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- 多様な動きをつくる運動遊び三つのポイント
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- ミスをしてもほめられるバレーボールのルール
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- 『打ったら!走れ』満塁から始めるベースボール
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- ミニ特集 10月 新指導要領で体育授業はこう変わる(マット)
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- 2年生/指令「よじ登り・ステージ前転・開脚前転・側転!」に挑戦せよ!
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- 3年生/集団ゆりかごで基本の習得と場の工夫で自主性を高める
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- 4年生/壁倒立はこう授業する
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- 6年生/最低限の技能保障をしないと楽しめない
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- 〜ボールをキャッチする〜
特集の解説
“仲間づくり”を意識したニュー体育授業
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
従来の学習指導要領では、知識・理解、技能、態度の学力を育てることが求められた。
しかし、今回の学習指導要領では、それらの学力と同時に、コミュニケーション能力を育てていくことも求められている。
本特集では、コミュニケーション能力を育てる指導法について、紹介されている。
JEF市原・千葉お届隊のサッカー指導があり、コーチの池上正氏から指導していただいた。
今までのサッカー指導とは異なる指導観に基づいた、楽しい授業である。
池上氏の指導はサッカーの基礎基本を身に付けさせながら、子ども同士のコミュニケーション能力を育成する内容である。
教師が教え込むのではなく、子どもが自ら気付き、発見していく授業の組み立てである。組み立ては次のようである。
1 四つのサインを確認する
@ 手のひらを下に向ける→座ってください。
A 手のひらを上に向ける→立ってください。
B 口に中指を当てる→お話を聞いてください。
C 両手で拍手をする→集まってください。
2 ボールを持たないで仲間作りゲーム
@ コーンとコーンの間を回ると1点になる。
A 1人で3点をとる。
B 3点とった人を探して、2人になる。
C 2人になって、手をつないで2点をとる。
D 4人になって、1点をとる。
E 8人になって、1点をとる。
3 2人で(バウンド)パスをする。5回できたら合格
4 足でドリブルして、コーンとコーンの間を回る。3点とったら集まる
5 ドリブル競争をする
@ ヨーイ・ドンでスタートする。
A どちらが言うかを決める。
B 勝った人は勝った人同士で競争する。負けた人は負けた人同士で行う。
C 負けた人同士で勝ったら、勝った人同士で行う。
6 試合をする
@ 4人組作る。
A ビブスを着た4人と着ていない4人で行う。
B ゴールは一つとする。
C 笛の合図で始まり、笛の合図で終わる。
以上の組み立てには、どんな人間を育てるかという思想が流れている。
最初の「ボールを持たないで仲間作りゲームをする」ゲームは、サッカーの基礎技術を習得させるために役立つ。
それ以上に人間関係作りに効果的なのである。コーンの間を通ることによって得点になる。
目的が達成したら次の目標に向かって活動が始まる。2人組、4人組、8人組と同じような方法で仲間作りが行われていく。
ゲームで楽しく遊ぶ中で、人間にとって大切な仲間作りが学習できるようになっていた。これは、最後のゲームでも同じである。ビブスを着た4人と着ていない4人でゲームを行う。
池上氏は一切チーム作りを強制しない。チームができずにゲームのできないところもあった。それでも声を出さずに見ているだけである。
この繰り返しを行う中で、子どもは自分から仲間を見つけ、自分から仲間に入る働きかけをしていくようになった。
つまり、最初のゲームと同じように、人間関係作りを最終目標においている。その過程でサッカーの楽しさを体験させていくような組み立てになっていたのである。
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- 明治図書