- 特集 「表現力」を高める算数授業のアイデア
- 「表現力」を高める算数授業のアイデア
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- 総論
- 「表現」を一層主体的・意図的に!!
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- 「表現力」の育成を図る授業場面とは
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- つぶやきは表現の原点
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- 学年別実践事例
- 1年/素直な言葉を、光る言葉に
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- 2年/子どもの発想から
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- 3年/「なぜ」「どうして」を伝え合う場をつくる
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- 4年/180°より大きい角を、豊かに表現する姿を求めて
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- 5年/数直線に表すと、こんなに便利!
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- 6年/豊かな図形の見方のための表現力
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- 算数Short Story (第88回)
- 色塗り遊び
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- 自著を語る
- 『苦手意識をスッキリ解消! 算数文章題の教え方42』
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- 授業力アップ! 今月の授業とつまずき指導
- 【1年】あわせていくつ ふえるといくつ
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- 〜たし算の式で表そう〜
- 【2年】1000までの数
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- 〜目もりの大きさに目をつけて〜
- 【3年】かさ
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- 〜1dlより少ない水のかさを調べよう〜
- 【4年】直線の交わり方を調べよう
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- 〜垂直や平行には、印をつけよう〜
- 【5年】小数÷整数
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- 〜(整数)÷(整数)の計算のしかたを考えよう〜
- 【6年】単位量あたりの大きさ
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- 〜言葉の式で式の意味を確認しよう!〜
- 算数が好きになる問題
- 1年/あまのがわで ひきざん げえむ
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- 2年/ちがう なかまは どれだろう?
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- 3年/きみはやりくりじょうず!?
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- 4年/どのグラフがどの表かな?
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- 5年/○と●をならべよう
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- 6年/こみこみゲームをしよう!
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- 算数授業奮闘記 (第86回)
- 手づくり問題でどの子も活躍
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- 算数教育ホットニュース (第88回)
- 考える力を育てるための活動の実践
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- 学力テスト予想問題にチャレンジ! (第16回)
- よりよい判断のための算数
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- 早わかり! 算数の用語・記号 (第4回)
- 「小数、小数点、1/10の位」「数直線」「÷」
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- ここがポイント! 新算数科の授業展開 (第4回)
- 「四則計算の定着と活用」でなだらかな発展や学び直しを生み出す
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- 〜なだらかな発展や学び直しのある授業展開の工夫(4)〜
- キーワードで読み解く これからの算数授業 (第4回)
- 「解決の方法や結果を振り返ること」の習慣化
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- 数学的モデリングを生かした算数教育 (第4回)
- 数学的モデルとしての数
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- 創造性を高める算数教育 (第4回)
- 創造性の育成をめざした授業構成(2)
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- 編集後記
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- 今月の楽しい問題 チャレンジコーナー
- 回文算を楽しみましょう!
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「表現力」を高める算数授業のアイデア
志水 廣
新学習指導要領では,以下のように算数の目標に表現力の育成が入りました。算数的活動を通して,数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てるとともに,算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。
では,なぜ,表現する能力の育成が大切なのでしょうか。
『小学校学習指導要領解説 算数編』においては,「表現する(能力)」について,2つの側面から述べられています。
考える能力と表現する能力とは互いに補完しあう関係にあるといえる。考えを表現する過程で,自分のよい点に気付いたり,誤りに気付いたりすることがあるし,自分の考えを表現することで,筋道を立てて考えを進めたり,よりよい考えを作ったりできるようになる。授業の中では,様々な考えを出し合い,お互いに学び合っていくことができるようになる。
前者は,主に考えている自分(個人)にとっての意義であり,後者は学び合う集団にとっての意義となっています。
算数の授業における表現とは,見通しや振り返りなどの場面で考えたことを表現することになります。具体的には,算数的な表現は,言葉,図,式,表,数直線などです。
従来の算数の授業では,式さえでればそれで理解したと教師も子どもも思っている部分があるようですが,式は考えたことの1つの表現形式にほかなりません。できない子どもにとっては,式を発表されてもなぜそのような式が生まれてきたのかがわかりません。そうならないためにも,式を補足する図や表をもとに言葉で表現することが大切です。
しかし,多くの授業では,教師は子どもに表現はさせますが,ある部分のつまみ食いに終わり,解説に終始してしまいがちです。これでは,解説を聞くだけの子どもになってしまいます。本来あるべき指導は,子どもの豊かな算数言語の表現を引き出し,育てていくことではないでしょうか。
そこで,本号では,算数における「表現力」とは何か,また高めるための示唆と実践のアイデアをご紹介いたします。
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