- 特集 器械運動の習得率UPは“この対抗戦”だ
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- 動きの工夫で様々な技への挑戦意欲を引き出す
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- マットリレーで運動量を確保し、楽しい技を身に付けていく
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- 跳び箱ドンジャンケンで、腕支持感覚を!
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- 着陸ゲームを楽しもう!―跳び箱運動の踏み切りと着地動作の感覚づくり―
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- 鉄棒遊び
- 遊具遊び、リレーで、いつの間にかできるようになる
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- グループ対抗戦で習得率をUPする
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- 平均台遊び「バランスあるき対抗戦」
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- 遊びながら、バランス感覚をつかもう!
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- マット運動 前転・後転
- 「ゆりかご」や「シンクロマット」を使った対抗戦
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- マット運動 開脚前転・開脚後転
- 「場」の工夫で開脚前転を習得させる
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- マット運動 側方倒立回転
- 個別評定で側転の動きづくり
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- 跳び箱運動 開脚跳び
- やはり「向山A式・B式」である
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- 跳び箱運動 抱え込み跳び
- どの子も楽しみながら自然と習得できる
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- 跳び箱運動 台上前転
- 感覚を習得できれば台上前転は2点に重点を置くだけでバッチリ!
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- 跳び箱運動 頭はね跳び
- 頭はね跳びのテクニカルポイントを得点化する
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- 鉄棒運動 逆上がり
- リレー対抗戦・シンクロ対抗戦で基礎感覚を育てる
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- 鉄棒運動 腕支持後方回転
- 腕支持後方回転達成へのアプローチ―ゲームで楽しく身に付ける基礎感覚―
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- 鉄棒運動 腕支持前方回転
- 勢いをうみだす練習での対抗戦
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- ミニ特集 7月の体育はこう指導する(基本の運動・器械運動)
- 低学年
- 楽しみながら基礎感覚づくり
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- 中学年
- 「浮くこと」と「進むこと」を繰り返し体感させる
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- 眠っている平均台を使って楽しい運動を次々に展開する
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- 高学年
- 心地よい緊張がある技の発表会
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- くるりんベルトを使った指導と平行して、鉄棒の下に引いた「線」を意識した練習で意欲を持続させる
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 子どもに力のつく体育指導を学ぶ
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- 〜第6回TOSS全国1000会場一斉セミナー〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 一人ひとりの子どもを見つめる
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第100回)
- 根本体育直伝マンガ(台上前転の巻)
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- 子どもが熱中!低学年体育の指導
- 特別支援を要する子にどう対応するか・1常に「目線」を送り、対応する
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- 体育科の系統的指導
- マット運動4「側方倒立回転(1)」
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- 拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
- 「輪舞」と「共振」で、ひとつになれる!
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- 新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
- 水泳の段階ごとの指導の基本
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- テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
- 子どもたちがぱっとイメージできる言葉で伝える
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- 最新情報を盛り込んだ食の授業 (第13回)
- 噛んで“よごれ”をイッパイ出そう!
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- 苦手な子どもも満足する鉄棒指導
- 「鉄棒くるりんベルト」で逆上がりリレー
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- 「口伴奏」指導法でみんなができる
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- 体育指導でドラマをつくる
- 家族も巻き込む逆上がり
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- TOSS体育最前線
- 「跳び箱が跳べた」その先は?
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- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- 基本の運動(低学年)
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- 〜遊びできたえる学習カード〜
- 器械運動(高学年)
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- 〜習熟過程を踏まえたステップで、台上前転から首はね跳びへ〜
- 水泳指導の秘密兵器
- フィンを履いて背泳ぎにチャレンジ!!
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- ライフスキルと健康教育 (第75回)
- ソシアル スキル教育(2)
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- 授業の腕を高める論文審査 (第195回)
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- 「短なわとび」「とびばこあそび」(2年)十文字女子大学山本悟氏の授業
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- 1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第16回)
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- 〜高度な技へのステップ〜
特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
器械運動の習得率UPは“この対抗戦”だ
中央審議会の審議のまとめが発表された。その中で習得・活用・深化の流れで学習することが述べられている。体育科ではどのように考えたらよいのであろうか。
習得は児童に身に付けさせる基礎的基本的内容の確実な定着を目指す学習になる。手順として次のように述べている。
@ 児童に身に付けさせたい具体的な内容を明確にする。
A その指導内容の確実な定着を図ることができるようにする。
最初に、各学年で身に付けさせたい具体的な内容を明確にする作業がある。
2008年2月23日、第16回日本体育教育技術学会で十文字学園女子大学の山本悟氏は、2年生の体育で「短なわとび」「着陸ゲーム」(跳び箱ふみ越しとび)の授業を行った。
山本悟氏は跳び箱遊びについて「3年生以降の跳び箱運動に取り組む場面で役立つ跳び箱遊びとして、跳び箱へ向かう助走のリズム感と踏み切りのタイミングの取り方に注目した着陸ゲーム(ふみ越しとび)を実施」された。
具体的な内容として、@跳び箱へ向かう助走のリズム感Aタイミングの取り方とした。
次の作業は指導内容の確実な定着を図る方法を明らかにすることである。山本氏は「着陸ゲーム」という教材で行った。
このゲームは、跳び箱に近づきながら、自分の歩幅や足の運びを意識したり調整したりする感覚を身に付けるようになっている。
横向きにした1段の跳び箱から110pおよび150pの位置に直径40pの〇印を描いて着陸の目標を設定している。
「転ばないで立って着陸する」「〇の中に両足が入る」「着地して3秒止まる」という条件をクリアすれば、各々1点と2点の得点になるようにして練習と評価をさせていった。
2年生の子どもはチーム対抗戦を行いながら、教師の計画した内容を確実に定着させていき、子どもは得点をとることに熱中していた。
男女に分かれて何点かを相互評価をしていく。「1点」「2点」「3点」という評価がある度に子どもは「ヤッター」と歓声を上げていた。
点をたくさん取れば取るほど、学習内容が定着していくようになっている。チーム対抗なので、子どもも必死である。最後に、学習カードには得点を記入するようになっている。
●ちゃくりくゲーム きようのさいこうてん 自分→【 】てん
チームのなかまのさいこうてんをあつめると→【 】てん
輪の中に「転ばない」「両足着地」「3秒止まる」ことはかなり難しい活動である。しかし、何度か挑戦していく中で、子どもは学習内容を習得していった。楽しく学習する中で、学習内容が習得されているように仕組まれていた。
本特集では、山本悟氏の実践のように、「児童に身に付けさせる基礎的基本的内容の確実な定着を目指す学習」例が、次の項目で紹介されている。
1 教材名
2 目標
3 学習内容
4 確実に定着させる方法
5 準備物
6 授業の実際
特に「学習内容」と「確実に定着させる方法」については、具体的に示してある。習得・活用のできる器械運動メニューを活用していただければ幸いである。
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