- 特集 表現世界を拓く◇指導のし方・しかけ方
- 「国際こども平和壁画」と子どもの社会参加
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- 子どもと自然
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- 子どもの詩の現在
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- 緊張! 楽しかった! またやってみたい!―音楽劇「三年とうげ」にとりくんで
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- 集団の力を生かして―共同製作「実物大ゲルニカ」群読「黒い雨」
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- 気持ちを表明することの大切さを願って
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- 歌いつがれる自由への思い
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- 演劇交流会の豊かな発展を
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- ながいきしてよかった―天王寺夜中30周年の取り組み
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- エピグラフ
- インセンティブ・ディバイドと教育改革
- ~苅谷剛彦著『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社、二〇〇一年)二二〇頁~
- 座標
- 日本は歴史のとらえ直しをしたのか?
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- 熱中フォーラムでつながる大阪の子どもたち
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- 調査に見る 素顔のいまどき高校生 (第4回)
- 男子には期待を、女子には幸せを
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- 「自己発見工房」―細うで奮せん記 (第3回)
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- 〈世界〉を読む・〈世界〉を感じる―異文化の風に乗って (第10回)
- 色
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- 授業づくり実践工房 (第13回)
- ゆったり構えることは難しい(西川雅美)
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- 大阪教育大学附属池田小学校事件関連資料
- 学校における児童生徒等の安全を確保するために
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- 障害のある児童生徒等に対する人権上の配慮について(通知)
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- 「こども110番の家」運動について
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- 編集後記
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編集後記
▽表現活動は、本来人間の生のエネルギーそのものの表出に根差した行為である。例えば、子どもの遊びは、典型的な表現活動である。人間は、感受性や好奇心を原動力として、自己実現の喜びを味わい、自らが生きていることを確かめながら暮らしているのである。ところで、子どもの現実はどうか。深まる「学校化社会」の中で、子どもたちは、時間も空間も管理され、過剰適応を強いられている。心身の疲労の果てに無気力に陥り、無表情な顔つきを見せる状況も少なくない。孤立しがちな子どもには、携帯電話などのメディアは、ネットワークの機会を与え間接的なコミニュケーションの場を手軽に提供する。だが、メディアの使われ方が、気晴らしや孤立不安の解消にとどまる場合がほとんどであろう。意味のある使い方には、人に発信すべきものを持っているかどうかが問われている。あらためて、育ち盛りの子どもたちにふさわしい、生きている喜びを実感できる表現活動を、学校内外に仕掛け、とりわけ、世界の「共通言語」である芸術文化を愉しむことができる「文化としての耳や目や口」を育てる美的表現の教育を展開したいものである。
本特集は、人間的な感受性と表現力を育て、精神的なゆとりの豊かさと個のアイデンティティ確立を追求する視点と実践的取り組みに焦点をあててみた。特集にあたって、大同教の新保真紀子事務局長、大阪市同教の西口清事務局長、大阪府外教の伏見泰寛事務局長のご協力を得た。また、附属池田小事件に関する大阪府教委の資料では、島善信参事のご尽力を得た。
▽北京でのオリンピック開催を決定したIOCの選択に、吉本興業常務の木村政雄氏は、世界的な意味があり、アジアの北京開催を喜ぶべきである。大阪市の招致活動はコンセプトの弱さに敗因があり、東京に追随した次男坊的発想では説得力がない。都市のアイデンティティを問い直し、独自の文化を発展させてきた開放型システムに変えることが課題だと提言する。
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- 明治図書