- 特集 言葉の力をつける個別学習・グループ学習・一斉学習
- 特集について
- 提言 言葉の力をつける個別学習・グループ学習・一斉学習
- 学習目標を達成するために学習形態の適切な選択を
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- 国語科授業が成立するために―独自学習から相互学習へ―
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- 言葉の力をつけ、思考力・判断力・表現力を育成するために
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- 一斉学習が最も効率的―それが、時代を超えた原理だ―
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- もう一度、原点に立ち戻って
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- 先生がお手本(モデル)です―授業ルーチン形成と双方向コミュニケーション技術の育成―
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- 機能と方法を明確化した交流の学習を
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- 小学校・実践授業の展開
- 低学年/学習形態のよさを生かす
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- 低学年/考えを深めるためのグループ学習―お話作り(二年)の実践を通して―
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- 低学年/相手を意識した説明力をつける―二年「おもちゃまつりへようこそ」の実践―
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- 中学年/ねらいとやり方を明らかにして話し合う
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- 中学年/シンキングツールを使った話合い活動
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- 中学年/「読みの交流」によって豊かな言語感覚を育てる
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- 高学年/日常的に「言葉の力」が育まれる「学習ステップ」を構築する
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- 高学年/目的を明確にし、方法を指導する
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- 高学年/集団作文で探究する姿勢をつくる
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- 中学校・実践授業の展開
- 1学年/思考力を高めるグループ学習
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- 1学年/「説明する」ことを核にしたグループ学習
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- 2学年/相手意識をもって書いたり話したりするために!
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- 2学年/作者の考え方等に思いを馳せる古典の指導―グループ・一斉での話合いを通して―
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- 3学年/言葉の力をつける修学旅行での全体合唱曲「万葉歌碑のうた」の読解
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- 3学年/多くの視点から思考を深めるグループ学習
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- 言語力を育てる教室環境のヒント (第10回)
- 教室環境
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- 〜黒板と廊下と、時々めくる〜
- 書評
- 『飛田多喜雄先生に学ぶ』飛田多喜雄先生記念論文集編集委員会編
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- 『論理的な記述力を伸ばす授業づくり―言語活動のための授業メニュー15―』松野孝雄著
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- 全国研究会時報
- 京都府
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- 〜言語技術教育学会〜
- 世界の言語活動の工夫と実践への提言 (第4回)
- オーストラリア
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- 〜多角的要素の関連を図示する活動デザイン〜
- 論理的な学習課題を追究する「読解表現力」の解明 (第4回)
- 楽しく学び合う言語活動の充実
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- 〜知識・技能の活用で習得を促進する〜
- 続国語科授業改革論―戦後国語教育史から学ぶもの― (第10回)
- 言語形式と内容の一体的な授業の創出を
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- 〜言語技術教育の提唱から二〇年〜
- 新指導要録で国語科授業を変える (第4回)
- 「B 書くこと」の評価規準の具体化
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- 思考力・判断力・表現力を育成する指導技術―子どもが考えを広げ深める楽しい授業アイデア― (第4回)
- 物語を書こうA(二年生)
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- 編集後記
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- 今月取り上げた教材
- 10/11月号
特集 言葉の力をつける個別学習・グループ学習・一斉学習
『学習指導要領解説国語編』には、自分の考えをまとめ、小集団から学級全体へと話合いを広げるといった、多様な場の設定が示されています。
たとえば、第1学年及び第2学年「A話すこと・聞くこと」(2)内容@指導事項では、
・話すために必要な事柄を思い出してノートやカードに書き出す
・ペアから小グループ、学級全体へと広げていく
など、低学年であっても、自分の考えを持ち、さまざまなグループの中で意見を述べ合い、話合いを進めていくことが求められているのです。
しかし実際には、「一人学びをしましょう」「グループで相談してみましょう」「みんなで話し合いましょう」と指示して人数構成を変えても、話している内容はどれも変わらない、という場面をしばしば見かけます。何を目指してグループで話し合うのか、一斉に学習する目的は何か等を明確にしないまま、単に自信を持たせるための練習や確認の場になっている場合も少なくありません。
そのようにならないためには、グループ活動や学級全体の話合いに向け、教師が具体的イメージを持ち、育成する言葉の力や、育てようとする思考力・判断力・表現力を意識することが必要です。
たとえば、自分の意見を思いつくだけ付箋に書き、その付箋をグループ内で比較・分類してまとまりごとに小見出しをつけ、学級全体でそれを発表し合いながら共通点・相違点を整理していく、といった活動が考えられます。比較・分類のときには、「Aは○○だけど、Bは△△だね」とか「これとこれは同じグループだと考えられるね。その訳は〜」と言いながら話合いをする、というように、到達すべき姿を考えます。そうすることにより、目指す言葉の力や思考する姿が明確になり、何をどのように話し合うのかが児童生徒にも理解できるのです。
『学習指導要領解説国語編』にも、「個人やグループの意見の共通点や相違点を整理し」「原因や理由を付け加えて」「比較、対照し」「関連のあることをまとめたり、分類したり」等、考えるための手立てが数多く示されています。それらの手立てから、育成すべき「言葉の力」にさかのぼることもできるでしょう。さらに、実際の話合いや思考を記録することも重要です。児童生徒のありのままの言葉の中に、思わぬ成長や思考の妙が現れることに驚きます。
本号では、「言葉の力をつける個別学習・グループ学習・一斉学習」というテーマに対する提言や実践を集めました。
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- 明治図書