- 特集 メディア・リテラシー◇「21世紀の学力」を育てよう
- 学校にとってメディア・リテラシー教育とは何か
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- メディア・リテラシーの取り組みをめぐる最近の動向
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- 「メディア・リテラシー」を子どもたちの手に
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- メディアにこだわってみよう
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- 高校における総合的な学習としての「メディア・リテラシー」教材づくり
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- 学校図書館とメディア・リテラシー
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- インターネットで実現する参加型学習―バリアフリー社会をめざして
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- エピグラフ
- 二つの公共性
- 〜栗原彬、小森陽一、佐藤学、吉見俊哉著『内破する知 身体・言葉・権力を編みなおす』(東京大学出版会、2000年)70〜71頁〜
- 座標
- 国連人権小委員会の「職業と世系に基づく差別に関する決議」の意義と課題
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- 「未来のための教育」を構想する (第20回)
- これからの日本の人権政策の方向をめぐる論議に参加を
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- 〈世界〉を読む・〈世界〉を感じる―異文化の風に乗って (第3回)
- におい
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- 記者OBの視点
- 女性の二一世紀を先取りしたシドニー五輪
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- 戦後子ども会―覚えがき (第8回)
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- 書評
- 『現代中国と教師教育―日中比較教育研究序説』(黒沢惟昭・張梅著)
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- 〜国の違いをこえて、教員意識の改革と課題克服を示した本〜
- 子どもたちにラブレターを書こう〜「小1プロブレム」をともに越えるために (第4回)
- 子どもは子どもの中で育ちあう
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- 図書紹介
- 『学校づくりと人権総合学習』(長尾彰夫著)
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- 追悼 玉本格先生
- 最後の「綴方教師」
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- 解放教育おりおりの断章 (第6回)
- 埼玉県同教の結成にかかわって
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- 職業及び世系に基づく差別に関する資料
- 【資料】教育改革国民会議中間報告
- 編集後記
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編集後記
▽子どもの成長にとって、高度経済成長以降、家庭・地域・学校の変貌による影響はいうまでもないが、情報環境の激変こそもっとも深刻な影響をもたらしている。マス・メディアの放出する膨大な映像や音響による疑似体験や代理体験にさらされ、既成の独断や偏見に満ちた情報にも左右されやすくなっている。さらには、個メディア(携帯電話・ビデオなど)の爆発的な普及とともに、メディアを仲立ちとする人間関係が広がる反面、希薄化を招きやすい。「つかず、離れず、侵されず」といわれ、群れても連帯しない最近の子どもや若者の傾向は、そうした影響の結果のようにみえる。こうした状況から脱出するには、自分自身のものの見方や感じ方、考え方や行動のし方を対象化し、検証する学びが必要となる。とりわけ、グローバル化した情報化社会のなかで、人間らしく生きていくうえで、メディア・リテラシーが不可欠なものとなっている。メディアを主体的・批判的な認識や自己表現とコミュニケーションの営みを支えるように活用する能力を育てることは、情報格差の拡大に歯止めをかけ、社会の民主的な発展(メディア・デモクラシー)を促進することにつながるのではないか。本特集では、メディア・リテラシーのとらえ方や学校教育現場での学び方、教え方についての理論的・実践的展開や学習権のパラダイム転換とメディア社会の担い手を育てる方向を追求した。特集にあたって、執筆者でもある森田英嗣先生には一方ならぬお世話になった。
▽本号に全文掲載した森首相の私的諮問機関である教育改革国民会議の中間報告には、奉仕活動の義務づけやプロフェッショナル・スクールの設置、私立学校の設置条件の緩和、コミュニティ・スクールへの提言などなし崩しに実現されそうな重要な内容が含まれており、教育基本法問題とともに、早急な対応を迫られている。なお、その他の資料の掲載にあたって、人権フォーラム21の前川実さんのご協力を得た。
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- 明治図書