- 特集 キャリア教育と進路保障◇自律心を育て、自立をめざす
- 人権の視点をふまえたキャリア教育の推進を
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- 働く、働かない、働けない―若者の就業状況と今後の職業教育
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- トライやる・ウィークの原点
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- 進路追指導と学校づくり
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- 職場体験学習で何を学ぶか―ドイツとアメリカの事例から
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- 働くことにこだわって―「労働教育」プロジェクトの取り組み
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- このままではアカン、がんばらな!―総合的な学習を通して育った子どもたち
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- 教師として子どもや保護者に今何ができるのか
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- 自分さがしと進路指導のコラボレーション
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- 【資料】若者自立・挑戦プラン
- エピグラフ
- 戦後民主主義はメッキだった?
- ~高橋哲哉著『反・哲学入門』(白澤社、二〇〇四年)二一五~二一六頁~
- 座標
- 関西水俣病訴訟が拓いたもの
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- つづり方便り―森の学校・発 (第22回)
- 子どものたちの今
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- のぐっつぁんのモノローグ (第23回)
- 「学校を開く」とは「教職員の心を開く」こと
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- 文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」への疑問
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- 共生のトポス (第35回)
- 世界がメディアを見つめる日
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- こころの風向計 (第7回)
- 「駱駝」
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- じんぞう (第1回)
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- 編集後記
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編集後記
▽去る九月一〇日に発表された厚生労働省の『労働経済白書(平成一六年版)』に「若年無業者」という用語が登場し、「求職活動をしていない非労働人口のうち、一五~三四歳で、学校卒業後、進学などせず、結婚もしていない人」を指す。イギリスでは、雇用されず、教育や職業訓練を受けない若者のことを「ニート(NEET)」と呼ぶ。失業率にも反映されず、学ぶ希望や働く意欲を喪失した若者を意味している。若年無業者の実態を初めて集計し、〇三年は、年平均で前年度より四万人多い五二万人に。一方、アルバイトやパートで生活するフリーターは、前年度比八万人増の二一七万人にのぼる。ニートは、生活費を稼がないので、生活が苦しく、親と同居し、最終学歴が中卒または高校中退が特に多い。フリーターにすらなれず、諦めが常態化した感がある。出口の見えない、日本型雇用システムの空洞化には、文科省も、学校教育と職業生活との接続を改善する具体策として、キャリア教育の重視を打ち出している。一人ひとりのアイデンティティ・労働観・職業観と進路選択能力の育成を小学校段階から発達課題に応じて支援する必要があり、実施に当たっては家庭・地域・職場・ハローワークなどと連携し、体験的な学習活動を重視し、学校の教育課題に位置づけて計画的に行うことが要請されている。キャリア形成の大切な時機を逸することのないよう、進路保障教育にもキャリア教育の視点を強化する必要がある。本特集では、社会的に不利な境遇にあるマイノリティの子どもたちの進路選択をめぐる厳しい現状と課題を明らかにし、生き方や学び方、働き方を選択する能力を育てるキャリア教育のカリキュラム化と進路保障の新たな取り組みに焦点を当てて企画した。
▽法切れ後の厳しい情勢下で、全国から二万二〇〇〇人余を集め、第五六回全同教大会が大阪で開催された。特別分科会には、文科省から人権教育の報告もあり、同省との連携が進展したことを歓迎したい。
(桂)
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