- 特集 21世紀を拓く学力保障のストラテジー 生きる力となる学ぶ力を
- 学力の構造とカリキュラムづくり―「学力低下」批判を手がかりに
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- 大自然にまなぼう―21世紀を生きる子どもたちに
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- どんでんかっか21―盆踊りは地域を語る
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- 「朝の読書」やらんよりやった方がええ
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- 開かれた教室が生み出す“学び”
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- AO入試という試み
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- 日米比較教育研究からみた「学力低下」問題―アメリカの算数論争とカリキュラム改革との比較から
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- 【資料】確かな学力の向上のための2002アピール「学びのすすめ」
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- エピグラフ
- 「沖縄学」の方法
- 〜外間守善著『沖縄学への道』(岩波現代文庫、二〇〇二年)三二六〜三二七頁〜
- 座標
- 人権擁護法案の根本的な問題点
- 自由時間と野外教育の創造 (第1回)
- 日本の野外教育は、いま
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- 調査に見る 素顔のいまどき高校生 (第12回)
- 部落生徒の進路にたちはだかるもの
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- 図書紹介
- 『私を創ったもの』(土田光子著)
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- 〜「教育」の棚より「人生」の棚に並べよう〜
- 高校から総合学習を創る (第1回)
- 未知との遭遇
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- 〜出会い(エンカウンター)との出会い〜
- 「自己発見工房」―細うで奮せん記 (第9回)
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- 「いま」をつづる子どもたち (第3回)
- 見つめる(その1)
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- 共生のトポス (第3回)
- 今、生きるための文字とことばを問う
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- 図書紹介
- 『「色覚異常」を正しく理解するために(増補改訂版)』(大分県同和教育研究協議会編)
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- 〜あなたは「色覚異常」についてご存知ですか?〜
- 【資料】人権擁護法案に対する見解
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- 【資料】大阪府における今後の同和行政のあり方について(答申) (第2回)
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- 編集後記
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編集後記
▽教育現場は今、新学習指導要領の実施で大わらわ。文部科学省は、学校五日制の完全実施と総合的な学習の時間の導入を目玉とする「新しい学力観」に基づく「ゆとりと充実」を標榜する教育改革を唱道してきた。ところが、出口の見えない深刻な経済不況の中で、大学生の「学力低下」問題が教育亡国論としてジャーナリズムを席巻し、その原因が文科省の「ゆとり教育」に求められ、マスメディアも公立学校への不振をあおる論調へ変質した。文科省は、その圧力に動揺し責任をうやむやなまま、去る一月一七日にアピール「学びのすすめ」を出し、宿題や放課後の補習を充実する方向に転換。三月一六日には土曜日の補習も容認する方針まで打ち出した。指導要領は最低基準であると認め、「ゆとり教育」を半ば放棄し、新自由主義に沿って、教育の私事性を基調とする規制緩和を推進し、公教育のスリム化路線に傾斜した。解放教育は、一貫して学習権を具体化する学力保障を教育目標に掲げ、生きる力と学ぶ力の統合のあり方に焦点を据えて実践と研究を展開してきた。今後、この新しい局面にたって、世紀の日本と世界の変化を見据えた学力観を確立し、学校が中心となって保障すべき学力の内容と水準を定義づけ、その学力形成に資する教科教育と総合学習の教材開発とカリキュラムづくり、授業づくりに取り組んでいく必要がある。すでに、学習環境を整備し、学校外諸活動と連携し、地域社会の支持と合意を形成するような地域教育コミュニティづくりとしてすすめられている。本特集では、「解放の学力」の観点に立って、生きることを励まし、学ぶことの意味と楽しさを味わえる、人権としての学力形成のあり方に焦点を当て、その視点と実践的取り組みをご提起いただいた。
▽本号から大平滋さんの短期連載、平野智之さんの新連載が始まった。なお、編集にあたり、大人教の新保真紀子事務局長、前府立同研の林伸一さん、ヒューライツ大阪の前川実さんのご協力を得た。
(桂)
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- 明治図書