- 特集 歴史の分水嶺に立ち、状況を拓く―教育創造の理論と実践
- 日本語教室から多文化共生のまちづくりへ
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- 学力観と学力形成の条件
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- 子どもの生活意識の変化を読む
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- ポートフォリオ評価の理論と実践―総合的学習の場合
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- キーワードは〈共に考える面白さ〉―インクルージョンをめざす教育
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- 「疎外と教育」の再審への前梯的課題―安田忠郎氏の「書評」(『教育哲学研究』第八六号)をうけて
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- 遺稿 日本国憲法をめぐる諸問題―論議の焦点は何か
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- 「解説」にかえて
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- エピグラフ
- 条理の側に立つ勇気とは
- 〜寺島実郎著『歴史を深く吸い込み、未来を想う―一九〇〇年への旅 アメリカの世紀、アジアの自粛』(新潮社、二〇〇二年)二七四〜二七五頁〜
- 座標
- 国連リテラシーの一〇年
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- 〜二〇〇七年識字・日本語学習支援法制定をめざして〜
- 図書紹介
- 『WITH―その3―』(大阪市人権・同和教育研究協議会編)
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- 〜じわぁっと底力がわいてくる本〜
- 高校から総合学習を創る (第10回)
- 二一世紀のミッション
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- 〜学びはどこへ向かうか〜
- 共生のトポス (第12回)
- 多様性(Diversity)再考
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- 創作 人権教育教材シリーズ「人権のポエム・暮らしのメロディ」 (第7回)
- 小学校高学年・くらし
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- 〜千太と民夫〜
- 「自己発見工房」―細うで奮せん記 (第15回)
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- 「いま」をつづる子どもたち (第12回)
- 悩む
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- 解放教育・バックナンバー
- 412号〜423号・二〇〇二年四月〜二〇〇三年三月号
- 編集後記
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編集後記
▽グローバル化時代に突入し、国内では、外務省をはじめとする政治・行政・司法の腐敗が露見し、経済はデフレ傾向を強め、金融不安も深まり、企業倒産と失業者・自殺者の増大による社会不安が高まり、先行き不透明な閉塞状態に陥っている。対外的には、冷戦終結後のアメリカ・ブッシュ政権のユニラテラリズム(一国主義)の新世界戦略に巻き込まれるかどうかの瀬戸際に、われわれは立っている。そうした危機的状況に乗じて、教育改革も新自由主義による規制緩和と市場原理の導入、自己責任の強調、多様化と特色化、愛国心・伝統・文化の尊重を基調とする教育基本法の見直し、奉仕活動の義務化など、新国家主義の方向へ傾斜している。敗戦後、五〇余年が過ぎ、戦争を全く知らない若い世代が国民の多数を占め、憲法体制を支えてきた戦争体験と歴史認識が希薄化する中で、従来の平和と人権の学習のあり方を革新していくことが求められている。憲法・教育基本法を生かすためにも、国際人権諸条約の学習と平和・人権・環境の今日的課題とを結合して実践展開することが喫緊の課題となっている。とりわけ、アジア・太平洋地域の人びととの連帯を深め、日本人の戦争・戦後責任を自らの手で明らかにし、歴史認識の共有化を図り、平和的共生を促進する教育交流のネットワークづくりが、国際貢献の観点からも求められている。そこで、本特集では、人権教育をめぐる各領野において直面している問題状況に焦点を当て、克服すべき課題や展望、実践的展開のあり方について、自由に問題提起をいただいた。
▽長期にわたる健筆でご好評をいただいた平野智之さん、増田俊昭さんの実践記録の連載が、本号をもって終了することになった。そのご労苦に敬意を表し、心から感謝を申し上げると共に、再度のご登場を期待したい。なお、平野さんの連載の一部は、昨年八月『るるくで行こう!』(学事出版)として発刊された。ぜひ、ご一読願いたい。
(桂)
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- 明治図書