- 特集 子どもの動きを変える“スパッと個別評定”
- 特集の解説
- 子どもの動きを変える“スパッと個別評定”
- /
- 実践事例
- (1)教師の行動観察
- 体つくり運動/2回の個別評定で動きが変わる
- /
- ゲーム ゴール型/だるま浮き指導での個別評定
- /
- 器械運動 マット/個別評定は明確・的確に判定せよ
- /
- 陸上運動 短距離・リレー/よい姿勢の子をほめ、みんなのお手本とする
- /
- ボール運動 ネット型/ソフトバレー、基礎的技能の定着
- /
- (2)子どものノート分析
- 器械・器具を使っての運動遊び マット/見学ノートを指導に生かす
- /
- ゲーム ネット型/全員が上達しラリーが続く楽しさを実感させるボール運動 ネット型〜ソフトバレーボール〜
- /
- 器械運動 鉄棒/日記帳で簡単が評価! 〜こうもり振りおり〜
- /
- 陸上運動 ハードル走/子どもに評定規を考えさせることで「できる」「分かる」の授業を保証しよう
- /
- ボール運動 ゴール型/ボール運動ゴール型〜ノートコミュニケーションでステップアップ〜
- /
- (3)自己評価
- 器械・器具を使っての運動遊び 鉄棒/個別評定と自己評価で動きを変える
- /
- 器械運動 跳び箱/終わりを示した後に、細部を評定する
- /
- ボール運動 ゴール型/スキルアップ大作戦でバスケットボールに必要な技能を身に付ける
- /
- 体ほぐし/すもう型運動と地蔵倒しでペア作りを行う
- /
- (4)相互評価
- 器械・器具を使っての運動遊び 跳び箱/評価の観点で、子どもの「動き」と「見方」を変える
- /
- 陸上運動 走り幅跳び/動きを「見える」ようにして、子ども同士で評定させる
- /
- ボール運動 ゴール型/やる気の栄養ドリンク相互評価
- /
- よい動きを言語化し、引き出す
- /
- ミニ特集 10月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
- 1年生でもできた!鬼遊びで戦術学習
- 低学年/1年生でもできた!鬼遊びで戦術学習
- /
- 個人差を吸収するサッカーの指導
- 中学年/個人差を吸収するサッカーの指導
- /
- 場作りを工夫することで取り組む台上前転、首跳ね跳びの指導
- 高学年/場作りを工夫することで取り組む台上前転、首跳ね跳びの指導
- /
- ライブで体感!TOSS体育講座
- TOSS体育を学ぶ黄金の2日間
- /
- 〜その1 向山型体育フェスティバル 東京会場〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 運動量確保と技術の習得をめざす
- /
- マンガで見る楽しい体育指導 (第139回)
- TOSS体育直伝マンガ(3段攻撃でボーナス点!)
- /
- 図解・単元を貫く学習の場作り (第7回)
- 向山型実践「スタンディングスタートの授業」1
- /
- 〜知的な体育の授業は、圧倒的な運動量と変化のある繰り返し、そして思考場面で構成されている〜
- 図解・運動量豊富なミニゲーム (第7回)
- ハードル走の基礎技能を身に付ける二つのゲーム
- /
- 私にもできた子どもを熱中させる授業 (第7回)
- 子どもが喜ぶサーキットトレーニング
- /
- 〜いくつかの楽しい動きをいくつも扱うことで楽しさを持続させる〜
- 初任者必見!体育授業ちょっとしたコツ (第7回)
- 子どもを動かすのにスケッチブックは有効である
- /
- 体育Q&A・体育授業の悩み解決します! (第7回)
- スモールステップで達成する逆上がり
- /
- 私の失敗体験記 (第7回)
- 時間配分は、終末局面から中心活動を逆算して考える
- /
- プロスポーツから学ぶ最新の体育指導 (第7回)
- 体幹を締めてまっすぐ浮くフラットスイム
- /
- 子どもの体力向上!運動の日常化 (第7回)
- 新体力テストチャレンジカードで身体能力の向上を図る
- /
- 最新情報を盛り込んだ食の授業 (第51回)
- 鉄欠乏と脳機能…スポーツにとって脳機能は大切です
- /
- ライフスキルと健康教育 (第115回)
- 自己効力感とライフスキル(2)
- /
- 特別支援に対応した体育授業 (第7回)
- 肯定的な言葉がけを徹底する
- /
- 短時間にできる「運動会種目」 (第7回)
- 評定するだけ! 15分で完結! 応援合戦指導
- /
- 体育主任の部屋・仕事チェックリスト (第7回)
- 行事の実行と授業へのサービス提供ができるかどうかが体育主任の腕の見せ所。要は誰が見ても分かるような文書を作成することだ
- /
- TOSS体育ときめき情報 (第7回)
- 早く体育の授業をしたくなる!
