- 特集 “この声かけ、補助”で水泳指導が大変身
- 特集の解説
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- 実践事例
- 1学年
- 〈輪くぐり〉みんなが挑戦、いろいろな輪くぐり
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- 〈水中ジャンケン〉「ルール・言葉・友だち」三つのキーワードで動きを変える
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- 〈水中石拾い〉「水中石拾い」までに水慣れを!
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- 2学年
- 〈イルカ遊び〉入水と浮上の基本を身に付ける指示、場作り
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- 〈ばた足〉スモールステップでばた足を身に付けよう
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- 〈伏し浮き〉ポイントは脱力と教師のスキンシップ
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- 3学年
- 〈ダルマ浮き〉プールサイドで姿勢を教えた後、「ダルマ浮き10秒」を目指す
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- 〈け伸び〉ものを使って、け伸びをマスターしよう
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- 〈ちょうちょう背泳ぎ〉テクニカルポイントを意識した声かけと補助
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- 4学年
- 〈背浮き〉背浮き指導は「やさしくささやく」ように
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- 〈面かぶりクロール〉手のかきは「ガッポイスッ」
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- 〈かえる足〉正しい動きをトレースさせるかえる足指導法
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- 5学年
- 〈クロール〉面かぶりクロールの完成を目指して
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- 〈ドル平〉ドル平「むむむ…パッ、ハッ」向山型通知表で脅威の達成率
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- 〈背泳ぎ〉キックと手のかきをリズミカルに
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- 6学年
- 〈クロール〉「局面を限定した指導」と「子どもがイメージしやすい言葉かけ」
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- 〈平泳ぎ〉ステップを踏んだ声かけが有効
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- 〈着衣泳〉長く「浮く」ことが第一であることを体感させる。後の指導はスモールステップで
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- ミニ特集 6月の体育はこう指導する(水遊び・水泳)
- 低学年
- 自然と水に親しむ活動を
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- 中学年
- 中学年のポイントは呼吸にあり
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- 「呼吸ができる」「目が開けられる」基礎づくり
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- 高学年
- 運動量の確保は泳力別コースのシステム化にあり
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- 理解しつつ ゆったりと 長く
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 「体育授業力」とは体育授業の構想力と実践力
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- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 指導のコツも運動のコツも子どもとともに
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第87回)
- 根本体育直伝マンガ(水泳・クロールの指示の巻)
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- 教材発掘!この教具で子どもが熱中 (第3回)
- 優れたユースウエアがあるから熱中して使用する「くるりんベルト」で逆上がり
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- 心と体をほぐす準備運動 (第3回)
- 誰でもできる準備運動にダイナミックさをプラスする
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- 爆発的に広がるYOSAKOIソーランの授業 (第3回)
- ジンバブエDE YOSAKOIソーラン
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- 真下投げの指導 (第3回)
- 肩甲骨・上腕・前腕の正しいアライメントA
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- 体育指導における微細技術 (第3回)
- なわとびチャレンジシール
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- 子どもの体を守る食育の指導 (第3回)
- 生活習慣病から「バランスよく食べる」を指導する 後編
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- 〜献立を選択させるから考える〜
- 最新情報を盛り込んだお勧め保健授業 (第3回)
- 医療機関が作成した教材を活用して行う禁煙教育
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- 逆上がり全員達成の道 (第3回)
- 道は遠いが子どもの喜びと自分の修業のために
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- 二重跳び全員達成への道 (第3回)
- 達成率97%全員達成を目指して
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- TOSS体育最前線
- 「教師力」の至芸は「瞬間」を見抜く力にあり
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- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- 水遊び(低学年)
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- 〜水遊び学習カード〜
- 水泳(高学年)
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- 〜四つのポイント改善で「クロール」は泳げる!〜
- 体育主任奮戦記 (第3回)
- 体育通信で校内の体育を変える
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- 〜体育通信で教材づくりの条件を伝える〜
- ライフスキルと健康教育 (第63回)
- 対話シナリオ改造とその応用
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- 授業の腕を高める論文審査 (第182回)
- だから小学校には四種の跳び箱が必要だ
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- 体育科における学力保障 (第51回)
- ダブルダッチの指導A
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- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第66回)
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- 1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第3回)
- 逆上がり
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- 〜飯田・根本式階段別台つき鉄棒〜
特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
“この声かけ、補助”で水泳指導が大変身
水泳指導は天候に左右される教材である。天候が悪いと泳ぐことができないからである。
ある時期に集中して指導しなければならない教材でもある。だから学年に応じ、短時間で効率的な指導を行う必要がある。
その時、ちょっとした声かけ、補助で子どもは大きく変わることがある。水泳は他の運動と比べると、指導の効果がすぐに大きく表れる教材である。
石橋健一郎氏は『TOSS体育D表検定ここがポイント』(明治図書)の中で3年生の指導で「できるかもしれないと思える言葉で子どもを伸ばす」という報告をしている。
水泳の苦手な子も安心して参加できる、三つの具体的な声かけ、補助を次のように述べている。
@「教師の声」で、泳ぎのリズムが理解できる。
A「教師の補助」で、泳ぐ体験を可能する。
B「魔法のメジャー」で、泳ぐ距離がぐんぐん伸びる。
「教師の声」で、泳ぎのリズムをつくる指導では「よーい、壁キック、伸びて、7・8・9・10!」という声をかけている。
この言葉とあわせて、教師は歩きながら子どもの手を引き、補助も行った。
「よーい、壁キック、伸びて、7・8・9・10!」という言葉は優れている。
三つの言葉で述べているので、子どもに分かりやすく泳ぎのリズムが作れるからである。
しかも言葉と同時に教師の補助が入っているので、子どもは安心して壁をけることができる。教師のスキンシップが子どもに安心感を与えるからである。
「よーい、壁キック、伸びて、7・8・9・10!」と数字を入れた指示によって、子どものけ伸びは伸びていくのである。
教師が歩きながら子どもの手を引き、補助を行うことによって子どもはリラックスして泳げるようになる。
「魔法のメジャー」ではプールサイドにメジャーを置いて、泳いだ距離を教師が言う。あるいはメジャーの目盛りを自分で読んで自己評価をしていく。
メジャーを置くだけで、子どもは意欲的に学習するようになり、泳力も伸びたと報告している。
以上のような声かけ、補助によって、子どもは大きく変容する。声かけ、補助は誰でも指導できる。
水泳のプロでなくてもすぐに取り入れて指導できるので、成果もすぐに出てくる。
本特集では石橋氏のような、学年の発達段階に応じた声かけ、補助を次の項目で紹介してある。
@学年
A指導の声かけ、補助
B具体的な指導内容と授業の実際
C声かけ、補助の効果
D留意点
声かけ、補助を知っているだけでは授業に活用できない。どんな場面でどのように展開するかを指導者が理解していないと十分な効果はない。
本特集では、具体的な指導内容と授業の実際が示されている。実際に授業を行った経過が示されているので、そのまま追試をすることができる。
実際に指導して、うまくいった事例が紹介されている。最初はそのまま追試をしてほしい。
次には追試の結果、学級の実態にそぐわない結果が出る。そのときには、新しい方法や学級の実態にあった方法に改善していってほしい。一番大事なことは、学級の子どもが変わることである。
何度か繰り返す中で、効果的な指導法が自分の力になっていくのである。
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- 明治図書