- 特集 二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程
- 特集の解説
- 二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程
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- 二重跳びへの道筋
- 前跳びが1回できる基本の指導
- 連続でリズムよく跳べるようになるための優れた教具は、トランポリンだった
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- かけ足跳びから前跳びへ
- チェックを小刻みに入れて、練習量を確保する
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- フープ跳びなわ
- 跳躍と回旋のタイミングをつかませるフープ跳びなわ
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- あや跳びが1回できる指導
- 毎時間、なわ跳びを続けることでできるようになる
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- 交差跳びが1回できる指導
- 交差跳びは向山式なわとび級表とフラフープで
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- 二重跳びが1回できる指導
- 上達するシステムをつくる
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- 向山式二重跳びリレー
- やる気と上達がすごい向山式二重跳びリレー
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- ジャンピングボードを使った指導
- ジャンピングボードで、成功体験を味わわせる
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- 連続跳び100回への道筋
- 長なわが1回跳べる指導
- 走り抜けから、長なわが1回跳べる指導
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- 全員が連続して跳べる指導
- 実態に応じて、いろいろな方法を使い分ける
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- 足運びのリズムを身に付けさせる指導
- 教師が回し、教師が背中を押す
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- 長なわの回し手の指導
- 「回し手」の自己有用感を高める〜達成の瞬間の表情が指標となる〜
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- 長なわ50回跳びが成功するステップ
- 「六つの声かけ」と「三つの指導」
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- 長なわ100回跳びが成功する場づくり
- 場づくりで長なわの技能を体得させる
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- 長なわ100回跳び成功のステップ
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特集の解説 二重跳び&長なわ100回―全員達成への道程
TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄
なわ跳びは、各種運動の基礎となる動きづくりのできる種目である。跳感覚、リズム感覚、平衡感覚、回旋感覚を育てることができる。
短なわで一番達成感があるのは、二重跳びができたときである。短なわ跳びの上達を実感できるからである。
長なわ跳びを集団で、連続跳び100回続けることは難しい。1人で跳ぶのではなく、仲間がいるからである。
友だちと協力して100回できたとき、1人では得られない達成感がある。
本特集では、全員が達成できる二重跳び、そして長なわ100回への道筋が紹介されている。
第20回日本体育教育技術学会in東京で、加賀谷晃子氏は「支援学級の子が、前跳び100回跳べるようになるまで」という研究報告をされた。
2年間継続して指導し、その記録が子どもの変容として、分かりやすく提案されている。
なわ跳びのできない子どもにとって、トランポリンが効果的であることを実証されている。加賀谷氏は次のステップで指導された。
1 トランポリンを同じリズムで跳ぶ。
2 トランポリンの上でフラフープをなわの代わりにして跳ぶ。1回旋2跳躍で跳ぶ。
3 同右。1回旋1跳躍で跳ぶ。
4 床の上で、フラフープをなわの代わりにして跳ぶ。
1回旋2跳躍。
5 同右。1回旋1跳躍で跳ぶ。
6 跳びなわで1回旋2跳躍をする。
7 跳びなわで1回旋1跳躍をする。
8 毎日曲が流れている間、4分間なわ跳びをする。
9 週に1回なわ跳びをする。
以上のステップを2年間かけて積み重ねた。そして前跳び連続100回が跳べるようなったと報告されている。
富山県の南達也氏は、長なわ実践「六つの声かけ」として、次の報告をされている。
「現勤務校では、2分間のクラス対抗長なわ大会が2月にある。大会に向け、どのクラスも練習を重ねる。我がクラスは、優勝を目指し、次の『六つの声かけ』を大切にした。
1 引っかかったら「ドンマイ!」と言う。
2 間があいてきたら「もっと詰めて!」と言う。
3 動線がくずれてきたら「まっすぐに並んで!」と言う。
4 出口にたまってきたら「すぐに抜けて!」と言う。
5 ハイハイの声が途切れたら「声出して!」と言う。
6 ふざける子がいたら「集中して!」と言う。
みんなで声かけをするから、まとまりができ、回数が増えていった。
しかし、この六つを徹底させることは難しかった。はじめは、声かけをする子が多かったが、教師が何もしなければ声かけはだんだんと減っていった。
そこで、次の三つを徹底した。
@ ほめる
A 先頭集団を作る
B 教師があきらめない
長なわを初めて行った頃は、1分間で60回程度であったが、最終的には1分間で98回までに上達した」
南氏の実践で優れているのは、六つの声かけである。具体的な指導をされている。絶えず子どもを励まし、全員の力で目標を達成しようとしている。
長なわは学級集団のまとまりをつくるためにも効果的である。クラス全員の子どもの気持ちと動きが一つとなって、連続100回が達成できるからである。
連続100回を達成したときに、子どもの中に学級としての連帯感が生まれる。帰属意識が育つ。達成感を共有することができる。友だちを大切に思う気持ちが起こる。一つのことを全員で成し遂げることで得られる喜びである。
本特集では、長なわ跳び100回への道筋が具体的な実践を通して紹介されている。ご活用いただき、子どもの力を伸ばしてほしい。
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- 明治図書