楽しい体育の授業 2012年11月号
二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程

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楽しい体育の授業 2012年11月号二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2012年10月9日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程
特集の解説
二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程
根本 正雄
二重跳びへの道筋
前跳びが1回できる基本の指導
連続でリズムよく跳べるようになるための優れた教具は、トランポリンだった
加賀谷 晃子
かけ足跳びから前跳びへ
チェックを小刻みに入れて、練習量を確保する
布村 岳志
フープ跳びなわ
跳躍と回旋のタイミングをつかませるフープ跳びなわ
石坂 陽
あや跳びが1回できる指導
毎時間、なわ跳びを続けることでできるようになる
今井 豊
交差跳びが1回できる指導
交差跳びは向山式なわとび級表とフラフープで
柴ア 昌紀
二重跳びが1回できる指導
上達するシステムをつくる
新村 勲
向山式二重跳びリレー
やる気と上達がすごい向山式二重跳びリレー
辻岡 義介
ジャンピングボードを使った指導
ジャンピングボードで、成功体験を味わわせる
松島 博昭
連続跳び100回への道筋
長なわが1回跳べる指導
走り抜けから、長なわが1回跳べる指導
佐藤 直子
全員が連続して跳べる指導
実態に応じて、いろいろな方法を使い分ける
村田 正樹
足運びのリズムを身に付けさせる指導
教師が回し、教師が背中を押す
谷岡 眞史
長なわの回し手の指導
「回し手」の自己有用感を高める〜達成の瞬間の表情が指標となる〜
中川 貴如
長なわ50回跳びが成功するステップ
「六つの声かけ」と「三つの指導」
南 達也
長なわ100回跳びが成功する場づくり
場づくりで長なわの技能を体得させる
篠崎 弘敬
長なわ100回跳び成功のステップ
運動技能の獲得と学級経営の成否が試される
桑原 和彦
なわ跳び集会の企画と演出
なわ跳び集会でブームを起こす企画と演出
表 克昌
ミニ特集 11月・すぐに授業ができる!今月の単元計画
<低学年・幅跳び遊び>いろいろな方向に跳ぶ遊びを入れながら基礎感覚づくりをし、根本式立ち幅跳び指導で基礎技能を身に付けさせる
原田 朋哉
<中学年・幅跳び>ゆったりと跳ぶ感覚を体感させる
前島 康志
<高学年・走り幅跳び>走り幅跳びの重点指導ポイントを1カ所にしぼり、教えて、やらせて、そして個別評定で鍛える
平山 勇輔
ライブで体感!TOSS体育講座
根本正雄氏が選ぶ第一席授業者が集結!全国のプロ体育教師の技に参加者が魅せられる!!
本宮 淳平
〜TOSS体育全国セミナーin東京A〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
特別支援の子にも有効な「フープ跳びなわ」
黒瀧 耕治
マンガで見る楽しい体育指導 (第152回)
TOSS体育直伝マンガ(1年生23人、全員泳げた!)
石橋 健一郎
スポーツ選手にインタビュー/子どもたちへのメッセージ (第5回)
ヨーガとは、いのちの力に気がつくこと
根本 正雄
〜ヨーガ・インストラクター:伊藤 華野氏〜
いくつ知っていますか?遊具を使った運動遊び (第8回)
鬼遊び
大中 州明
10分で分かる体育指導のコツ (第8回)
大なわ指導に初挑戦!
阪下 誠
すぐ役立つ体育授業のマネージメント (第8回)
無理なく走り続けよう!
脇坂 浩之
〜ペースを保つ持久走〜
若手教員必見!教材・教具のユースウェア (第8回)
子どもがどんどん上達する向山式なわとび指導
川口 達実
このルールで全員が得点! ボールゲーム (第8回)
並びっこキックベースボールで全員得点を達成する
山本 東矢
組体操 成功への道のり (第8回)
4人技・5人技・6人技
上川 晃
〜人数の多い技・指導のポイント〜
参観日オススメ授業アラカルト (第8回)
保護者参加型の体ほぐしは人数をだんだん増やして盛り上げる
東郷 晃
子どもが運動好きになるニュースポーツ (第8回)
サーブとレシーブ!で仲間づくり
大谷 智士
〜『キンボール』〜
最新情報を取り入れた保健の授業 (第8回)
学校で教える携帯電話の使い方
越智 敏洋
ライフスキルと健康教育 (第128回)
失敗学とそのスキル
武田 敏
特別支援の体育指導、この手立てでできた! (第8回)
遊具「鉄棒」を使った体育実践
野ア 隆
〜特別支援学級での取り組み〜
体育的行事の運営計画はこうやる (第8回)
何のためにするのかを伝える
岩田 史朗
実録「根本ワクワク体操教室」 (第8回)
指導法を共有化することで、誰でもポイントを押さえた指導ができる
柏木 麻理子
TOSS体育ときめき情報 (第20回)
「逆上がり」挑戦の第一歩
TOSS体育中央事務局
〜「村田斎体育クリニック」から〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
低学年/なわ跳び
中田 昭大
〜まえ跳び・うしろ跳びをマスターしよう〜
中学年/なわ跳び
木下 輔
〜連続二重跳びへの道〜
高学年/なわ跳び
末宗 昭信
〜意欲を持って取り組む「二重跳び挑戦カード」〜
授業の腕を高める論文審査 (第247回)
研究論文の体をなしていない
向山 洋一
体育科における学力保障 (第116回)
7ワードステップの模擬授業
根本 正雄
〜島田猛氏の指導〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第130回)
11月号
TOSS体育中央事務局
授業の腕を上げる体育クリニック (第20回)
体育授業シーンで考える「授業の原則十か条」・その6
TOSS体育中央事務局

