- 特集 現代的部落問題学習の視点と教材
- 部落問題学習の課題
- すべての学校で部落問題学習を
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- 部落史学習の新構想 「福岡発!今Dokiの部落史学習」
- 私、社会科苦手だったけど、歴史はおもしろい!!
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- 部落問題学習をすすめるために
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- わたしたちの提案する部落問題学習の実践
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- 行動につながる人権学習づくり
- 教材と学習プログラム
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- 資料編
- 人権学習シリーズ『結婚?幸せ』より
- つながりの輪「あなたに伝えたいこと」
- 人権学習シリーズ『暮らす』より
- 避ける―「住む」を避ける差別
- 人権学習の領域と内容から学習を構想する
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- グラビアと解説
- The people clouds
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- だまってられへん (第19回)
- 「今どき差別する人はカッコ悪いで」といった世論づくりを
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- 共生のトポス (第55回)
- メディア・リテラシーを拓いた人
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- 〜追悼:鈴木みどりさん〜
- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第18回)
- ジェンダーと生物学
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- 生かされて―ヒロシマから未来へ (第7回)
- 中学教師となって
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- 君は君の人生をうたえ―若い教職員からのメッセージ (第6回)
- おんなじきもちでつながっている
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- ふくおか発 今Doki子どもたち (第16回)
- 「その時言えなくてゴメンナサイ」
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- 〜一通の手紙が思い出させてくれたこと〜
- 元気のもとはつながる仲間 (第19回)
- 渋染一揆一五〇年に
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- 〜熱い思いと社会を見抜く力〜
- 倫敦マイノリティ事情 (第7回)
- マイノリティの子どもへの英語習得支援
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- 〜イングランドとスコットランドの学校から〜
- 編集後記
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編集後記
▼部落問題にブレーキがかかっている。地対財特法失効の影響は予想よりも大きく、部落問題学習も無縁ではなかった。私の勤める大学の授業でたとえば西光万吉という名前を知っているか質問すると、二〇〇人ほどの学生のうち「名前を知っている」のはわずかに五人程度。名前だけを尋ねてもこれぐらいにとどまる。歴史や現実を踏まえて行動力を育むような学習が行われなくなってきているのではないか。
▼一方で、部落問題の研究は進んでいる。歴史についても現状についても、各地で調査結果などを参考にしつつ教材づくりが進められている。今こそ、部落問題学習の視点を整理し直し、一人ひとりに響く学習を広く展開するチャンスでもあるということだ。実際、各地の人権教育研究団体では部落問題学習に関わる教材集が創られ、その実践が積み重ねられている。それらの教材集では、部落問題の歴史や実態に関する現代的なとらえ方をベースに、確かな視点を持った教材が創られており、実際にそれらが活用されるにいたっている。いま求められているのは、教材づくりと教育実践がサイクルとなった組織運動を展開する経営論だろう。本号では、その手がかりとなる教材を各地から寄せ手いただいた。部落問題学習へのきっかけとなることを期待したい。忙しい中お引き受けいただいた各地の皆さんにお礼申し上げる。
▼小泉首相が八月一五日に靖国神社を参拝した。〈いつ行ってもいっしょだから〉〈なぜ中韓の言うとおりにしなければならないのか〉〈不愉快だから首脳会談に応じないと中韓が言うのはわがままだ〉といったアジは腹立たしかった。情けなかったのは、小泉首相のアジに明解に反論する論理をTVなどで聞けなかったことだ。この三〇年ほど、反人権派が〈ヨコ並び締め出し社会〉から〈タテ並び暴力社会〉を創り出している。両方とも、特権を裏に持った社会であることに変わりはない。イデオロギー闘争に負け続けていると思えて悔しいことこの上ない。市民調査などをふまえ、試行錯誤を重ね、感性にも響くわかりやすい論理に立った戦略的運動を創り出すべきだ。
(森)
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