して、なわ跳びの楽しさを味わわせてほしい。
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- 明治図書