- 特集 格差・貧困とむきあう〜子ども集団づくりの新たな課題〜
- 特集のことば
- 格差・貧困とむきあう〜子ども集団づくりの新たな課題〜
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- 小学校/ネットワークづくりに向けて
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- 中学校/子どもや親の生活を「肌で感じる」ことから始まる
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- 中学校/ホームレス問題を学ぶ
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- 分析論文
- 学校で貧困と闘う―新自由主義による貧困の拡大再生産の反転―
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- 第2特集 保護者の声を学校づくりへ
- 実践報告・小学校
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- 親子討論会の取り組み
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- 実践報告・中学校
- 保護者とともに学校づくりの再生を
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- コメント
- スタートは「保護者の声を聞く」ところから
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- 今月のメッセージ
- 民主的学校づくりの展望
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- 私の授業づくり (第3回)
- 小学校/つながる授業をめざして
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- 中学校〈社会科〉/卒業期にこそ、討論の授業を!
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- 実践の広場
- 子ども文化の世界
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- 貧困・格差と子どもたち
- 格差社会の中で生きる子どもたち
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- 学年・学校行事
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- 部活動・クラブの指導の工夫
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- 職員室の対話
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- 手をつなぐ―親と教師
- 困ったときこそ、つながって
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- 私が教師を続けるわけ
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- 〜三十年続いたサークル活動の秘密〜
- 読者の声
- 4月号を読んで
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今月のメッセージ
民主的学校づくりの展望
山形県生研 植松 保信
いま格差・貧困が大きな社会問題になっています。このようなとき、わたしたちは戦前の生活綴方の思想に学ぶ必要があると思います。戦前の生活綴方教育運動は、人々が生きている生活現実を教育の根幹に据えました。綴方教師たちは、天皇制国家イデオロギーの注入と強化の場であった当時の学校にあって、子どもたちが赤裸々に綴る過酷な生活現実に依拠した教育を通して、貧困と抑圧を押し付ける社会の矛盾を鋭く認識させていきます。そうするなかで、自分たちを苦しめている社会現実を変革していくための糧となる「生活知性」と「生活意欲」とを育てようとしました。これらの教師は、実生活、実社会と隔絶していた学校教育を批判し、いまある生活の向上と人間的な生き方への展望を拓く教育を追究したのです。いま、わたしたちはこの生活綴方の思想に学び、生活をめぐる現実を批判的に認識、意識化すると同時に、そこに内在する諸問題への取り組みを通して、より価値のある生活を創り出す教育をしていく必要があるのではないでしょうか。
そのためにも、子ども、父母、教職員でつくる学校を追求します。子どもたちの「人格の完成をめざし、平和で民主的な国家及び社会の形成者」を育てるという教育の目的に基づいて、学校づくりをすすめていきます。迷ったり悩んだときは、必ずこの原点に立ち返って考えます。
まず、民主的な教職員集団づくりです。愚痴も言えるし、ヘルプも言える、何でも話し合える教職員集団になるよう努力します。一番弱い立場にいる人の立場に立って発言します。権利などは毅然とした態度で要求します。しかし、後にはひきずりません。しだいに子どものことや教育の中身について話し合えるようにします。職員会議を学習の場にしていきます。いま子ども観の転換こそが必要です。例えば、「子どもは失敗するのが当たり前、その失敗から何を学ばせるのか」、「禁止禁止では何も育たない。子ども自ら判断できる力をどう育てるのか」、「『困った子』は『困っている子』なのだ」等々。そうして、権力から自立した教育専門家の集団としての教職員集団の形成をします。このとき大事にしたいことは、校長も含めた教職員の協同をつくり出すことです。
つぎに、民主的な子ども集団づくりです。子ども一人ひとりに「ものごとを自ら判断できる力を育てる」ことと、「みんなで決めて、みんなで守る」ことを基本に指導します。第一に、リーダーづくりです。周りに影響力のある、この子はと思う子どもに個別に語りこみます。「こんな学級にしたい」「こんな学校にしたい」と夢を語り合います。こうして、公的なリーダーに引き出します。「選ぶ」「選ばれる」ことを通して、リーダーシップとフォロアーシップを指導します。第二に、仲間つくりです。班や小グループの指導をします。居場所としての第一次集団的性格と、学級の基礎的集団としての性格の二つの側面を指導します。第三に、対話・討論・討議の指導です。個別の対話や小集団での対話、事件の背景を読み解く話し合い、授業での対話・討論、価値論争をする討論、みんなで話し合って決定する討議(総会)の指導をします。そして、子ども自ら生活規律をつくる自主管理の指導をします。
最後に、民主的な父母集団づくりへの援助です。学級の父母同士のつながりをつくるところから出発します。例えば、回覧ノートや茶話会、子育てを語る会、懇親会などをやってみます。そして、学級PTA、学年PTA、親PTAのそれぞれが自立したものになるようすすめます。
そのうえで、子ども、父母、教職員でつくる三者協議会などを組織し、地域と共に歩む民主的学校づくりを模索しようではありませんか。
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