- 特集 インクルーシブ教育のいま
- 特別支援教育の現状と課題
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- 特別支援教育を超えて
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- 障害者の権利条約とインクルーシブ教育
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- 多様性を尊重する「力のある学校」〜ちがいを豊かさに共に生きる居場所の学校をめざして
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- 特別支援教育の視点を取り入れた授業づくり・集団づくり
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- 障害児の高校進学状況はいま
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- NEW BORN (第8回)
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- 共生のトポス (第80回)
- 外国人の先生
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- 【コラム】ノリきれない国際公務員のつぶやき (第8回)
- だれが援助をするのか?
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- ぼくとわたしの学年日記 (第8回)
- 脈々と受け継がれているもの
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- 〜涼也・祖母・おこまのおばちゃん〜
- 小西先生の『学級革命』を読む (第8回)
- 教師の強みは「実践的裏付け」を持つこと
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- 編集部の本棚
- 学校が元気になるちょんせいこのファシリテーションDiary (第19回)
- 現場のリアルな課題を解決する研修(1)
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- 第60回全国人権・同和教育研究大会 開催要項
- 担任・教室の悩み快消◆難デモ相談室 (第20回)
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第43回)
- ポルノとフェミニズム(5)
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- 北のおるた〜北海道からの便り〜 (第3回)
- ウコ・チャランケ
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- 〜もっと、もっと、話し合おう!〜
- まいにち? マイニチ!
- 元気のもとはつながる仲間 (第44回)
- 曇った硝子を晴らすためには
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- 〜第二九回全外教兵庫大会〜
- おもちゃばこ (第20回)
- 誰のどんな気持ちも大切に思うと話し合うのがうれしくなるね(1)
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- 編集後記
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編集後記
▽インクルージョン、インクルーシブ・エデュケーションという考え方を提起した、サマランカ宣言の基盤には一九九〇年タイのジョムティエンで決議された「万人のための教育世界宣言」がある。すべての子ども、青年、成人は、その学習ニーズに最も適切に且つ十分に合致した教育からの利益を享受する権利を持ち、知識を得、行動を起こすための学習、そして共に生きるための学習だけでなく、学ぶという行為自体、すなわち、個々人の才能並びに可能性を見出し、個性の開花を促進し、個々の生活を改善し、社会を変革することを可能にすることをさすという。特集を通し、この根幹に戻って日本の学校を見つめ直す機会を得た。
▽四〇年間全国を行脚しながら夜間中学廃止反対・創設運動に奔走してきた野雅夫さんがひょっこりと顔を見せ、日本の夜中運動からは引退したと笑った。大阪PT案の来年からの夜間中学への就学援助や給食補助の廃止について訊くと、「そんなことで潰れる夜中だったら潰されればいい」ときっぱりいわれた。夜間中学は、空気(文字とコトバ)を奪われた人間の尊厳を奪い返す闘いなのだ―その姿勢は初めて彼に会った国際識字年折りしも一九九〇年からまったく変らない。人間を排除(エクスクルージョン)する学校をたくさんつくってきた日本社会を再度考えさせられた。
(縁)
▼特別支援教育導入の際、その対象になる子どもの比率として六・七%という数字がよく出された。フィンランドでは二割の子どもが特別支援教育の対象とされている。彼の国では、同じLDという略称でも、ラーニングディフィカルティという概念が用いられている。ラーニングディフィカルティでは原因に関わりなく学力不振状態にある子どもすべてが対象だ。他の子どもの関わり方も重視される。特別支援教育といってもいろいろな方向があるのだと感じた。
▼《僻地》の、ある小学校におじゃましている。大学の学生たちが遠隔地実習でお世話になるので、ご挨拶に来ている。学校に託してきた地域の思いをひしひしと感じる。地域の子どもたちを育てようとする学校の努力も重ねられている。そんな中で経済的困難などにより学校制度が若者を都市へ送り出してしまう面もある。その極にあるのが大学なのだろう。今回の実習がそれを越えていく何かにつながればと思う。
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- 明治図書