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今月のメッセージ
学校・学級を変える
常任委員 小室 貴
さまざまな出会いがあり、また出会いなおしが今年もあることでしょう。
子どもと親の変わりようが激しいので、なかなか、子どもや親の願いがどこにあるのかつかめず、親とトラブルになったり、子どもの指導拒否にあったりして、教師という仕事に自信をもてなくさせられることが多くなったように思えます。
去年の、中2の私の学級にM子がいました。今まで、出会ったことのないというぐらい、つかめませんでした。
M子は中1の時は、きれることで学年一の有名人でした。私はM子の学級を授業で担当していましたが、目立つことをすることもなかったので、特に困ったこともありませんでしたが、担任の先生は、指折り数えて、1年がすぎることをひたすら待っていたということを聞いていました。
中1の6月に変身し、学級の子たちは、M子が突然きれだすので、恐がり、何も言えずにいたということを聞きました。M子も好き勝手にやっていた1年だったようでした。
私の学級になり、聞いてみました。「今度の学級はどう」
「テンションあうやついなそうで、やっていけなさそう」とM子は沈んでいました。
この後、M子が引き起こす、さまざまな事件に、私も翻弄される日が続きました。まわりの教師からは、「きれると目がすわって、大人でも怖いですよ。大変な生徒ですね」と同情される毎日。とんでもない生徒というまわりからの視線が強まるなかで、担任としての私の役割を自問自答する日が続きました。
事件を起こすたびに、経過や起こしたわけよりも、「そのときの思いはどんなだったの」と聴くことにしました。
「いじめようなんて思ってなかったの、これ本当。ただおもしろいと思ってやってしまった」
「だって、おもしろいことが他にないんだもの」
「気分でやってしまうの、別にイライラしてたとかいうのでもないし、おもしろいと思ったら、ほうきに火をつけていたの、マジックで壁に卑猥なことを落書きしてたの」
母子家庭で、夜遅くまで仕事をしている母親に代わって、妹のために朝食を毎日作ってやるM子、好きな合唱やダンスでは、他の女子がまねできないぐらいの才能を発揮するM子、他の教科は世の中に出ても、役に立たないよと言って、絵や詩を書いているM子、いやなことは何と言われても、絶対にやろうとしないM子。
M子の思いがつかめないでいました。わからないので、やたらとM子に話しかけることもひかえ、距離をとりながら、なるべく冷静に観察することにつとめました。
I子やT子が、M子に関心を持ち始め、「みんなが思っているほど怖くないよ」といい始めた時期から、M子の読み開きを班長会で重点的にやりだしました。M子はどこまでも、みはなさない友達や大人を求めて、荒れていたのかも知れません。
M子は休まず、登校して来ます。何かを求めているから学校に来ると思うと、M子のような切実に課題を抱えた子こそ、生きられる学校や学級を子どもたちや親や職場の仲間と共同して創り出していくことが今ほど、強く求められている時はないと思えます。
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