- 特集 ジェンダーの視点がなぜ必要か
- 特集の趣旨
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- 虐待・暴力とジェンダー―子育て支援の現場から
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- 子どもの遊びとジェンダー―テレビメディアの影響から
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- 男性にとってのジェンダーフリー―運動音痴の男の子の視点から
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- スクールセクハラと男女共生教育―カウンセリングの現場から感じること
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- セクシュアリティの多様性―性的マイノリティの立場から
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- アンペイド・ワークとジェンダー―「市民」教育の必要性
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- 高校生の「就職難」と均等待遇
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- 複合差別の観点から
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- エピグラフ
- 祖国の命運分かちもつ自立した意志
- 〜金時鐘「人は拉われ、心は奪われ」、『論座』(朝日新聞社、二〇〇二年一二月号)一七二〜一七三頁〜
- 座標
- 権力の「常套手段」に途を開く教育基本法「見直し」論
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- 共生のトポス (第10回)
- 外国人の子どもの不就学
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- 「いま」をつづる子どもたち (第10回)
- 泣く
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- 追悼・中村拡三先生をおくる (第3回)
- 遺筆 ひとりごと―病室にて
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- 『にんげん』に託されたもの
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- 中村さんに話したかったこと
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- 「解放教育運動の息吹と魂」ありがとうございます
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- 高校から総合学習を創る (第8回)
- 企画はDESIGN!
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- 〜コンペスタイルの発表大会@〜
- 「自己発見工房」―細うで奮せん記 (第14回)
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- 創作 人権教育教材シリーズ「人権のポエム・暮らしのメロディ」 (第5回)
- 小学校中学年・差別
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- 〜こうもり山〜
- 【資料】新同和行政推進施策基本方針(素案)
- 部落解放同盟中央本部新同和行政推進施策作業部会中間報告より
- 【資料】同和問題の早期解決に向けて(通知)
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- 編集後記
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編集後記
▽特集・ジェンダーの企画は、新たな厳しい情勢の中で、本研究所所員でもある木村涼子さん(大阪女子大学)に再び担当していただいた。また、資料の掲載にあたり、部落解放・人権研究所の中村清二氏のご協力を得た。心より感謝の念を表したい。
▽去る一一月一四日、中教審の中間報告が公表された。国の公的審議会としては初めて、教育基本法の改正を求める方向を打ち出した。「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人を育成する観点」が現行法には不十分であると断じて見直しを行うという。「家庭の教育力の回復」「『公共』に関する国民共通の規範の再構築」「日本人のアイデンティティ(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)の視点、国際性の視点」などを新たな教育目標に加えている。これらは、小渕首相の私的諮問機関として始まった教育改革国民会議での「初めに改正ありき」とする政治的に偏った結論を今回の中教審でも確認したに過ぎないような内容である。一五日付けの毎日新聞の社説が指摘したように、「この現状認識は教育改革の必要性に結びつくにしても、基本法改正の理由にはならない」という批評が妥当であろう。基本法改正のねらいは憲法改正と連動しており、深刻な教育問題を逆手にとって、その原因を全て基本法の所為にするという無責任極まる政治のことよせの論理が透けて見える。
▽故中村拡三先生の追悼企画では、辻玄子さんの一方ならないご尽力をいただいた。なお、追悼企画は、次号以降も続行する予定である。
▽本新年号の編集は、一〇月から一一月に行っており、新春の気分にはほど遠い。しかも、世相は、漂流する政治と不況下の経済のもとで不透明であり、歴史の分水嶺を歩いている感がある。〈扉の言葉〉で紹介した金時鐘氏の「日本人の品性、品格が問われている」という言説に、われわれは応えられるのだろうか。いったい、「日本人」とは何者か。
(桂)
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- 明治図書