特集の解説 二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程

TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄


 なわ跳びは、各種運動の基礎となる動きづくりのできる種目である。跳感覚、リズム感覚、平衡感覚、回旋感覚を育てることができる。

 短なわで一番達成感があるのは、二重跳びができたときである。短なわ跳びの上達を実感できるからである。

 長なわ跳びを集団で、連続跳び100回続けることは難しい。1人で跳ぶのではなく、仲間がいるからである。

 友だちと協力して100回できたとき、1人では得られない達成感がある。

 本特集では、全員が達成できる二重跳び、そして長なわ100回への道筋が紹介されている。

 第20回日本体育教育技術学会in東京で、加賀谷晃子氏は「支援学級の子が、前跳び100回跳べるようになるまで」という研究報告をされた。

 2年間継続して指導し、その記録が子どもの変容として、分かりやすく提案されている。

 なわ跳びのできない子どもにとって、トランポリンが効果的であることを実証されている。加賀谷氏は次のステップで指導された。

1 トランポリンを同じリズムで跳ぶ。

2 トランポリンの上でフラフープをなわの代わりにして跳ぶ。1回旋2跳躍で跳ぶ。

3 同右。1回旋1跳躍で跳ぶ。

4 床の上で、フラフープをなわの代わりにして跳ぶ。

  1回旋2跳躍。

5 同右。1回旋1跳躍で跳ぶ。

6 跳びなわで1回旋2跳躍をする。

7 跳びなわで1回旋1跳躍をする。

8 毎日曲が流れている間、4分間なわ跳びをする。

9 週に1回なわ跳びをする。

 以上のステップを2年間かけて積み重ねた。そして前跳び連続100回が跳べるようなったと報告されている。

 富山県の南達也氏は、長なわ実践「六つの声かけ」として、次の報告をされている。

 「現勤務校では、2分間のクラス対抗長なわ大会が2月にある。大会に向け、どのクラスも練習を重ねる。我がクラスは、優勝を目指し、次の『六つの声かけ』を大切にした。

1 引っかかったら「ドンマイ!」と言う。

2 間があいてきたら「もっと詰めて!」と言う。

3 動線がくずれてきたら「まっすぐに並んで!」と言う。

4 出口にたまってきたら「すぐに抜けて!」と言う。

5 ハイハイの声が途切れたら「声出して!」と言う。

6 ふざける子がいたら「集中して!」と言う。

 みんなで声かけをするから、まとまりができ、回数が増えていった。

 しかし、この六つを徹底させることは難しかった。はじめは、声かけをする子が多かったが、教師が何もしなければ声かけはだんだんと減っていった。

 そこで、次の三つを徹底した。

@ ほめる

A 先頭集団を作る

B 教師があきらめない

 長なわを初めて行った頃は、1分間で60回程度であったが、最終的には1分間で98回までに上達した」

 南氏の実践で優れているのは、六つの声かけである。具体的な指導をされている。絶えず子どもを励まし、全員の力で目標を達成しようとしている。

 長なわは学級集団のまとまりをつくるためにも効果的である。クラス全員の子どもの気持ちと動きが一つとなって、連続100回が達成できるからである。

 連続100回を達成したときに、子どもの中に学級としての連帯感が生まれる。帰属意識が育つ。達成感を共有することができる。友だちを大切に思う気持ちが起こる。一つのことを全員で成し遂げることで得られる喜びである。

 本特集では、長なわ跳び100回への道筋が具体的な実践を通して紹介されている。ご活用いただき、子どもの力を伸ばしてほしい。

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