- 特集 見通す力をつけるヒント包含法
- 見通す力をつけるヒント包含法
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- 総論
- ヒント包含法で見通しの力をつける
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- 解決の見通しをもたせる問題提示の工夫
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- 導入時のヒントが自力解決を助ける
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- 実践
- 1年/授業の導入で、フラッシュカードで素早く復習
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- 2年/「できそう!」を引き出すヒント包含法
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- 3年/自分たちでネーミングした考え方を復習して!
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- 4年/問題場面を再構成する指導を通して
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- 5年/問題把握の活動で見通しをもたせよう
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- 6年/見通す力を高めるために!!
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- イチオシ! 板書紹介 (第6回)
- 対比が見える板書
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- 〜第6学年 等しい分数〜
- 自著を語る
- 『子ども、教師、学校が変わった「○つけ法」の奇跡 ―「どうせできねーもん」からの脱却―』
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- 早わかり! 算数の用語・記号 (第18回)
- 「距離、道のり」、「重さ」、「繰り上がり、繰り下がり」
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- 学力テスト予想問題にチャレンジ! (第30回)
- 立体図形のイメージ化を図る
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- 算数教育ホットニュース (第102回)
- 考え表現する力を育て5%の向上をめざす授業
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- 授業力アップ! 今月の授業とつまずき指導
- 【1年】おおきさくらべ
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- 〜どちらがひろいかかんがえよう〜
- 【2年】かさ
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- 〜量感をつかみとろう〜
- 【3年】あまりのあるわり算
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- 〜わる数と余りの大きさをくらべよう〜
- 【4年】式と計算のじゅんじょ
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- 〜計算は×÷( )が先ですよ〜
- 【5年】(小数)÷(小数)
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- 〜小数でわる計算のしかたを考えよう〜
- 【6年】変化する2つの量を調べよう
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- 〜比例のグラフをかこう〜
- 算数授業奮闘記 (第100回)
- 考えることは楽しいこと
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- 算数が好きになる問題
- 1年/かぞえゆうえんち
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- 2年/順序よく計算できるかな?
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- 3年/あまりを出してGO!
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- 4年/小数の計算をしよう
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- 5年/どの道を通ったのかな
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- 6年/いくつになるかな
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- 「ふきだし法」から見た新しい算数指導 (第6回)
- 思考過程を「可視化」することの意味(W)
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- 〜自己調整学習と「ふきだし法」(その1)〜
- 子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第6回)
- 活用に関わる朱書き
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- わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第6回)
- 自力解決を促すイメージ化の手法―和田小学校―
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- 新算数科授業のICTラクラク活用アイデア (第6回)
- 算数授業で電子黒板を使う(1)
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- すぐできる! 自作教材教具の作り方・使い方 (第6回)
- 模型を使って体積の求め方を考えよう―L字型の立体の体積―
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- 編集後記
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- 今月の楽しい問題 チャレンジコーナー
- 数のカケッコ。どの道を行ったらいいかな?
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見通す力をつけるヒント包含法
数の授業では,問題を解決しながら概念形成をはかることが多い。その際,見通しを立てて解決することが望ましい。問題解決するときに試行錯誤的にやっていたらきりがない。その前に,どのようにしたらよいか(方法の見通し),答えはどのくらいかな(結果の見通し)と考えることが重要なのである。
学習指導要領の算数科の目標にも,見通しが強調されている。では,見通しとは何か。これがあまり書かれていない。志水の解釈では,見通しとは,これまでの学習経験から問題を解決するときに,方法や結果の予想や仮説を立てることといってよいだろう。しかし,子どもが問題解決の際に見通しを立てようとすると,なかなか立てられないことが多い。特に全員の子どもに見通しをもたせたいのであるが,それまでの既習事項の理解度や関連性について個人差があるために難しい。だから,いきなり算数の問題を自力解決させると破綻してしまう。そうかといって,問題解決の最初に見通しを発表させるのも,集団カンニングにほかならない。これでは,子どもに見通す力はつかない。
それらの弱点を克服しようとしたのが志水式ヒント包含法である。
ヒント包含法とは,授業の導入時に子どもの自力解決を支援する見通しを問題提示に入れておく方法のことである。これには2つの場合がある。
前時の既習事項がある場合は,本時の解決につながるようなヒントを復習に入れておくとよい。
A 前時に既習事項がない場合は,新たにやさしい問題を作って,本時の問題解決に役立てるとよい。
ヒント包含法は,復習をしながら本時の見通しに気づく場があるので,どの子もあたかも自分で見通しに気づいたようになる。また,見通しに気づくための方法もその場にはある。つまり,何と何を関連づければ見通しをもつことができるかも暗暗裏に含んでいるのである。
号では,ヒント包含法のよさ及びヒント包含法を考える視点について,ヒント包含法とは何か,またそのよさを具体的な実践事例とともにご紹介します。
志水 廣
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- 明治図書