- 特集 子どもはなぜ荒れるのか―思春期の子どもたち
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今月のメッセージ
職場におけるリーダーシップとフォローアーシップ
全生研常任委員 花山 尚人
前の職場で共に実践したある養護教諭の先生の話である。
不登校の男子生徒へのアプローチのひとつとして、保健室登校を試みることになった。
若い男性学級担任教師は、とてもていねいに生徒へかかわっていたが、授業コマも多くひとりではむろん対応しきれない。職場の中には、「どの先生も授業が多く、始めたとしてもいずれやりきれなくなるので無理をしてやることはないのではないか」との意見もあった。
そこで、養護の先生は、自らがコーディネイト役となり、保健室での活動にとりくみ始めた。当時、教務主任をしていた自分には、学習担当が依頼された。授業のないときは、できるだけ保健室に通い、数学の学習を少しずつ積み重ねた。その成果を綴る特製ファイルが彼女によって作製され、男子生徒は嬉しそうに、学習を進めることができた。スクールカウンセラーが来校する日には、教育相談が設置された。お手伝い的な作業を学年の先生と行うことも出てきた。学年の各先生がたは、少しずつの協力をみんなでしてくれた。
やがて、彼は、教室には戻れないものの、同じクラスにいたある男子生徒の誘いもあって、所属する文化部の放課後の活動に参加できるようになる。校長先生たちが主催した休日の親子木工教室にも部活の友達と参加する。
これら実践のコアには、養護教諭の先生がいた。
「先生との学習を楽しみにしているようですよ。ありがとうございました」
わたしへ向けてあったのと同様のアプローチを、彼を囲んでくれる多くの大人や子どもに対して続けておられた。
「ありがとうございました」と言われると、
「とんでもない。たいしたこともしていないのに。先生こそ、本当にありがとう」と思う。
そして、続く会話は、彼についての前向きな話へと進んでいく。
いまでは、彼女に続いて、他にも若い教師たちが、同じようなアプローチをいろいろな場面でしあっていると聞いている。
こんにち、全国どこの学校、職場も多忙化がすすみ、子どもを真ん中にした話が出にくい状況がある。出たにしても、否定的な話になることが多い。
本来、教育という営みは、医療や福祉がそうであるように、共同的な営みである。しかし、施策側は、教育の場を市場ととらえているから、教師はバラバラになりがちであるが、一方で、多くの教師たちは、「何か、おかしい」と感じ始めている。おかしなことが伝達・指導されようが、真理は動かないものなのだ。
「星を望みて、地を歩む」
わたしたちが、日常、何気なくしている行為は、共同づくりへと連なっていることに自信をもっていきたいと思う。
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