- 特集 「ひと」とつながり、地域から学ぶ実践を!―にんげんセミナー2007 講演記録
- 《全体会》
- 北の大地で学んだこと―自由の大地アイヌモシリに生きてきた人々
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- 《分科会A》「おかあさんのおなか」
- 相談活動から聞こえてくる子どもの声、親の声
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- 《分科会B》「みんなの町」
- みんなの町のねがい―地域をみつめなおそう
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- 《分科会C》「わたしのせいじゃない」
- なんでもないあたりまえの日常のなかにこそ本当にたいせつにしなければならないことがある―スウェーデンの絵本シリーズ「あなたへ」の思想と構造
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- 《分科会D》「人がつながる町」
- まちづくりから「ゆめと希望」のもてる暮らしづくりへ
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- 《分科会E》「夕やけがうつくしい」
- 『ミナの笑顔』とアジアの識字
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- 《分科会F》「自由の大地アイヌモシリに生きてきた人々」
- 大阪で学ぶアイヌ文化・歴史―「ヌヤン ヌカラン ピラサレヤン」
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- グラビアと解説
- The Crisis of Tropical Rain Forest
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- おもちゃばこ (第10回)
- “おもい”をことばにすることがすき!
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- 往復書簡 子どもと学級と人権文化◆WEST&EAST (第10回)
- 体験から感じたこと
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- 元気のもとはつながる仲間 (第34回)
- 金●九さんの八〇歳に乾杯!
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- 〜私の人生の目標として〜
- 新!子どもがつづる
- アフガンの子どもたち (第10回)
- 教育啓発
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- 共生のトポス (第70回)
- 韓国の移住外国人問題
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- 〜日韓シンポジウムへ参加して〜
- 出会いは教師のビタミン剤 (第10回)
- 三七人の文化祭
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- 担任・教室の悩み快消◆難デモ相談室 (第10回)
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第33回)
- 「クィア」について
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- まいにち? マイニチ!
- 学校が元気になるちょんせいこのファシリテーションDiary (第9回)
- 子どもの力を信じて引き出すために
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- 〜私のファシリテーター度チェック〜
- 元気の出る学校! (第9回)
- 子どもが育つ学校
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- 〜野市中学校〜
- 編集後記
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編集後記
▼二〇〇七年度のにんげんセミナーは、七月三一日に多くの人たちの参加で開催されました。さまざまな方の支えで実りある集会となったことに感謝します。
▼さて、このにんげんセミナーでは竹内渉さんに全体講演をお願いしました。アイヌ民族への差別という問題は、日本の教育にとって不可欠であるにもかかわらず、人権教育運動がこれまでじゅうぶん取り組めてこなかった課題の一つです。アイヌ民族の人たちが主として北海道に住むと考えられてきたため、あたかもそれ以外の地域では大きな課題になり得ないかのような錯覚があります。これは何重もの意味で間違いだと感じています。
▼まず、竹内さんのお話にもあるとおり、
アイヌ民族への差別は和人がしてきたものであり、北海道の和人はすべての都府県から北海道に渡りアイヌ民族に助けられながら過ごしてきた人たちです。ではどのような人たちがどのような事情で北海道に渡ったのでしょうか。この点を改めて探求する活動が期待されます。
▼同時に、アイヌ民族は、北海道だけではなく日本全国に住んでいます。私自身が北海道で話をうかがった範囲でも、数多くのアイヌ民族の人たちが仕事を求めて、生きる場を求めて、関東はもちろん、関西や四国・九州まで生活の場を展開しています。
では、その人たちはそれぞれの地域でどのように過ごしており、どのように存在感をもっているでしょう。もしも、そこに暮らしていながらアイヌ民族としてカミングアウトしていないとすれば、それは何によるのでしょう。アイヌ民族に係わる教育実践はさまざまな観点で全国で求められています。そして、竹内さんの生い立ちや経歴自体がその接点をさし示してくれています。
▼この間、各地で同和教育・人権教育に組織的に取り組もうとしている人たちの話に触れています。厳しい状況がありつつも、
決して悲観はしていない、しぶとく未来を見据えている姿に接することができて先が楽しみです。本誌が、厳しいなかで取り組んでいる姿や声を交流できる場でありたいものだと感じています。
(森)
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