解放教育 2004年4月号
学級という居場所を―グローバル化時代の育ち合い

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解放教育 2004年4月号学級という居場所を―グローバル化時代の育ち合い

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ジャンル:
人権教育
刊行:
2004年3月11日
対象:
小・中
仕様:
A5判 132頁
状態:
絶版
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目次

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特集 学級という居場所を グローバル化時代の育ち合い
学級づくりを共に愉しむ―その可能性と方法
園田 雅春
「先生、わたしな、つらいことあるんじゃ」
藤木 純子
書き留める
三木 晶子
心の通い合うクラスをめざして―子どもたち一人ひとりを知ることからの出発
鈴木 しのぶ
共に育ち合う仲間づくりをめざして―「北中宣言」そして「夜間中学との出会い」
榎本 恵子
輝くクラスをめざして―一緒に、みんなが、気持ちよく過ごせる学校にしようやあ
我孫子中学校
学級通信がつなぐ子どもたち―みんなで綴って、みんなで紡いで
辻野 進一朗
短歌で詠み継ぐ 定時制高校の青春
南 悟
子どものつぶやき―学びと発見
エピグラフ
「世間」の行動三原則
~阿部謹也著『日本人の歴史意識―「世間」という視覚から』(岩波新書、二〇〇四年)七頁~
座標
部落解放運動と教育
~部落解放同盟二〇〇四年度一般運動方針(第一次草案)より~
つづり方便り―森の学校・発 (第12回)
書けない子どもが書く過程(その一断面)
坂田 次男
共生のトポス (第25回)
コミュニティの再生とソーシャル・キャピタルという考え方
榎井 縁
倫敦学力事情―大阪訪英団が見たイギリス教育改革 (第2回)
黄昏からの脱却
志水 宏吉
~イギリス教育改革の十五年~
のぐっつぁんのモノローグ (第13回)
いよいよ小学生でも落第?
野口 克海
出会いと気づきで子どもが生きる―一般校での人権教育をどう展開するか (第3回)
西中人権フェスタ
矢野 洋
英国・リーズ便り (第1回)
転校事情
村上 登司文
【資料】部落解放同盟二〇〇四年度一般運動方針(第一次草案)
編集後記

編集後記

▽学級を基礎単位とする日本の近代学校は、とりわけ九〇年代以降、経済の情報化・ボーダレス化に伴って、産業構造が激変し、家庭の子育て力は弱体化し、地域社会の解体によって、社会規範がゆるみ、総じて学校教育の基盤が大きく揺らぎ、教育力がそがれている。近年、「学級崩壊」に象徴されるような、学級担任の指導が入らず、授業が成立しないアノミー状況や、家庭での学習時間の大幅な減少と「学力低下」傾向、いじめや非行、不登校なども、ポスト工業化・グローバル化時代の生育環境の変化とそれに伴う子どもの変容に、従来の子育てと一斉授業や学級王国型の学級経営では対応できなくなっていることの証左ではないか。さまざまな生育史や境遇の子どもたちが出会う学級を、一人ひとりの子どもにとって、学ぶことの楽しさと意味がわかり、生きることを支え励まし合う場として、再生することが求められている。学校・学年集団づくりの一環としての学級づくりは、自分らしさを発見し、共通教養と人間関係のあり方を学び合い、自己実現することを実感できる居場所づくりである。豊かな居場所づくりは、人権教育にとって不可欠の土台づくりである。本特集は、消費文化やメディア文化に囲まれて育つ子どもたちの生活世界を見つめ、学級づくりではどのような視点と方法・手だてと家庭・地域との協働で取り組むべきかについて、実践的に考察してみた。なお、編集にあたり、大人教の新保真紀子さん、大阪市人教の上嶋一宏さん、石川寿光さん、部落解放・人権研究所の中村清二さんのご協力を得た。

▽昨秋一一月より、文科省在外研究員として英国に留学中の村上登司文さん(京都教育大)から、滞在記の第一報が寄せられた。その都度、小誌に紹介する予定である。

▽本研究所理事の池田寛先生(大阪大学)は、かねてより入院加療中のところ、二月六日早朝、高槻日赤病院にて、病床での壮絶な研究活動のさなか、心不全のため逝去された。享年五四歳。合掌。

(桂)

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