- /
- 〜根本正雄氏が見せた全国セミナーでの授業のコメント力〜
- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- 鉄棒遊び(低学年)
- /
- 〜逆さ感覚等の基礎感覚を身に付けさせる〜
- 鉄棒運動(中学年)
- /
- 〜鉄棒が得意な児童も苦手な児童も楽しめる学習カード〜
- 鉄棒運動(高学年)
- /
- 〜指導の系統性を重視した、自己評価できる学習カード〜
- 授業の腕を高める論文審査 (第234回)
- 創造への挑戦は尊い
- /
- 体育科における学力保障 (第103回)
- 踊りを見るコードを与える 石田夏紀氏のよさこいソーランサムライの模擬授業
- /
- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
- /
- TOSS体育ニュース (第117回)
- 10月号
- /
- 授業の腕を上げる体育クリニック (第7回)
- 新教材Gボールの使い方
- /
特集の解説 子どもの動きを変える“スパッと個別評定”
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
耳の聞こえない生徒を指導している黒木真有美氏から、運動会指導の報告があった。生徒がダンスの練習を始め、パソコンの映像を見て、一斉に踊り出した。そして、速くて細かい動きを、見事に模倣したそうである。
歌詞は聞き取れなくても、なんとなく音がとれる生徒、全く聞こえない生徒もいる中で、動きを大雑把に模倣できたのである。リズムも合っていた。
黒木氏は、「目で合わせているのだ」と報告している。体育指導では黒木氏のような鋭い観察が必要である。評価観点が明確になれば、動きを変えることができる。
評価をどのようにしたらよいのであろうか。本特集では、教師の行動観察、子どものノート分析、自己評価、相互評価などが紹介されている。
一 教師の行動観察
教師はいつも子どもを観察している。子どもの観察によって評価し、子どもを理解して、指導の手立てを考えていくのである。
そのためには、どんな視点で観察したらよいのかの観点を決めておかないとできない。体育の関心・意欲・態度の観察の視点は次のようである。
@ 欲求充足 顔の表情、声
A 意欲 運動への取り組み
B 役割分担 係の仕事
C 教え合い 友だちとの関わり
D 順法性 きまりやマナー
これは、技能の評価でも同じである。技の出来栄えを教師が的確に評価していくことが技の伸びにつながる。
二 子どものノート分析
おとなしい子ども、積極的に行動や友だちと関われない子どもの評価はノート指導で評価を行い、理解を図っていく。
私は体育ノートを使用し、体育の授業の終わった後に書かせた。ただ書かせても評価できないので、あらかじめ書く観点を示しておいた。
観点としては、一番書きたいこと、印象に残っていることを書かせた。例えば、「発見したことを書きなさい」とか、技能では「今日の学習で一番伸びたところを書きなさい」などの項目を示し書かせた。
教師は体育ノートを分析、評価する中で、子どもの内面を理解し、授業に役立てていくことができる。
三 自己評価
評価でやりやすいのは、自己評価である。観点項目、観点内容がはっきりしていれば、子どもは自己評価できる。
評価で大切なのは、自己理解である。自分で気が付いて、自己の動きを修正しフィードバックしていくことが大きなねらいである。
そのために、自己評価カードを作り評価をさせていく。自己評価の基準としては、◎、〇、△の3段階で評価していく。段階が多いと評価が面倒になるので、なるべく簡単に評価できるようにする。単元を通して評価していく中で、自分の落ちているところが分かる。
四 相互評価
相互評価は、自分では気が付かないところを相互に評価していく。自己評価は、主観的な見方をするのであまく評価しがちである。
ところが相互評価は相手の関心・意欲・態度、技能、思考・判断力を評価するので、自己評価とは異なる。
評価の観点が明確でないと評価できないことである。相互評価は、相手を評価するので基準を明確にしておく。具体的な姿を作って評価していく中で、評価された相手も納得する。相互評価は、グループの中で行っていく。
@ ペアを決める。
A 観点を押さえる。
B 学習の終わりにペアで評価する。
C グループの評価カードに記入する。
本特集では、以上のような評価観点の明確化で動きが変わる実践が紹介されている。
-
- 明治図書