- 特集 移行期・新国語科の重点指導―伝え合う表現スキルと理解スキルの学習づくり
- 特集について
- 提言・伝え合う表現スキルと理解スキルの育成課題
- 「言語活動の充実」に必要な「言語技術」とは何か―「記録・要約・説明・論述」等を中心に―
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- 目的に応じた対話と討論のスキル学習を創出しよう
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- 「私的話法」から「公的話法」へ―その峻別の徹底―
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- 「関係付ける」力を鍛錬する教室を!
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- スキルで「適切に表現する」を育てる
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- 小学校の実践授業の展開
- 低学年/「伝え合うスキル」を育てるために
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- 低学年/学び合う楽しさを感受する読むことの学習―スキルを大切に、理解を表現につないでいく学習を通して―
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- 低学年/聴いて考えてつなぐ学習
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- 中学年/表現スキルで言語活動の充実を図る
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- 中学年/三つの比べ読みで読み深まりを目指すスキル学習―「一つの花」(東京書籍四年上)―
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- 中学年/段落スキルを高める学習づくり
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- 高学年/筆者や友達と対話しながら読み深める
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- 高学年/伝えたい、この人の生き方を
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- 高学年/子どもの気付きから始まるスキル学習の取り組み
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- 中学校の実践授業の展開
- 一学年/新学習指導要領を見据えた指導の工夫―基礎的・基本的な知識・技能の整理と活用を意識して―
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- 一学年/共に考える対話スキル
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- 二学年/伝えあう表現スキルを発見する授業
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- 二学年/「課題設定」と「振り返り」で場面に即したスキルの習得をうながす
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- 二学年/小説の理解と新しい言語活動
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- 三学年/言語活動に必然性をもたせる―「場」を生み出し「思い」を耕す―
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- 言語力を育てる板書のヒント (第5回)
- 三部構成で書くための指導と板書の工夫
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- 知識・技能の「習得」「活用」の関連指導 (第5回)
- 言語活動の重視と授業プラン
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- 〜児童の身になって実践授業をする〜
- 論理的思考を鍛え、表現力・記述力を高める言語活動の改善 (第5回)
- 論理的な文章を作成するためのミッシーチェック
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- 全員参加の学習コミュニケーションの設定と指導 (第5回)
- 言葉を紡いで、新たなものを創り出す
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- 伝統的言語文化の学習を通して人間・社会・自然などについての考えを深める (第5回)
- 言語文化と向き合う
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- 表現スキルと理解スキルの関連で言語力向上 (第5回)
- 「活用型統合発信スキル」獲得の指導法開発
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- 学習思考力を引き出し高める指導力の強化 (第5回)
- 思考力をはぐくむ「読むこと」の授業改革
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- 編集後記
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- 今月取り上げた教材
移行期・新国語科の重点指導 伝え合う表現スキルと理解スキルの学習づくり
国語科の目標は次のように、二つの部分から構成されている。
前段は「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに」、後段は、「思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」である(小学校)。中学校は、前段が小学校と全く同じで、後段を、「思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし、国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。」としている。
これら目標の前段と後段を結合させているのは、「伝え合う力を高めるとともに」の提示である。現行から引き継がれたこの提示は、今回改訂の最重点である「言語活動の充実を図る」ことを導くこととなる重要な文脈上のレトリックとして、効果を高めていると言えるだろう。
「伝え合う力を高める」とは、「人間と人間との関係の中で、互いの立場や考えを尊重し、言語を通して適切に表現したり正確に理解したりする力を高める」ことである。また「言語活動の充実」に関しては、総則第4の2(1)に「各教科等の指導に当たっては、児童(生徒)の思考力、判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図る上で必要な言語環境を整え、児童(生徒)の言語活動を充実すること。」と示されている。
言語活動においては、学習課題や目的によって、知識・思考・感想・調査・原因・理由・比較・解釈・批判等、多岐的な表現スキルや理解スキルが育てられていなければ言語活動の効果が満たされない。このように考え、本特集では「スキル」を取り上げた。
伝え合う言語技能(スキル)の向上を図り、言語活動を活用した新しい授業の開発を具現化していきたい。
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- 明治図書