- 特集 「出来た!」歓声あがるプロのワザ81
- 特集の解説
- 「出来た!」歓声あがるプロのワザ81
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- 楽しい相撲ゲームで力強い動きを身に付ける
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- 器械・器具を使っての運動遊び マット
- 前転が美しく楽しくできる!「〜ピンピンごろりん〜前転どんジャンケン」
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- 三つの基礎感覚・基礎技能を遊びの中で鍛える
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- 鬼遊びをより楽しく知的に
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- ゲーム ゴール型ゲーム
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- 一時に一事の原則とルールの工夫でどの子にも満足感を味わわせる
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- 器械運動 鉄棒
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- 陸上運動 ハードル走
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- サッカー すぐできるなめらかな習得から活用の組み立て
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- 成功体験の蓄積とルールの工夫
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- 「教え方ビデオ」を使って、笑顔でほめて、個別評定で、みんながYOSAKOIソーランを踊れた!
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- ミニ特集 7月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
- 低学年/真似から始めて、ほめて引き出す
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- 中学年/場を工夫して何度も挑戦させる(幅跳び)
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- 高学年/命を守る水泳指導 背浮きの指導と着衣泳の実践
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- ライブで体感!TOSS体育講座
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- 〜ワクワク体育指導法セミナー京都で開催〜
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- 子どもの学ぶ力を育む体育学習
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- 図解・運動量豊富なミニゲーム (第4回)
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- TOSS体育ときめき情報 (第4回)
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特集の解説
「出来た!」歓声あがるプロのワザ18
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
2011年2月18日、大阪朝日放送「探偵!ナイトスクープ」に出演した。
番組は、視聴者からの依頼(ハガキ・メール等の便り)に基づき、探偵(出演者)がロケや収録を通して調査・実験等を行い、依頼者の謎や疑問を解明し、夢や希望を叶える内容である。
今回の依頼の内容は、立ち幅跳をすると5p程しか跳べず、知人に「30p跳べたら1万円あげる」と言われ一生懸命練習した。
しかし、全く跳べない。「皆と同じくらい跳びたい」と言うA子さんの夢を叶えて欲しいというものであった。
A子さんの立ち幅跳びの平均記録は5pで、最高が15pである。これを半日で30p以上跳ばせてほしいという依頼であった。
A子さんの最初の跳ぶ姿を見て、前方に跳ぶのではなく、上に跳んでいることが分かった。
立ち幅跳びの跳べない子どもに共通しているのは、前方に跳ぶのではなく、上方に跳ぼうとすることである。跳ぶイメージができていないのです。そこで、A子さんに質問した。
「足のどこで蹴っていますか」
すると「足の裏全体で蹴っています」という答えが返ってきた。足の裏全体で蹴っていては跳べない。だから跳ぶときに、踵を地面に着けないようにすればよいのである。
次に気が付いたのは、膝が伸びていることである。立ち幅跳びの動きで最も大切なのは、腰の沈み込みである。腰を下げ、膝を曲げてそのバネで跳ぶ。
A子さんの腰は伸びていた。腰が伸びていれば膝は曲がらない。曲がらないのでジャンプが低く、遠くに跳べなかったのである。
そこで立ち幅跳びのテクニカルポイントを3点説明した。
1 膝を曲げて、そのバネで跳ぶ。
2 足裏全体で蹴るのではなく、つま先で蹴る。
3 膝を曲げると同時に両手をさげ、踏み切るときに両手を上にあげ、着地のときに下におろす。
実際にやって見せた。ゆっくりと沈み込み、そのバネを使って、斜め前方に跳んだ。軽く80p跳んだ。
「A子さん、遠くに跳ぶには、膝を曲げ、つま先で跳ぶんですよ」と繰り返し指導した。
その後、次の場で少しずつテクニカルポイントが習得できる練習をしていった。
1 砂場のコンクリートから跳ぶ。
2 ビールケースの上から跳ぶ。
3 高さが20pの台から跳ぶ。
平地にだんだん近づけていった。いよいよ、平らな地面からの立ち幅跳びである。勝負はここからである。
最初の目標は、30p。段階的な練習をしてきたので、何回かの練習ですぐにクリアーした。A子さんは、練習で遠くに跳ぶコツを体得したのである。
いよいよ本番である。ディレクターが叫んだ。「A子さん、本番は1回だけだからね」
A子さんは小さくうなずき、ゆっくりと膝を曲げ、手を振り下ろして、つま先で跳んだ。
みんなの視線が一斉に着地点に注がれた。何と143pも跳んだのである。「うおーっ」という歓声が上がった。
見事に30pという目標を達成した。しかも143pという記録である。
本特集では、立ち幅跳びの指導のように次の内容で、体育の指導技術の勘所が示されている。
1 できない子どもの実態と診断。
2 できるようになるためのテクニカルポイント。
3 できるための指導方法。
指導技術の勘所を指導するために、できない実態を診断し、原因を明らかにされている。
原因が明らかになったら、次は、その運動で一番大事なテクニカルポイントが示されている。
最後は、テクニカルポイントを習得できる練習方法が示されている。場の工夫、指導の言葉、スモールステップなどの具体的な方法が紹介されているので、活用してほしい。
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- 明治図書