- 特集 メディア教育と教材開発
- 情報とメディアに関わる教育を読み解くために
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- メディア教育の動向と課題
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- 教員へのメディア教育―求められているモノはなにか? Intel Teach to the Futureの紹介
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- メディア・リテラシーを育てよう!―一枚の写真から見えてくるもの
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- 作ってわかったメディアの特質
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- コミュニケーションをつくる―足原小を十倍楽しくする方法
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- メディアのわなを打ち破れ―CMチェックからCM作りに取り組んで
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- 情報のあいまいさに気づく
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- メディアを通して自分を読み解く
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- 学校図書館の発見―学校図書館というメディアの可能性
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- 追悼・小沢有作先生
- 人間から学ぶ―小沢教育学の世界
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- 人間の解放と連帯の視点
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- 小沢有作さんを悼む―生き方が学問の方向を定める
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- 「小沢さんが…? まさか!」
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- 満身創痍で道を拓いた先生へ
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- エピグラフ
- 先住民族の権利回復の視点
- 〜上村英明著『先住民族の「近代史」』(平凡社、二〇〇一年)一一〜一二頁〜
- 座標
- 帝国主義的国民国家論の克服を
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- 〈世界〉を読む・〈世界〉を感じる―異文化の風に乗って (第11回)
- 老いる
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- 第53回全国人権・同和教育研究大会開催要項
- 調査に見る 素顔のいまどき高校生 (第5回)
- 学校でがんばる子・意欲のある子はどこに
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- 【資料】「伏見区小学校事件に関する専門家会議」報告書
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- 編集後記
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編集後記
▽我々は、民主主義を機軸に据えた社会に生きている。したがって、そうした社会の形成者としての力を子どもが獲得できるように学校教育がデザインされる必要がある。「市民」とは、社会の批判的構成者であり、社会づくりに参画する力と意欲をもつ人である。このことは情報やメディアの教育を構想するとき、真っ先に確認しなければならない原則である。しかしながら、他の教育領域と同様に、情報やメディアの教育の構想の中には、この原則が反映されていないものが少なくない。その典型は、産業社会への適応者、「人的資源」を育てようとするので、高度情報通信社会に順応させ、その中で倫理的な行動をとるようにしつけるだけの教育になっている。情報は、「民主主義の通貨」(ラルフ・ネイダー)であり、メディアはそれを媒介する基本技術である。我々はメディアが媒介する情報なくして社会を認識することはできないし、メディアを用いてコミュニケーションを創出することではじめて社会づくりに参画できるのである。本特集は、上述の原則を貫徹する視点から、情報やメディアにかかわる教育を構築するために組まれた。新しいメディア教育の創造を目指して取り組んでいる教育実践を紹介し、問題提起としたい。なお、本特集の企画は、森田英嗣先生に担当していただいた。
▽先月号で、大阪教育大附属池田小学校事件に関する大阪府教委の関係文書の掲載にあたり、総務企画課・島善信参事のご協力を得た。また、本号に収録した「伏見区小学校事件に関する専門家会議」報告書の転載は、京都市教委生徒指導課・酒井伸二課長のご快諾により実現した。深謝の意を表したい。開かれた学校づくりのための危機管理・危機対応のあり方が問われており、教育現場での資料の活用を切望する。
▽去る八月一二日に急逝された故小沢有作先生の追悼文を急遽お願いした執筆者の皆さんには、そのご厚志に感謝申し上げる。
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- 明治図書